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仮面ライダーガッチャード

 

仮面ライダーガッチャード Blu-ray COLLECTION 3 <完> [Blu-ray]

KAMEN RIDER GOTCHARD
監督:田﨑竜太 他
脚本:長谷川圭一、内田裕基、井上亜樹子
TVドラマ 2023-24年 全50話


令和ライダー5作目。
仮面ライダーの記事で必ず書きますが、プリキュアと戦隊が好きなので、その間の時間でやってるからかろうじて見てるだけで、基本的には今のライダーは好きじゃないです。
日曜朝から不在の場合は、ライダーに関してはわざわざ後から見返したりはしないので、今回も全体の7割か8割程度の視聴で全話は見て無いです。

 

何故ライダーが好きじゃ無いかの明確な理由はきちんと書きますが、好きな人にとっては不快に思われる方も多いかと思いますので、ライダーファンはブラウザバック推奨。

 

まず個々の作品うんぬんは関係無しに、仮面ライダーで一番嫌いな、毎回共通する部分として、毎週奇跡が起こって、毎週新しいアイテムとフォームが出て、1ヶ月後にはそんなもん何の役にもたたなくなるのに物語の中では、新しい力だ!とか劇中のキャラの感情と見てる方のどうせただの捨てアイテムや2週しか持たないパワーアップなのに、バカバカしくないかこんなの?という感情のずれがあまりにも酷くて、まともに見てられないというのがここ10年以上続いてるのが、私が仮面ライダーに乗れない最大の理由です。

 

なので去年の「ギーツ」は作中で、どうせ人が死んで感動したとかその場では言ってるけど、来週サラッと忘れて新しいアイテムとかに喜んでるのがライダーファンでしょ?くだらないよね、ってちゃんと作品でメタ的に言ってくれたのは大変に留飲が下がって面白かったです。ちゃんと自覚あるんだ、っていう。

 


商業主義については否定しません。それが昔からの東映のカラー。円谷や東邦が作品性やメッセージとか上等な所を目指したのに対して、たかがジャリ番、高尚なふりなんかせずに子供騙しで利益を上げるのがウチの社風と割り切って作っているのが基本的な東映の立ち位置。そこで昔は下に見られていた会社が今や他に圧倒的な差をつけて一人勝ち状態。きちんと結果を出せたんだから、それは立派な事だと思います。

 

で、そういう視点から見た時の今回の「仮面ライダーガッチャード」


どんな作品だろうと、例えファンからの不評の声が多かろうと、それでも売り上げは全然下がりません。ネット民の一部の不満なんて何のその。ライダーは相変わらず売り上げ好調を維持してます。
商業作品は結果だけが全て。何をやってもバブルがはじけないというのが今の仮面ライダーの強みです。
例えゴミクズだったとしても、これが仮面ライダーの変身アイテムなんだと言い張ればそれは飛ぶように売れます。それがブランド力を築き上げてきた結果です。

 

かと言って、現実的に少子化は続いていますし、おもちゃに限らず子供向けなものは必ず先細りしていくのは目に見えています。そんな中で売り上げを維持して行くにはどうするのか?というのは、例えライバルの居ない天下を獲った仮面ライダーでも一般的な今後の課題として同じ問題は抱えています。

プリキュアだって今年は変身アイテムの一つをこれまでよりターゲットの年齢層を上げて売り上げの増強を図ったりと工夫してますからね。

 

じゃあ今年のライダーのガッチャードはどんな仕掛けをしてきたのか。ポケカとか売れまくってるようだな。世の中もスマホゲーのガチャに何万円もつぎ込むのが当たり前の世の中だし、じゃあ今回のライダーもガチャでいこう。

 

これまでのライダーの変身アイテムも、ガチャ売りの奴は多少のブラインド性があったけど、おもちゃ屋で買う物はちゃんと選んで買えた。今度は全部ブラインドにして、ポケカと同じように同じパックを一人に何十も買わせよう。これなら欲しい物を一つ買って終わりにならない。欲しい物が出るまで何度でも集金で居るじゃないか。しかも紙物なんてプラスチックの玩具とは利益率が全然違う。

 

と、まさしく今回は紙屑がお金になるという錬金術の話だったわけです。
こういうセンスは素直に上手いなと感じます。

 

しかもカードは100種類。ライダーって1年間ですよ。全50話。でもアイテムは100個。1話ごとにそのカードの話をやったって半分。その倍ですよ。そんな一つ一つのカードに価値なんかあると思えます?でもちゃんと売れるんですよ。まさしく錬金術を生みだした仮面ライダーは凄いと思います。ブラインドパックで目当てが出るまで何回も同じ商品を買い続ける。


そしてもう一つの工夫。こちらは錬金術って程ではありませんが、主人公の宝太郎君は久々の高校生主人公ですが、凄く子供っぽい天真爛漫な性格。
極初期のインタビューで誰か言ってた気がしますが、一応の便宜上はスーパー戦隊シリーズのメインターゲットが低年齢層で、そこより少し上が仮面ライダーシリーズという事になっているのですが、今回はそのスーパー戦隊のターゲットである低年齢層も狙っていく意図があるため、主人公の年齢感を下げたという話でした。特に1クール目は話もシリアスさよりは明るく楽しくな印象でした。

 

そして同じくキャラクターの話で今度は敵側の冥黒の三姉妹。ここは普段はプリキュアを見ている女児にも興味を持ってもらう為に配置したという話でした。3姉妹の内、一人は小学校低年齢くらいの見た目の子でしたしね。スーパー戦隊なんかは女性メンバーに思い入れを持って見てくれる女児層もそれなりに居て、昔からそういったエピソードは語られてきました。プリキュアユーザーの中にもライダーに興味持ってくれる子は居るだろうという計算。

 

ここに対して、悪意を持った視線で、仮面ライダーは自分のとこの客だけじゃ満足できなくて、他の店の客にまでちょっかい出そうとしてるのか!と思うか、いや商業的に他とは圧倒的な差をつけてるニチアサの中心、いや守護神ともいうべきライダーがニチアサっていう枠組み全体をフォローして押し上げてくれようとしてるんでしょ?と思うかどうかは個々の心の内しだいかも。

 

で、そんな視点で言えば、変身するまでに時間(話数)はかかったものの、公式の見解の上では2号ライダーがりんねちゃんが変身するマジェードという事になっている。

女性ライダー自体は今はそんなに珍しくはなくなっているものの、2号ライダーポジションは初めてのはず。ビジュアル的にも可愛いと思うし、いや何でこれを作品のセールスポイントにしなかったんだと正直残念で仕方ありません。

 

形式上は2号ライダーという初の肩書きを貰っていながら、実際に劇中の活躍は刺身のつまみたいな印象でした。勿体無い!ただのおまけポジションにしか思え無くて残念。

 

いや世界基準で考えたらさ、形式上は2号だけど、実質は1号のガッチャード以上にメインのドラマを展開して、事実上の主役、裏主人公みたいなものでしょ?ぐらいの感じにしても良いんじゃないかなと思う(キュアブロッサムキュアムーンライトぐらいの感じというか)一応仮面ライダーって番組だし、男児が引かない程度には主人公をきちんと置くけど、今女性主導の話をやらんでいつすんのよ?って感じでした。

 

まだ「ゼロワン」の時の刃さんの方が重要ポジションに居たような気が。まああれも前半良かった割に後半はちょっと残念でしたが。あとキャラとしての存在感はあった「ジオウ」の時のツクヨミさんとか。

 

りんねちゃん役の人、あまりスタッフに好かれなかったのか、それともそもそも今のご時世でセクハラを堂々と握りつぶすのが東映の社風なので、古い男性社会で未だに女を下に見てるような考えが残ってるのか、凄く残念。
スタッフは戦隊と共通してる人も多いので、割と先進的で柔軟な発想の戦隊と比べると、何でライダーってこうなっちゃうんだろうかと結構不思議。戦隊は凄く今風の女性像を作品の目立つポジションで近年はやる事が多いので。


じゃあもう一人。公式的には3号ライダーのヴァルバラド。いや~こっちはこっちでね、これどっかで前に見たぞと。これもう100人目なんじゃないかってくらいに、ベタベタでひねりのないライバルキャラ造形。新しい要素皆無。

 

そんな残念な2人より、まだ冥黒の三姉妹の方がドラマがあったんじゃないかって思えてしまうくらいの印象。

 

要所要所のパーツは良い所もあったのに、やっぱりもはやそれを生かせる土壌では無いのが仮面ライダーなんでしょうか?
かつての小林靖子が、ライダーは販促の縛りが強すぎてもうちょっと自分はこのフォーマットではドラマが作れない。ギブアップって言って離れてしまったように、今のライダーのフォーマットで面白い話を作るのは至難の業という感じは今回もやっぱりありました。

 

で、そんな中でですよ。次の「仮面ライダーガヴ」
メインライターが香村純子さんと来た。いや大丈夫かな?個人的には凄く期待してますし、アイテムなんか適当に消費させてドラマを上手くやってくれそうな気はするけど。逆にアイテムを生かす感じにはならない気がするのでそこを楽しみに見てる子供達の眼にはどう映るのか。

 

去年のギーツは期待して無かったけど、どんどん面白くなっていった感じだったので、最初から新しいライダー楽しみだなんて思うの何年ぶりだろうか?面白くなってほしいと思う反面、靖子にゃんみたいにライダーに潰されないでくれよと願う。
「ゼンカイ」みたいにほぼ一人とかじゃなく、もし大変そうだったら盟友の田中仁さんとかも引っ張ってきてくれて良いので、何とか頑張ってほしいところです。


という事で仮面ライダーガッチャードのまとめ。

 

仮面ライダーってのはな、ゴミクズみたいなものでも金に換える錬金術なんだよ!
と言うテーマをサラリとやってのけた所だけは素晴らしいと思います。

 

しかもね、劇中の最後の金は薄皮一枚だけの金メッキ仕様。
薄っぺらで中身に本物なんか入って無い子供騙しのインチキ商法ですよってのを作ってる方は自覚してるという意味ですよね。そういう部分は正直で面白いなと思います。

 

前年のギーツの感想の時に「仮面ライダーマネー」とかいつかやってほしいとか書いたら、何気に「ガッチャード」がある意味そういう作品だった上に、お前ら素人が思うような事はこっちも考えてやってるんだよと、見透かされた感じがちょっと悔しいです。

 

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