僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

ラ・ヨローナ〜泣く女〜

ラ・ヨローナ ~泣く女~ [DVD]

原題:The Curse of La Llorona
監督:マイケル・チャベス
アメリカ映画 2019年
☆☆☆

 

<ストーリー>
1973年、ロサンゼルス。息子クリスと娘サマンサを育てるアンナ・テイト=ガルシアは、少々大雑把なお母さん。彼女はケースワーカーとして児童相談所に勤めており、その日は児童虐待が疑われる女性パトリシア・アルバスの家を訪問。彼女は長年、アンナが担当してきた人物だったが、いつもと違い酷く怯えて攻撃的だった。子供達は部屋のクローゼットに監禁されており身体にも傷があったため、虐待は確実と思われたが、子供達は母親がやったのではないと言う。そして、どこへ逃げても無駄だと絶望した表情で呟く。

子供達は聖ビクトリア教会の福祉施設へ入ることになったものの、深夜になってアンナへと連絡が入る。子供達が川で溺死したと言うのだ。アンナはクリスとサマンサを連れて溺死現場へと向かった。そこにはパトリシアも来ていたが、彼女はラ・ヨローナという悪霊から子供達を守ろうとしたのだと言う。だが、アンナが連れ出したせいで、死んでしまったと責め立てる。

パトリシアがパトカーで去って行く様子を目にしたクリスは、興味本位で現場へと向かう。茂みの中からこっそりと窺ったが、ふと背後から女の泣き声がする。クリスはそこで白布を被った長い黒髪の女が泣いているのを目撃し、更に右手首を掴まれてしまう。
MIHOシネマさんより引用)

 

死霊館ユニバースの6作目。アナベル人形と関わりのあるペレズ神父が出てくるという所での世界観の共有なので(アナベル人形も回想シーンでちょっとだけ)、ストーリーの関連性は薄い。同じような「死霊館のシスター」は本編でも結構なインパクトはあっただけに、シリーズの1作という感じではあったけど、こっちはそれ以上にスピンオフっぽい印象。

 

ただ、ペレズ神父が紹介する形で、協会からは抜けたけども、悪霊退治を営んでいるラファエルという人が登場、こちらは他の作品にも絡めていけそうなキャラなので、今後は楽しみな存在かもしれない。

 

死霊館シリーズ、割と面白くって、5作目の死霊館のシスターまでは見ました。アナベルの3作目はこれから。ブログ再開するちょっと前くらいまでに見た感じなので、前5作の感想が記録として残せてないのがちょっと勿体無い。あんまりストーリー的にどうこうってとこまでは正直憶えて無い。

 

基本的には「ひゃぁ~怖かった、でも面白かった」ってのが毎度の印象と言う感じなので、それ以上どうこう言うものでもないってのもあるんですけど、オカルト好きとしては結構楽しんでます。

 

死霊館の1作目が結構上手く作られている作品で、私のフェバリット作品の「エクソシスト」の系譜として、きちんとあれを研究して、今風にアップデートする感じで作られてます。「エクソシスト」の何が素晴らしいかと言うと(あくまで1作目の話。エクソシストは3も面白い出来なんだけどあれはまた別路線の面白さなので)いきなり悪魔払いのオカルトとかじゃあない所から話が始まる。これは死霊館1作目にも共通していて、悪魔憑きとかそういうの迷信だから、科学的には、或いは医学的には現実としてこういうものですよっていう、一度きちんと否定する所から入る。しかもドキュメンタリータッチのリアルな路線で。しかもそこもまた違う意味で頭がおかしくなりそうな感じで怖い。

 

そういうのを踏まえた上で後半はそういう神と悪魔の戦いみたいな所に踏み込むんですよね。だから面白いの。死霊館1作目も、そのままとは言わないまでも、近い作り方をしていて、おお~考えて作ってあんなこの作品はって感心しました。

 

私もホラー全般に詳しいわけではありませんが、割と好きで結構見てる方でしたが、しばらくこういう作り方は途絶えていて、今だとリアリティラインの揺さぶり方とか越え方っていう言い方になるのかもしれないけど、その辺りの作り方が面白かった作品。2とかアナベルシリーズとか、以降はまあいかにもシリーズっぽい作り方にはなっちゃうけど、ホラーの割に割と尺は長めにドラマを作っていて、その辺りはまだ他の作品には無い部分と言える気がします。

 

で、そこから更に「死霊館のシスター」とかこれとかになっちゃうと90分物のいかにもなホラーで、まさしくスピンオフくさく遠い所に来ちゃったなという感じの作りにはなってるのですが、「死霊館のシスター」は世界観の掘り下げみたいな所に行って、今回はいかにもなホラーエンタメみたいな感じになってる。

 

前半は割と普通のホラーなのですが、後半は前述のラファエルの登場からちょっとバトル物っぽくなってるのがちょっとした面白味でした。前半と後半の転調をこういう形でやるのね、っていう。

 

ただそこもね、バトル要素とまでは言わないまでも、それこそエクソシストの時からヒーロー物っぽい部分はきちんとあって、私はそういうとこも含めて好きですし、今回そこが何だかんだ言っても楽しかった。

 

なるほどなぁ、もしかしたら「貞子VS伽椰子」とかもこんな感じの事をやりたかったのかも?なんてちょっと思ってみたりも。


映画『ラ・ヨローナ ~泣く女~』本予告【HD】2019年5月10日(金)公開

 

調べてみたら「ラ・ヨローナ 彷徨う女」なんて同じ元ネタの別な映画もあるんですね。そっちは結構色々な賞とってるみたいだし、それはそれで見ておきたいかも。