僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(MCUその23)

スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム (吹替版)

原題:SPIDER-MAN: Far From Home
監督:ジョン・ワッツ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2019年
☆☆☆☆☆

 

MCUフェイズ3の10本目にして締めくくり。MCU版スパイダーマン単独としては2作目。そしてここまでのシリーズの集大成の「エンドゲーム」のその後を描く、エピローグ的な要素もありつつ、次の章のプロローグ的なものでもある。

 

・・・という位置付けではあるものの、今回あんまりそこは気にならない感じで普通にスパイダーマン単体の物語としてメチャメチャ面白かった。

 

基本的に私はアクションシーンとかそんなに気にして見る方じゃないし、こだわりも無いんだけど、MCU版に限らずやっぱりスパイダーマンはウェブスイングとか見ていて単純に楽しい。

 

スイングだけじゃなく、ウェブを使った攻撃や束縛、救出シーンとか動きの全てが見ていて「おっ!」と思える感じが凄いなと。他の作品では見た事の無いオリジナリティみたいなものがスパイダーマンアクションはどの作品も惹きつけられるものがあって面白いなと。

 

これ何でだろうなとちょっと考えてみたんですけど、重力とか遠心力がちゃんと働いてるからなのかな?って。

 

空中を飛べるキャラとかでも、空間を縦横無尽に動き回るアクションとかは多分出来るんですよね。でもなかなかスパイダーマンみたいな面白い画にはならない。

 

ドラゴンボール」とか私、子供の頃からあまり乗れない部分があって、空中でパンチキックをバシバシ繰り出したりするわけじゃないですか?あれ見ててね、力の移動というか、体重のかけ方とかどうなってるんだろう?っていうのが凄く気になってしまって、バトルのおそらくはカッコ良く見せているであろうシーンが変な違和感しかなかったんですよ。

 

だってパンチもキックもちゃんと足で地面を捉えてると言うか、踏みしめるから威力が出るわけじゃないですか。体重のかけ方というかね。でも空中だとその地面が無いのにどうやって踏ん張ってるのかがわからないし、そのパンチやキックがどれくらいの強さの威力なのかが全くわからない。

 

例えば同じ空中戦でも、超スピードで飛んできてその威力をぶつけるとかならわかるんです。いわゆるベクトル理論ですよね。そこは理解出来る。

 

映画だとジェット・リーがやってたリー・リンチェイの空中三段蹴りみたいなの(無影脚でしたっけ?)もそう。


効果音でごまかしてるので気にならない人も居るんだろうなと思うんですけど、空中で3発も蹴ったって、多分そんな威力無いですよね。ペシペシペシ!みたいな。勿論、超スピードとか身体能力の凄さは伝わりますけれど。

 

私はプロレスとか格闘技も昔好きで結構見てたんですけど、基本的に映画みたいなバシッていう効果音は当然ありません。よっぽど良い感じに入ればまた別ですけども。で、誰だったか忘れましたが、とあるプロレスラーが言ってたんですよ。キックする瞬間に自分の手で自分のふとももをパシッと叩くんだよ、そうすると音が出て伝わるんだ、みたいな事を。面白いですよね、マジシャンみたいで。キックすればみんな足に目が行くから、その瞬間に他の事をやってるって。プロレスは当然相手を倒すとかの競技制とかだけでなく、いかに客を惹きつけるのかっていう所に面白味のあるジャンルですから、そういう所にも頭を使ったりするわけです。

 

うん、ちょっと話がずれた。スパイダーマン見て、何でこんなにアクションシーンが面白いんだろう?と思って見てたら、重力のかかり方や遠心力の使い方を画作りとしてきちんとやっているからなんだろうな~とかちょっと考えてしまいました。ゴチャゴチャはしてるんだけど、見ていて常にそうやって頭で理解出来る面白さがあるから、飽きずに見てられるし惹きつけられるんだなと改めて今回思いました。

 

そういう視点で言えば、今回のミステリオです。映画の特撮技術を使って相手を騙す、という原作でもホントに最初の初期の頃から居る古参のヴィランなんですが、これを最新のプロジェクションマッピングとかバーチャルリアル技術を使うというアレンジが面白い。

 

ただここがね、いや実際ここまでは出来ないでしょう?みたいに思ってしまって乗れないか、いや近い将来これくらいの技術は出来るようになるんじゃないの?と素直に乗れるかは割とその人の考え方にもよるかもしれない。ここまで行くと現実的では無いな、みたいにね。

 

どちらかと言えば私も後者の方で、いくら何でも現実の空間にここまでの映像とかちょっとリアリティには欠けるんじゃないの?と思ってしまう方なのですが、そこをね、単純に技術の問題としてではなく、後半のスパイダーマンが幻惑される空間とかを、スパイダーマン自身の内なる葛藤と絡めてある辺りが映画としての圧倒的な面白さに繋がる。

 

こういう練られた脚本を出してくる辺りがMCUの飛びぬけた部分なんだよな、と改めて知らされます。VFX技術の進歩だけで作ってるわけじゃない。ミステリオの語るヒーロー論なんかも含めて、最近はこういうのじゃないと誰も注目してくれないんだよね、っていうヒーロー映画に対する自己批判っぽい部分ですよね。こういう事やってるのが凄いなぁと。

 

それでいてね、最初に言った通り、アクション見てるだけでも楽しいし、とにかくギャグシーンコメディシーンがこれでもかと入ってる。ネッドとベティ・ブラント(声が水瀬いのり!)とかもう面白くって仕方ないです。あれはきっと・・・ナイトモンキーだよ!って。

 

何この完成度。前作に引き続き監督のジョン・ワッツ、今は3作目の撮影中ですが、その後は何とMCU版ファンタスティック・フォーもやる予定なんだとか。あまり期待過剰になるのもどうかとは思いますが、こんなに面白いものを出されたら嫌でも期待しちゃうじゃないですか。昔は「コップ・カー」とか変な映画やってた人なのにね。(そこからの起用ってのもまたマーベルスタジオっぽいですが)

 


アイアンマンの後継者としてではなく、あくまで親愛なる隣人としてのスパイダーマントム・ホランドやっぱり可愛いですよね。ティーン感が凄くあって面白い。当然、実際の役者は歳をとるので、いつまでもこの路線ではいられないだろうけど、今の内に次回作や、ソニースパイダーマンユニバース?の方でもやれるだけの事はやってほしいです。「ヴェノム」も正直かなりアレな作品でしたし、ソニーの方でここまで完成度の高い映画が作れるのかは不安ですが、ことマーベルスタジオにおいては本当に一級品の作品ばかりですので、なんとかくらいついてほしい所です。

 

 

 


という所で、2020年現在までのMCU映画23本再見、1年がかりでブログに感想書いてきましたがいかがだったでしょうか。


まさかの再上映で何本かまた映画館で見れたり、当初の「ブラックウィドウ」の公開に合わせて半年で見るつもりが丸1年かかったりと、色々と予想外でした。関連本を挟みながら、みたいな部分もあったので、次は3週目で一気見したいと思えるくらいに、ホントMCU面白い。ネトフリ版ドラマとかはスルーしましたが(デアデビルのシーズン1と2だけ前に見てるのですが)そっちもそっちでね、せめて各1シーズン分くらいは見ておきたいなとも思うし、年明け早々からディズニープラスでの各種ドラマ配信も始まりますよね。

 

今年は結局「ブラックウィドウ」も公開されなくなっちゃって、2020はMCU映画一本も無しと悲しい感じですが、こうやって振り返る事が出来て、インターミッションとして結果的には個人としては楽しめたのかなとも思います。

 

元々のアメコミファンなので、一区切りついたからもう熱が冷めたとかは無いですし、今後もまた楽しみです。


映画『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』予告(6.28世界最速公開)

 

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com