僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

イット・カムズ・アット・ナイト

イット・カムズ・アット・ナイト [DVD]

原題:IT COMES AT NIGHT
監督・脚本・編集:トレイ・エドワード・シュルツ
アメリカ映画 2017年
☆☆★

 

<ストーリー>
夜襲い来る“それ”の感染から逃れるため、ある一家が森の奥深くにある一軒家に、外界との接触を断ちひっそりと暮らしていた。しかしある日、そこに別の家族が助けを求めて転がり込んでくる。うまく回り始めたかに見えた2組の家族の共同生活。しかしある夜、固く閉ざされていた禁断の赤いドアが開き、彼らの静寂が破られる…

 

新作の「WAVES/ウェイブス」が公開中の監督で、前作のこれが予想以上に良い出来で面白かったよ、とマクガイヤーチャンネルで語ってたので、新作の方にはあまり興味持てませんでしたが、ホラーという事でこちらの方は面白そうだなと見てみました。

 

予告だと超常ホラーっぽいですが、実際はその要素は皆無で、極限状態を描く心理ホラーという感じでしょうか。

 

謎の感染症が蔓延して、人類はおそらくほぼ絶滅状態。山奥の家に立てこもる3人の家族の前に、同じく生き残った人が現れるが・・・みたいな感じです。

 

実際ここまでにはならないかなとは思うものの、感染で人類絶滅とか2017年の作品ながら、すごく今のコロナ渦の状況にも通じるものがあって、もしかしたら未来はこんな風になっちゃうんだろうか?みたいな気持ちにもさせてくれます。

 

水は浄化装置で何とか確保しているものの、食料は少なめで1日2食。感染に怯え、外に出る際はマスクと手袋は絶対に欠かせないという状況。

 

家族以外は絶対に信じるな、という教えがあるのですが、私は多分生き残りとか見つけたら、なんとか協力しようってなっちゃう方ですね。でもそれだと多分生き残れないんだろうなぁとかは思ってしまいますけど。

 

一応、この家族もとりあえずは救う方向には行くものの、些細な事から疑心暗鬼になってしまい、疑いの眼差しを向けギスギスしていき、やがては衝突にまで発展してしまうと。そこら辺をホラーっぽい演出も入りながら描かれます。

 

う~ん、自分と自分の家族だけが生き残ればいいのか?私は家庭を持つ身では無いので簡単にみんなで協力して知恵を絞ろうよ、自分だけが生き残ればいい世界なんて嫌だよと政治とかも含めて言いがち。でも家族を持ったら他人を犠牲にしてでも家族を守るべき、みたいな考えも生まれちゃうものなのかな?とも思わなくは無いです。

 

こういう作品は、もっと他の世界がどうなってるのか見たい!食料の確保とかどうなってるんだろうか?とか色々と気になり始めるとキリがないですが、シチュエーションスリラーですので、人の心の奥底にあるものは何だろう?何が人をそうさせるのか?みたいな所こそを探りながら見るものかな。

 

絶賛とまでは行かないまでも、凄く今を感じさせてくれる作品としてそこは面白かった。


映画『イット・カムズ・アット・ナイト』予告編