僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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仮面ライダーセイバー

仮面ライダーセイバー Blu-ray COLLECTION 1

仮面ライダー聖刃
KAMEN RIDER SABER
監督: 柴﨑貴行 他 脚本:福田卓郎
特撮テレビドラマ 日 2020-21年 全49話(本編47章+特別章+増刊号)
☆★

 

令和ライダーという括りでは「ゼロワン」に続く2作目。
ゼロワンは新しい時代の区切り的な売り出し方をされていたので、少し新しい部分も見えてくるのかな?という勝手な期待をしていたものの、結局平成シリーズ後期から何も変わらない、毎週新しいおもちゃを出して、毎週そのプロモーションをするだけの番組というのは全く変わらず、ほとんど乗れませんでした。

 

あ、一応先にお断りしておきますが、そもそもが私は今の仮面ライダーに面白味を全く感じて無い、ファンでも何でも無い人ですので、その辺はあらかじめご了承下さい。仮面ライダーへの愛は無いです。ただ、楽しんでいる人に水を差すつもりはありませんのでご理解願えれば。単純にプリキュアと戦隊は好きなので、その間だから見ているというのが正直な所です。

 

ゼロワンの感想の時にも似たような事を書いてますが、そんな人から見た今の仮面ライダーって、毎週出る新しいおもちゃのプロモーションにどうしても尺を割かなければならないので、その分、きちんとした物語やドラマをやってる余裕がほとんどないというのが現状の構造として見えてしまうのが一番の難点。ただTV番組だけを見てそれで楽しむというのはもはや難しいんじゃないかと。もう10年以上はまともなドラマは作れて無い。

 

逆に言えば一緒におもちゃを買って楽しんでる人には、今週出てた奴がすぐ手に入って、なりきり遊びとか出来るのが面白味なわけで、そういう所が楽しいコンテンツとして作ってるんでしょうし、それで受けてるのなら何も問題は無いわけで、そもそもがドラマでは無くおもちゃを売る為の番組である事を否定するのは違うかなと。

 

初代仮面ライダーで、変身ベルトがバカ売れして、変身ブームが巻きおこるくらいだったわけですよ。雑な言い方をすれば、昔はそれ一つで当時の子供達は1年間遊んでたんだと思います。それが平成になったらパワーアップさせて、前期と後期で別のものを売ったりして商品を増やし、やがては1クールになって(今は主人公はだいたい年間に3段階くらいパワーアップするので)、そのうちサブライダーとか含めて隔週になり(隔週の理由はライダーは2話ごとのまとめ撮りなので)、それに飽き足らず、今は毎週になっちゃったと。

そうやって売り上げをどんどん伸ばしてきたのが仮面ライダーという作品。来る所まで来たので、この先どうするんでしょうね?その辺りが個人的には注目しているポイントで、令和として仕切りがあった「ゼロワン」でどうなるかと思ったら、変わらなかったというのが先に私が挙げたガッカリポイントでした。

 

で、今回の「セイバー」、2号ライダー3号ライダーに留まらず、多人数性で初期だけで6人という、まるでライダー戦隊みたいな形でした。ストーリーは序盤からわかりにくい感じではありましたが、私は戦隊好きなのもあって、初期は結構ワクワクして見てたんですよ。

逆に今は現行戦隊の「ゼンカイジャー」がライダーみたいにセンターポジが人間一人でやってますし、ライダーと戦隊が逆になったみたいで面白いなと。

 

チーム物にして、毎週毎週それぞれのキャラのお当番回みたいな感じでやってくれれば、戦隊好きとしては、そうそうこういうのが面白いんだよね~ってなるかと思った。

 

が!残念ながらそうはならない。上記の現行ライダーの作り方の構造みたいなのが邪魔して、パワーアップして新しいおもちゃが出ないと活躍させようがないんですね。2号ライダーでパワーアップのあったブレイズはともかく、他のライダーは初登場の時だけクローズアップされて、あとは最終回まで何の活躍もドラマも無いただのモブという酷い扱い。

 

あえて言えば主人公の飛羽真らと一度道を違えて、戻ってくる回のみはお当番回みたいな感じではありましたが、50話近くあってお当番回が2話しか無いってあまりにも・・・。要するに、このキャラは最初に出た時におもちゃ売って、あとはもう売るものないから価値無し出番無しっていう事ですよね。なんか可哀相に思えてくる。


敵側も正直最初から何をやりたいのか、何が目的なのかもよくわかりませんでしたし、イケメン3人怪人も誰が誰やらの内に退場。そこから中盤のノーザンベースとサウザンベースにライダーが分裂するとこも、どうせ戻ってくるんでしょっていう茶番感が半端なければ、その後に賢人がカリバー化する流れでも、え?また同じ展開やるの?ってガッカリしたし、割と後半まで引っ張る蓮の離脱も、もういいよってなってしまった。

 

「まあいいでしょう」
なマスターロゴスは演じてる人がシンケンゴールドの人でそこはちょっと面白かったけです。キュアパッション大好きな寿司屋はついついちょっとひいき目で見てしまいますので。あとマジーヌたん大好きなサーベラ玲花さんもな。

 

個々のキャラクターは悪くないと思うんです。バスター尾上さんも子持ちのおじさんライダーとして面白い存在だと思うし、スラッシュも変なキャラで良かった。好きではないけど、剣斬蓮もこういうキャラって居るよなとは思ったし、スパーダ賢人もブレイズ倫太郎も決して嫌いでは無い。

 

でも、積み重ねのドラマが無い中で、最終決戦時に「ここは俺に任せてお前は行け」というベタな展開をされても茶番感が半端無くて、もう無理矢理お約束展開をやってるだけで、完全にもう脚本捨ててないか?と思っちゃったし、ここまでの50話分の流れの中で何やってるのかちゃんと理解せずに私は見てたのもあってか、芽依ちゃんの体を張ったギャグぐらいしか憶えてねーよ!と思ってしまいました。あとタッセルくらいしか印象に残って無い。

 

だからこそ、物語の結末がうんぬん、一人一人の物語があるんだどうこうが1ミリも説得力を持たない。そこに至るまでのね、物語をきちんとやっていたなら、ああこいつは以前あんな事を乗り越えてきたよな、とか感情移入出来るはずなのに、それが無いのがとても残念でした。

 

ラスボスのストリウスもね、元は詩人で全知全能の書に全てが記されている事を知った時、自由意思はどこにあるのか?っていうのは要素としては面白い部分だと思うんです。ドラマの「ロキ」でもそんなのやってたし。「スーパーヒーロー戦記」でもそうでしたが、自分達が物語の登場人物でしか無かったみたいな部分は枠組みとしてはとても面白いと思う。

 

でもそこに対して、今まで見てきた「仮面ライダーセイバー」ではこうだったよね、だから例え作り物でも価値はあるんだっていう説得力がさぁ・・・全く無いのが本当に残念です。

 

面白くなりそうな部分や要素はいっぱいあるのに、実際はそうはならないもどかしさ。なんか凄く勿体無い作品だなぁと思う。単純に全員が横並びしてる姿とかはカッコ良いなとは思うんですけど、それ以上がね。


商業要素を無くして語る事に意味は無いのかもしれないとは思うけれども、その商業要素をとっぱらってしまえば、これベースでももっと面白い作品が作れたはずだろうな、と思えてしまうのが何とももどかしいです。

 

さて次は「仮面ライダーバイス
映画を見た感じではちょっと好きになれそうに無い感じでしたが、第一印象なんていくらでも覆せるのがドラマですし、プリキュアと戦隊の間に挟まれてるなら結局は見ると思うので、1ミリも期待せずに見ようかと思います。

 

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