僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

ウィンターソルジャー:セカンド・チャンス

WINTER SOLDIER:SECOND CHANCES
著:カイル・ヒギンズ(ライター)ロッド・レイス(アーティスト)
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2019年
収録:WINTER SOLDIER v2#1-5(2019)
☆☆☆

 

キャプテン・アメリカの相棒として戦場を駆け抜けたバッキー・バーンズ。ナチスドイツの降伏直前、北海に消えた彼はソビエトに回収され、暗殺者ウィンターソルジャーとして蘇った。やがて己を取り戻した彼は、過去の罪を償うべく、犯罪者の自立支援プログラムを開始するが、そんな彼を待っていたのは、かつての自分を彷彿とさせる、暗殺術を叩き込まれた少年だった。
ドラマ化決定で話題のウィンターソルジャー最新作!

 

2019年に発表されたミニシリーズをその年の内に日本語版も発売と、仕事が早い。
シビルウォー」の終幕にスティーブ・ロジャースが暗殺された事で、キャプテンアメリカの名を継いだバッキーだったが、その後の「フィアーイットセルフ」の戦いで死亡。・・・したかと思われていたもののフューリーに助けられ、ウィンターソルジャーに戻る。「オリジナルシン」事件で特別な役割を担う事になった、ぐらいまでが日本語版でのバッキーの流れだったかと思いますが、そこから今回の「セカンドチャンス」までの間が結構開いてて、その辺りは解説書でも触れてないので気になる所。

 

映画がここまで大きいものになってくると、原作の方から映画に寄せるという形にもなってきてますので、映画のキャラのイメージで本書に触れても設定上若干の差異はあってもそんなに違和感なく読める感じにはなってるかと思います。

 

トニー・スターク、シャロン・カーター、ドク・サムソンらの手を借りながらバッキーは悪の組織から足を洗おうとしている人達を助ける独自の仕事を請け負っている。
ヒドラ党やらAIMやらマーベルにも悪の組織はいっぱいありますので、リアルに考えればそれらの戦闘員みたいな人達一人ひとりにも人生やドラマがある。
でもそれらはバッキー自身程にはヒーローの物語していない辺りが絶妙です。
そう、そこには少々苦い結末が待っていたりもする。

 

バッキー・バーンズは何故自分を取り戻すことができたのか。
自分と同じような事をしてやれれば、彼らをまた自分と同じように救う事ができるはず。
そういう気持ちってよくわかります

 

別に、洗脳されて暗殺者にされて、なんて話じゃなくてもいいのです(そもそもそんな話はそうそう無い)。自分と似たような環境や状況で苦しんでいる人に対して、ついつい「自分はこうやってその問題は解決したんだよ」なんておせっかい焼いてみたくなる事ってありません?中にはそれが変わるきっかけになる事も無いとは言わないけれど、大概の場合はさ、なかなかそう上手くはいかなくて非常にもどかしい思いをしたりする。
そう、例え似ていたとしても、人はみんな違うから。

 

苦い経験となってしまったバッキーに、また新たな依頼の電話が入る。
そのとき彼は・・・。