僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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バットウーマン:エレジー

バットウーマン:エレジー (ShoPro Books)

BATWOMAN:ELEGY
著:グレッグ・ルッカ(作)J・H・ウィリアムズⅢ(画)
刊:DC 小学館集英社プロダクション
アメコミ 2020年
収録:DETECTIVE COMICS #854-860(2009-10)
☆☆☆☆

 

 バットマンことブルース・ウェインが消えたゴッサムシティで、新たな守護者として自警活動を行うバットウーマン。戦いを始めてまだ間もない彼女が守る街に、危険な犯罪教団の魔の手が迫る。ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』に心酔し、自らも“アリス”と名乗る謎の女に率いられた彼らは、ゴッサムシティを死で覆われた、歪んだワンダーランドに変えようとしていた。そしてこのアリスの存在は、バットウーマンの暗い過去に繋がる大きな鍵でもある…想像を超える強大な力を持った相手に対して孤軍奮闘するバットウーマンに、果たして勝機はあるのか? 

 

バットウーマン単独での初邦訳単行本が出ました。
バットファミリーが終結するクロスオーバーではたまに出てきたりしつつも、割とファミリーとは距離を置いてたりする感じだったり、グラント・モリソンが脚本を担当したシリーズで古い設定を掘り起こしたりしてる中で初代のバットウーマンにも少し触れてたりしましたが、今回はがっつりメインです。

 

時期的には「NEW52」直前くらいで、ブルース・ウェインが消えてディックがバットマンやってた時期。ちょっとだけバットマンも出て来ますが、チョイ役ですので意図的にブルースかディックかの区別はつかない感じに描いてるとの事。

 

ゴッサムに突如現れたルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」シリーズを模したヴィランのアリスとの激闘を描く。
同じくアリスモチーフのヴィランであるマッドハッターとはきっとソリが合わないだろうとの事。でもそのうちどっかのライターがきっと書くはず。(割と前の作品なので今はもうあるのかも?)

 

この作品の少し前の今のバットウーマン初登場の話からストーリーは続いてる形ですが、一区切りついた後なのと、アリスとの戦いの中で後半はバットウーマンのオリジンが明かされていく形になってますので、これ単体でも十分に読めます。


赤髪で真っ白な肌に黒マントというゴシックなビジュアルですが、素顔のケイトやアリスも含め、ゴスはデザイン的にも意識してるようです。デザイン調になってるコマ割りやカラーリング等、全体的なビジュアルがメチャメチャカッコいい。アーティストのJ・H・ウィリアムズⅢはアラン・ムーアの「プロメテア」もやってましたが(ゴメン、私はプロメテア1巻までしかまだ読んで無い)カラリストのセンスもかなり凄いので、プロメテアともまた少し違う印象。

 

ケイトはレズビアンなので、それが理由で軍を退役という過去が明かされたりと、その辺はまさしくイマドキのアメコミです。最近はDCでもマーベルでも、チームだと大概こういう人も普通に居たりしますね。

 

TVドラマ化もされ、日本でも放送が決まってるらしいですがその原案にもなってるようです。私はドラマの方にも手を出したい気持ちはあるにはあるけど、ここまで量が多いとなかなか実際には手が出ない。

 

一つ、大きな真相が明かされ、ぐらいの所で終わってますが、その後はライターとアーティストの両方をJ・H・ウィリアムズⅢが担当してるという事ですので、このビジュアルなら続きを見たいと思わせてくれます。(以前出たNEW52の1話だけを集めた奴には入ってますがホントに1話のみですので)

 

読みやすいし、絵の魅力が素晴らしいですのでアメコミ初心者の方でも入りやすくて良いんじゃないでしょうか。オススメ。

NEW52:バットマン (DC COMICS)