監督：渡辺勝也
脚本：井上敏樹・香村純子
日本映画（Ｖシネクスト） 2023年
☆☆
待望のドンブラゼンカイ。２作共にコメディー部分の魅力が大きく、頭のおかしい戦隊と揶揄され、それが故に人気を博した２つの作品がついに融合、いや激突！？どうなる事やら・・・と楽しみにしてました。
が！
けど！
いや何で！？
う～ん、何でしょう今回。これまでのＶＳシリーズと違って、前半と後半でそれぞれの戦隊の独立した話をやって最後のラストバトルだけ合流、という残念な作り。仮面ライダーの方の「ムービー大戦」とかに近い作りなのかな？
どちらの戦隊も最終回後の＋α的な話として、ゼンカイは香村さん、ドンブラは敏樹とお互い本編全話脚本だったので、そこは外さず公式的な話として見れる。
ごめん、正直に言うけど、ちょっと残念レベルじゃ無く、めちゃめちゃ残念でした。それぞれの話が悪いわけじゃないのよ。でもＶＳでわざわざそれをやる意味や意図が私にはさっぱりわからんかった。それぞれどっちもアクの強い作品で、脚本家のカラーが出てる作品なので、お互いに譲る気も無かったんでしょう。監督としても、変に食いつぶしちゃうより別々の２本の魅力を出した方が面白いだろうと言う判断だったんだとは思います。
わからんでも無い・・・けど、メチャメチャでも良いから、無理矢理でも良いからミックスされるのがＶＳシリーズの面白味じゃないのかなぁ？一つ前の「ゼンカイＶＳキラメイ」もゼンカイのカラーにはなっちゃってたけど、素直に面白かったですよ。
世界観の合わない事が予想された「リュウソウジャー」だって前のＶＳルパパトも後のＶＳキラメイもどっちも面白かったです。それぞれの作品のごちゃまぜ感、アンサンブル感が面白い枠なのに、それを放棄しちゃったのは正直残念でした。
オールスターズ系のプリキュア映画と同じでさぁ、お話の面白さとかよりも、顔合わせの面白さだけで十分な魅力のある枠だと思うんだけど、う～ん、どちらかというとお互いに最終回後の「帰ってきた」枠を別々にやった感が強い。
好きな人には大変に申し訳ないですけど、これは企画としての方向性、舵とりの時点でちょっと違う方向に進路をとっちゃった感じです。
今回も顔見せ出演とかはありませんでしたが、ドンブラの後で大変そうだなと思ってた「キングオージャー」が以外と面白くって毎週楽しみにしてます。話の展開とか、世界観はちょっとどうかなと思う所もあるんですけど、キャラの濃さで一気に引っ張ってる感じ。（私はリタが一気に好きになりました）ドンブラもそうだったんですけど、今はドラマとかよりまずキャラクター性で売りを作る時代です。そこはキングオージャーも上手くやってる印象。
来年のＶＳもね、キングオージャーは世界観的に絡めにくいから前例もあるしと今回みたいに別々にやろうかとか言わないでほしい。無理矢理で良いからミックスさせようよ。整合性なんてそもそも東映の作風じゃ無いんですから。
って、今回の内容に全然触れて無いな。
ゼンカイの方は最後のチャンスだったので、フリントに変身させてあげたかったなとか、ＶＳパートでドンブラとチーム組む中、ステイシーとハカイザーのタッグはちょっとスペシャル感が無いのが残念なものの、ゼンカイのドラマ的にはちょっとグッと来る組み合わせでもあったので（サトシ君の素が出始めて最初ちょっとシンパシーとか仲間意識を感じたものの、すぐに再改造されという本編の展開があったので）これはこれで悪くないなと思った半面、ハカイザーを出すなら再生怪人で良いのでハカイザーと同じくソノシ以降の、東映旧ヒーローのリメイクデザインキャラの集合とかが見たかったぞ。
ドンブラに関しては、意外と重苦しい展開が続くのと、ジロウ君にはやっぱり厳しくないか？という感じでした。サプライズ的な救いがあったとは言え。本編の謎が明かされる！？とかあおっておいて、何一つ明かされないのは想定内とはいえ、ムラサメとステイシーザーの並びもないし、ちょっと肩すかし気味。今作の世間的な評価はどうなるかはわかりませんが、反省して来年のＶＳでそれなりに頑張ってくれればありがたいかもです。
とりあえずキングオージャーに気持ちを切り替える。
あと何気に「仮面ライダーギーツ」が珍しくまだ面白かったりするので、映画公開までモチベーションが保てるのなら夏映画も初めて見に行っちゃう可能性もアリ。
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