ガンダムエグザ ブイエス
漫画：ときた洸一
シナリオ：千葉智宏（スタジオオルフェ）
刊：角川書店 角川コミックス・エース 全７巻 2014-17年
★
「ガンダムエグザ」続編。
ゲーム「エクストリームバーサス」のコミカライズ。
過去のガンダム世界へダイブ、という設定は残ってるものの、こちらの方では重要度は激減、「ＵＣ」とか「ＡＧＥ」の世界とかにいくものの、ほぼ顔見世のみで話には絡まず。ゲームの方が何作か続いた（多分）のもあってか、ゲーム用のキャラとメカのみで話を進められるようになった感じ。
ナビゲートキャラのセシアのバリエーションもそれぞれ別キャラに、エクストリームガンダムのバリエーションをそれぞれのキャラが担当、みたいな感じになってるのは、まあゲームをやってる人にとっては馴染みがあって良いのでしょう。ゲーム知らない私にはもううんざりで読むのが苦痛なレベルでしたが。
ＭＳもエクストリームのライバルＭＳとしてスプレマシーギアとかジオン系が出てきたり、エクストリームＭｋ－２とか、このゲームのオリジナルＭＳで賄えるようになってる感じ。
元が対戦ゲームなので、やってる事はわからなくもないけど、そもそも「究極のガンダム」みたいなのってさ、馬鹿丸出し感が凄くないですか？私はガンダムで最強とかそういうの言うの大嫌いですし、案の定前作で究極とされたエクストリームのさらに先にとインフレしまくってますよね。こんな不毛な事をやっても永遠にインフレし続けるだけ。
いかにも記号的なさわやかイケメンでしかない気持ち悪い主人公にヒロイン、安っぽい悪役の動機、そして何より主人公レオスの決めゼリフが「学ばせてもらう」っていうのがさぁ、お前は過去のガンダムでこんな下らない事しか学んでないの？つーかそれ、典型的なガンダム見て無い人じゃん。
最強のＭＳガンダムで悪の野望を打ち砕くとか、ガンダムにそんなもの誰が求めるんだ？しかも前回も書いたけど、ニュータイプが人類の進化とか、何十年前の価値観だよ？
前回、唯一面白いなと思った部分のフォン・スパークの作品の枠を超えたキャラ設定も、結局はその後何も無しで終わってしまった。フォンならこれくらいの事はやってのけるよね、という安易な自己キャラ愛だけでやっただけだったっぽい。アストレイの時からやってる、本編キャラより外伝キャラの方が最強、という立場をわきまえないふざけた事を未だにやり続けているこの不快さ。
ただ、無印＋ＶＳの全１４冊という長い期間、千葉×ときたをこの下らない作品に留めておけたのはこの作品の最大の功績かも。たまにアストレイはやってましたけど、ＡＧＥとかオルフェンズに関わらせなくて本当に良かった。いやそっちの外伝も散々なレベルではありましたけども。
最初から求めて無いし、こんなレベルの話しか出来ない人がやらないで良かったとは思うものの、こういうゲームのコミカライズをやるんだとしたら、主人公も所詮ゲームキャラだった、の先にゲームプレイヤーをメタ的に配置したら今までにない作品にはなってた気がします。
まあ、最後にわざわざフルカラーで気持ち悪いハーレムエンドとか描いちゃう辺りが、お前らこんなクソみたいな展開で喜んじゃうんでしょ？という悪意ととれなくも無いんだけど、これ悪意じゃなく素でこれが楽しいと思ってそうな辺りが最強に恐ろしい。
関連記事
