僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

獣は月夜に夢を見る

獣は月夜に夢を見る [DVD]

原題:Nar dyrene drommer
監督・脚本:ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
デンマーク・フランス合作映画 2014年
☆☆☆★

 

<ストーリー>
美しい海岸沿いの小さな村で、父と病気の母と暮らすマリー。父は母の病のことは何も教えてくれない。村の住人は車椅子の母を恐れ、マリーには懐疑的な眼差しをぶつけてくるが、彼女はそれがどういう理由から来るものなのか知らなかった。ある日、マリーは職場で出会ったダニエルに恋をする。孤独を抱える二人は徐々に惹かれ合うが、時を同じくしてマリーは身体に奇妙な変化を感じ始める。その感覚は強まり、次第にコントロールできなくなっていく。身体の異変と母の病気について調べ始めるマリーだったが、そこには決して抗えない哀しい秘密が隠されていた。全てが明らかになった時、愛し合う二人が下した衝撃の決断とは・・・。


タイトルのみで借りてきた1本。パッケージ裏の説明もよく見ず、サスペンスミステリーっぽいのと、ナントカ・ミケルセンってのがチラっと見えたので、ああデンマーク映画久々だし(トリアーとかスザンネ・ビアとか昔は割と好きで見てたので)こういうのは先入観無しで見るのが楽しい。

 

一時期フレンチノワールで流行ってた「あるいは裏切りという名の犬」みたいな、やたらカッコつけた邦題なのかな?なんて感覚で最初は見てました。デンマーク映画だし、閉鎖的な田舎の村での痛々しい人間ドラマなんだろうなと。そしたら、主人公の女の子が怪我した所から毛らしきものが生えてくる。そしてお母さんも背中の毛を剃ってもらってる描写がある、くらいの所でああ、これってもしかして、という感じでした。なるほどこれ気取った邦題とかじゃなくて、普通に作品に合わせたタイトルだったのか。

 

ネタバレすると、ライカンスロープ物でした。
ぼくのエリ200歳の少女」辺りと少し似てるかなと思いましたが、見終わってから予告編を見ると、ぼくのエリ~を彷彿とさせるとか普通に書いてありました。しかもお父さん役のラース・ミケルセンってあのマッツ・ミケルセンのお兄さんなんですね。兄弟で俳優やってたなんて知りませんでした。

 

そして主人公マリー役のソニア・ズーさん。シアーシャ・ローナンとそっくり。そんな彼女のちっぱいが拝めるあたりも見どころ。(違う)

 

なかなかに引き込まれるお話で、割と好みのタイプの作品でしたが、ふと考える。例えばこれと全く同じ脚本で、もし日本で作ってたら、多分つまんないんだろうなと。別に日本映画を腐すわけじゃなくて、リアリティラインとしてもしこれを身近な話として見てしまうと、なんかあまり入れないんだろうけど、北欧の、遠い異国の話として見る分にはファンタジックな話として面白く見れてしまう。やはり雰囲気って大事です。

 

ライカンスロープ物、いわゆる狼男物って定期的にリメイクされてたりしますが、よく考えたらちゃんと見た事ないかもしれない。狼男単品じゃないけど「アンダーワールド」くらいかも。「ハウリング」とか「ウルフマン」意外と見てないです。

 

「ぼくのエリ」は私もとっても好きな作品で、その原作者が原作と脚本やってる「ボーダー 二つの世界」がこちらでは今月に公開されます。タイトルだけで借りてきた作品でしたが、奇しくもちょっとシンクロした事に驚き。とは言え似てるようで多分、全然違うタイプの作品かとは思いますので凄く楽しみにしてます。


4/16(土)公開『獣は月夜に夢を見る』予告篇