原題:ORPHAN
監督:ジャウム・コレット=セラ
原作:アレックス・メイス
アメリカ映画 2009年
☆☆☆☆
<ストーリー>
赤ん坊を死産で失い、悲しみに暮れていた夫婦ケイトとジョンは、養子を迎えようとある孤児院を訪れる。そこで出会った少女エスターに強く惹きつけられた2人は、彼女を引き取ることに。しかし、日に日にエスカレートするエスターの不気味な言動に、ケイトは不安を覚え始める
今週末に11年も経ってからの続編「エスター:ファースト・キル」が公開されます。この時に子役だったイザベラ・ファーマンも今は流石に良い歳です。でも、当人が映画より更に前の時代のエスターを再度演じているという、なかなか無茶な事をやってます。今はCGで何でも出来ちゃうからなぁ、とか思うけど、何とCGに頼らずメイクとか遠近法とかとにかく工夫で子供に見えるように作ったとかいう話で、いやいや流石にそれでも厳しいでしょうとか思いつつ、そういう「工夫で何とかする」っていうのも面白いなと思い、実は結構楽しみにしてます。
1作目、確か普通に劇場公開時に見てたはず。
ホラー・サスペンス映画好きなのと、子供が主役の単館系の奴とか凄く好みでしたし、確か近い時期に「永遠のこどもたち」っていうギレルモ・デル・トロプロデュース、JAバヨナ監督のスペインホラーがあって、それがすっごく面白い作品でね、そっちも原題が確かオーファンだったかと。関連性は無く、単純に「孤児」っていう意味のタイトルですが、確か似てるタイトルの作品だなと思った記憶があります。(そっちは2007年でした)
で、エスターも予想以上に面白かったんですけど、結構後になってからレンタルとかも出て1~2年後くらいかなぁ?「シックス・センス」の次くらいに、『どんでん返しが面白い映画』みたいなのとか、『映画ファンがお勧めする』みたいなランキングによくエスターが入るようになって、時間をかけて徐々に有名になって行った作品という印象。
主演のヴェラ・ファーミガとかピーター・サースガードとかそこまでのスター俳優でもないですしね。ヴェラ・ファーミガは「死霊館」シリーズとか人気作はもってはいますが、多分あれは別に女優さんの人気で成り立ってるわけでもないでしょうし。
ただ本国でもメジャーとは言わないまでも根強い人気があったからこそ今になっての続編とか作った感じなのかなと思われます。
2に備えてせっかくだから復習しておこうかな?と思いつつ、エスターの正体に衝撃を受けるのが全ての作品であって、そこを知った上で見返しても面白いのかな?というか2も観客はエスターが何者か知った上で見て、それって面白いの?前作のようなどんでん返しがなくて残念だったとか言われない?なんて心配もしてしまいますが、少なくとも今回に関しては、正体を知った上で見返しても正直凄く面白かった。
内容的には90分映画のジャンルかとは思うけど、普通に2時間あるんですよね。でもサスペンス描写とか、ネタの出し方、疑心暗鬼になっていがみ合うとか何気に普通に上手く作ってあって、知った上で見ても面白い。
夫婦の間にエスター一人だけでも成立しそうな所を、もう二人本物の娘息子が居る辺りでドラマの展開が膨らんで非常に上手い作り方をしてるなぁと。
エスター本人もね、実は特殊な病気で可哀相な子なのかも?とちょとは思わせるんだけど、結局は頭のおかしなモンスターとして描いてある辺りのセンスが割と好き。ちゃんとB級ホラーしてくれてるというか。
私ね、ふりふりのお洋服とか子供っぽいビジュアルって好きなんです。でも、じゃあ本物の子供が好きかと言うと、実は結構苦手です。可愛い見た目は好きだけど、精神年齢子供はちょっと・・・という。
そんな風に考えるとさ、エスターちゃんもし本当に居たら、友達になってくれませんか?って私は言いたくなる。見た目幼くても、精神が大人なら普通に話も合いそうだしそれむしろ最高なんじゃないの?とか、ついつい思ってしまう。
うん、でも何気ない一言とかがエスターちゃんをブチギレさせて、結局殺されるのがオチ。
やっぱり可愛い見た目から、豹変して殺人鬼になる、というベタな所がむしろ面白味でした。2はこの辺が上手く生かせてればという感じかなぁ?観客は、もうエスターが普通の子供ではないというのを知った上で見るんだろうし、今更どんでん返しを求めたってやっぱり違う気がするし。
系譜としては、子供が信じられない事をするという意味で「オーメン」の面白さもあるし、突然キャラが豹変しておっそろしい感じなるとかは「ミザリー」の系譜も引き継いでる。今回、無理矢理続編を作ってしまうという実績も出来た事で、ようやく人気ホラー作品の一つとして殿堂入りしたとか考えるのも楽しいです。
「ファーストキル」早めに見てこようかと思います。
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