僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

Gのレコンギスタ I 行け!コア・ファイター

劇場版『Gのレコンギスタ  I』「行け! コア・ファイター」 [Blu-ray]

Gundam Reconguista in G I
総監督・脚本・原作:富野由悠季
日本映画 2019年
☆☆☆★

限定公開という形でしたので、こちら(山形)では上映しないかな、と思ってたのですが、嬉しい事に遅れて公開決定。これは見ねば、とさっそく見てきました。

TVシリーズはほぼリアルタイムで最終回まで視聴。
富野ファンなので、BDとかも全巻揃えたんですが、買うだけ買って
2回目の視聴はしていません。
TV版の方の感想はと言うと、とにかくわかりにくい!これ2クールじゃなくて、1年でやればまだ良かったんじゃないの?という印象でした。

富野も評判が散々だったのを気にしてか、劇場版5部作に再編集して、
今度はもっとわかりやすくするよ!
冒頭3分を先に公開するから見て!違うでしょ!ってやってたのですが、
私は長年の富野ファン。そんな話には一切騙されません。
富野由悠季がわかりやすいものなんか作れるわきゃねーだろが!(ギンガナム調)
といった感じで挑みました。

うん、予想と通り、さっぱりわかりやすくなんてなっていません。
設定と勢力図がまずもうわからない、キャラクターとその行動理念、立ち位置も
もう矢継ぎ早に変わっていくし、専門用語の洪水。
相変わらずキャラクターも多い多い。
これに必死こいてついていくのがまた面白かったりするんですけど、
まあなんとなくの一見さんにはついてこれる世界じゃねーわな。

途中で一度これもうわかんねーなと思ったらもうそこからはついてこれなくなると思います。
少し前に私「コードギアス」の3本にまとまってる映画版を見たのですが、
TV版を見てないとさっぱりついていけない世界でした。
設定とか色々理解すれば面白いんだろうけど、という感じ。

本当にわかりやすくしたいのであれば、もっともっとシンプルにした方が良いと思います。

でも演出家としては比類なきまでの超超一流の富野。
そこはもう絵としては最高に面白い。
メカもカッコ良くかつ、パターンに収まらない絵作りをしてくるし、
キャラクターの芝居も最高でした。
富野演出の独特な所って、話とは関係ないところで動いているキャラクターの動き、とかなんですよね。それっていわゆる「映画っぽい」モノなので、
劇場のスクリーンで見ると、ますます映画に見える。
そこはTV版とは違う印象受けるな~と楽しく見れました。

そしてそこに炸裂する富野ゼリフの応酬。
ヤバイ。面白い。

今回の企画って、どう考えても福井の「ガンダムUC」の成功に嫉妬して
こんなの俺だって出来るんだよ!ってとこから始まってると思うのですが、
新規のOVAとして作ってそれを劇場公開するUCと違って、
基本的には総集編ですので、1本の尺が長い。
UCはラスト以外は基本60分弱だったのですが、今回は100分ある。
なのでとっても見ごたえがありました。

富野が意図する「これからの子供達に見てほしい」が上手くいくとは思えませんが、富野ファン→富野信者→富野は面白いただのおじいちゃん。
みたいに見方が変わってきた私にとっては、TV版の悪い印象以上に、
やっぱ富野おもしれーなと思える1本になってました。

なんかドリカムが主題歌担当するという話が出てますが、今回は
TV版のOP、EDそのまま。これからエピソードごとに変わって行くのかな?
あの、致命的に合っていない「ふたりの魔法」は果たして使うのか?
2本目以降も楽しみにしていきたいと思います。


劇場版『Gのレコンギスタ Ⅰ』「行け!コア・ファイター」第1弾PV【ガンチャン】