僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アベンジャーズ/エンドゲーム(MCUその22)

アベンジャーズ/エンドゲーム MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]

原題:AVENGERS:ENDGAME
監督:アンソニー・ルッソジョー・ルッソ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2019年
☆☆☆☆☆☆☆

 

MCUフェイズ3の9本目。「アベンジャーズ」シリーズとしては4作目に当たり、同時にここまでの21作のまさに集大成となった作品。しかも映画史における歴代興行収入の1位にまで躍り出てしまった、まさに昨今の映画文化をも象徴する一作。

 

まあ日本だと今ヒットしてる「鬼滅の刃」とか「ジブリ作品」とか「天気の子」とかが興行収入のトップに居るので、日本国内においてはそこまでは届かないですし、その辺りはまあ日本だよな、という感じです。それでもね、一般層にまで「アベンジャーズ」とか「マーベル」の名前を轟かせたのは本当に凄い事だし、マーベルグッズとかも普通に世の中に沢山売ってるところまで来たんですよ。

 

これね、古参のアメコミファンにとってはもう夢みたいな話です。

 

私はカプコン対戦格闘ゲームの「X-MEN」からアメコミにハマり出した人です。その後、原作を読んでみようってなって、そこからさらにMCU以前のマーベル映画とかそんなのが次々とあって今に至る、みたいな感じ。

 

その上、映画オタクになった要因の一つも映画「X-メン」がきっかけだったりもします。原作好きな私にとっては映画も凄く面白かった。でもこれ、私は好きだから面白いのであって、映画としての出来はどういったくらいのものなんだろう?そこを客観的に知りたいって思ったの。

 

だったらありとあらゆる映画を見て、ちゃんと作品として冷静な判断が出来るくらいの比較対象を持たなければいけませんよね?そこで過去の名作的なものから、リアルタイムでヒットしてるようなもの、批評家受けする通好みな作品とか何から何まで幅広く観るようになって、今度は映画ってジャンルそのものの面白さにもどっぷり浸かって行きました。果たしてそこで映画X-MENをどう捉えたのかはいずれ語るとして、そういう背景も込みな上での「エンドゲーム」なわけです。

 

公開時もリアルタイムで当然観てます。あれはゴールデンウィーク前の仕事納めの最終日でした。実はその前日、食べ物が悪かったのか未だに原因は不明なのですが、全身にアレルギーみたいな発疹が出来ちゃって、おいおいおいおい、エンドゲーム観に行けないしGWも病気でどこにも行けないのかこれ?みたいに焦ったんですけど、なんとか翌日には回復して、いざエンドゲームへ!みたいな感じでした。そしてとんでもない凄いものを見た。

 

何でこんな事を語るかと言えば、それってやっぱり映画単体としての面白さ以外にも、映画体験という部分に関しても、それは特別な物だったな、と思うからです。

 

今回もやっぱり見返して物凄く面白かったですよ。でも、当たり前の話ですが、初見の時のインパクトや感慨には届かない。当時もね、2回目観に行こうかなと思いました。でもあえて行かなかった。遂にここまで来たかっていう感覚を大事にしたいと思ったから。冷静になって作品をより深く見るなんてのは後回しで良い。(というかそれが今回?)まずはこれを特別な経験として留めて、大事にしたいと、当時はそう思ったのです。

 

「X-メン」1作目の時のように、これは映画好きからしたらどう見える作品なんだろうっていう、自分の「好き」とはまた別に、客観的、或いは批判的でも冷静にでもいい、そういう違う角度からちゃんと物事を捉える事は大事です。自分は好きな作品だけど、映画としては大したことないよね、むしろ駄作、みたいな所は別にあったって全然構わないし、そうあるべきだとも思う。「好き」と「良い」を同列の評価軸で捉え無いようにとは常に私は思っています。

 

でも、同時に特別な感情を持つ事も全く否定はしないし、逆にそこもまた面白味です。同軸で語らないというだけで、どっちもあって良いものですし、そうあるべきと思ってる。それは映画に限った話じゃなく、全てにおいての話です。

 

そもそもMCU作品ってそこを外さずには語れませんよね。普通はTVでやる1時間の連続物のドラマを2時間にして映画館で定期的に上映してるだけっていう批判も話としてはそりゃそうかもね、と思いますもの。

 

でも、そこをちゃんと普通の映画と全く引けを取らない一本一本のクオリティの高さを意地しつつ、それで年に2~3本とかやるなんて、前例が無いじゃないですか。

 

まあ一応映画の「SAW」シリーズとか1年に1本ペースで「2」以降はいかにも連続ドラマ的な感じで作ってたりした時期もありましたが、それでもMCUとは桁が違うわけじゃないですか。

 

そもそも映画黎明期には連続活劇としてヒーロー物だってやってたし、その再現とも言えるでしょうし、定期的に出るコミックを延々と読み続けている、みたいな感覚を映画のスクリーンで再現して見よう、みたいな試みとも言えるわけですよね。そもそもがコミックヒーロー物なんですし。

 

私は「スターウォーズ」思い入れも無いし、特に好きでもありませんが、あれだってSF映画なんて一般受けしないっていうのを覆して、あれもあれでシリーズとして作っていって、そこはリアルタイムで経験して行った人は特別な思い出になってるわけじゃないですか。要はそういうのの現代版であり、よりアップデートしていってるのがMCUっていう映画シリーズです。まだユニバース化していなかった時期のマーベル映画の黎明期から見始めて、今度は「アベンジャーズ」で集合していくのをやるんだと、そしてそこから更に物語は深まって広まって行く、そしてそれをリアルタイムで追いかけて行くと。

 

こういう特別な体験を抜きにして、映画としての完成度云々だけで語って終わりなんて、あまりにも勿体無い。そこを語らずして何が見えるんだっていう話です。

 

繰り返しになりますが、MCUだけじゃないですよ。アメコミ界隈をウォッチするようになってから、こうして「アベンジャーズ」が一般的な言葉になるくらいまで世の中が変わってくる所までの変化。そこを考えただけでももう面白いじゃないですか。そういう意味では、やっぱりこれは私にとっては特別な作品なのです。

 

という所で作品の内容にようやく入る。


前作「インフィニティウォー」でも書きましたが、あの衝撃的なラスト。ヒーローが負けて終わる。ここから反撃開始だ!とかじゃなく、どんよりした空気で映画館を後にするという、それもそれで特別な体験をさせてくれたと言えますが、そんな挑戦を仕掛けてくるマーベルスタジオは本気で凄いと思います。

 


じゃあ次はどうなるのよ?という所での、冒頭でのサノスとの再戦。首ちょんぱでサノスへのリベンジ。でも、それで何が変わるんだ?と言わんばかりの「5年後」ですよ。

 

最後はお約束の大団円ですよ。消えたキャラも戻ってくる。そんなのはもう映画を見る前からわかりきってる事。その上で話を作らなきゃならない。

 

「5年後」で劇場も自分の心もざわっとしました。いやもうとんでもない作品をやっぱり作って来るもんだと思わせられました。

 

そしてインフィニティウォーでは出なかったアントマンの量子世界からの帰還。鼠が偶然スイッチを押したと言う雑さがアントマンらしくてたまりません。そこからのタイム泥棒。過去作品のシーンに入りこむという、もうここまで見続けてきたファンならたまらないシーンが次々とあれば、まさかのストレンジではなくエンシェントワン登場とか、失敗からの父ハワード・スタークとの邂逅とかとにかく全てのシーンが愛おしく思えてくる。

 

今回見返して思ったのが、このタイム泥棒のシーン、結構感情の起伏が激しいと言うかコメディ的な部分と、それこそクリントとナターシャの下りとか、トーンを統一せずにバラバラに作ってあったのが意外な印象でした。悲しいシーンとかを連続で統一させてまとめてやるとかじゃなく、山あり谷ありがあるからこそ長い時間を飽きずに見られるのかな?と映画としてのテクニックみたいなものもちょっと感じました。

 

それでいて二人のネビュラから前の時間ながらサノスがアベンジャーズ側が何をしようとしているのか、自分が未来の時間軸で何を成したのかがわかるという設定の上手さも光ります。

 

「アイアンマン1」の感想の時にも書いてますが、トニー・スタークもサノスも出発点は自己流の平和という善意の押しつけという意味で共通していて、そこからMCUはスタートしてるんですよね。そこから様々な出会いや別れ、冒険の果てにここまで世界が広がったと。

 

一人の人間の考えで世界をどうこうしても良いものなのか?いや結局は叩き潰してもアベンジャーズはまた時間さえ越えて立ち向かってくると、世界は一人でどうこう出来るものなんかじゃない。多様性こそがこの世界の真実で、そこにきっと可能性はいくらでも繋がっているはずなんだ、っていうまさしく現代性を捉えたヒーローの姿を描く。もうね、満足です。

 

ちゃんと映画冒頭でサノスを力で叩き潰してもそこに未来なんか無い、力に力で抵抗したって意味無いんだよ、というのを描いてるわけですよね。

 

ベタで陳腐かもしれないけど、そこはユニオン(同盟)を組んで、その中で一人一人の個性を生かしていけばきっと物事は解決できるはずなんだ、それこそが集団ヒーローである「アベンジャーズ」の本質なわけじゃないですか。

 

サノスが危惧していた世界の飽和問題だって、きっと一人一人が知恵や技術を絞ってそれをかき集めて行けば問題はいずれ解決できるんじゃないか?時間さえ越えられるんだから、きっと出来ない事なんてないはず。

 

単純な数字の上では歴史上、最も売れた映画って事ですよね。これが現実に
影響を与えないはずがないと私は思います。アベンジャーズを見たから自分は
こういう生き方を選んだ、こういう職業についた、こういう道を切り開いたんだ、
そういうのって絶対に出てくる。それは何十年も先になるかもしれないけど、
影響って絶対にあるんですよ。だから私らは実際に「エンドゲーム後」の世界を
生きているんです。これって物凄い事だと思いません?

 

そんなわけで、遂にここまでたどり着きました。次はフェイズ3完結編にしてエピローグ的な意味合いもある「スパイダーマン:ファーフロムホーム」です。何とか今年中には行けそうかな?

 


映画『アベンジャーズ/エンドゲーム』本予告編

 

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