脚本:山下健人
販売レーベル:movic
2018年
☆☆☆☆
特撮テレビドラマ『宇宙戦隊キュウレンジャー』がドラマCD化!
スーパー戦隊シリーズ41作目「キュウレンジャー」のドラマCD。
スーパー戦隊でのドラマCD単体は珍しく、ソングアルバムの合間合間にミニドラマ的なのが挿入されるというのはあるのだけど、単体での長編ドラマはこれが初らしいです。
キュウレンは戦隊では普段やらないサブキャラ主役のスピンオフドラマで「エピソード・オブ・スティンガー」とかも放送中にやってましたし、作品としてもそうですが、色々と模索してみよう的な感じだったでしょうか。
個人的には「仮面ライダー」ではなく思いっきり戦隊派なので、スピンオフ作にしても、ドラマCDにしてもどんどんやってほしい所です。
ブログでは「リュウソウVSルパパト」くらいからなので、その前の「キュウレン」は語った事無いですが、割と好きな方だったリ。コンセプトとしては「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」みたいな事をやりたいっていう所からスタートしてたりしますが、ここ最近ブログには書いて無いけどMCU作品を何本も見返してたりして、ガーディアンズもやっぱり凄く面白い。「キュウレン」が和製「ガーディアンズ」になれたかというとね、う~ん流石に足元にも及ばないなぁとは思ってしまうのですが、それはそれこれはこれと割り切って見る分には、「キュウレンジャー」として結実したものは決して嫌いにはなれないし、キュウレンはキュウレンで好きだったりします。
今回のドラマには登場しませんが、付言はされるので、小太郎とか剣とか、メンバー的にはもう全員揃ってる時期。で、登場するのはラッキー、スパーダ、ナーガ、ショウ司令、ラプター283の5人。
予算とか都合とか色々厳しいのよ、とショウ・ロンポーの声が聞こえてきそうですが、ドラマCDと言っても、着ぐるみ声優キャラでまとめなかったのは流石。ラッキーはともかく、スパーダとナーガ枠をガルとチャンプにしておけば当然みんな声優なので、ドラマCDとしてのクオリティは上がったでしょう。でもそうじゃない混合具合こそがキュウレンっぽくて良い。
いや、俳優さんが決して演技が劣るっていうわけではないのですが、司令とかラプターと比べると、もう明らかに声の出し方やら音質から何から何まで明らかに本業声優と俳優ではもう別物です。
ラッキーは元々割と棒っぽい感じで、抑揚よりも勢いで押し切っちゃうタイプ。ナーガは感情が上手く出ないという設定のキャラなのでそこはそれ。このメンバーならスパーダが上手い方だとは思うんですけど、そんなスパーダでも声優さんとは明らかにレベルが違う。
ん?っていうかラプター役のM・A・Oさん、たった数年前はゴーカイイエローで同じ俳優側の立場でしたよね?それがこうやって完全に熟練の声優やれてるの凄い。ルカじゃなく完全に声優の声と演技だもの。
お話の方は、スパーダが妹に会いに行くものの、その星は既にジャアクマターの手に落ちていた。ダイカーン・チュウネンシャチューに近づく為、キュウレンジャーはタマキュウ一座を名乗り、芝居を打つ事になるのだが・・・。
確か、TVシリーズの方って、スパーダのお当番回が1回も無かったんじゃなかったっけ?いや野球回みたいなので活躍した事はあったっけか?ただ、凄く偏りがあって、順番にお当番回を回して行くという感じじゃなかったはず。生身ヒロインのハミィちゃんでさえ出番少なめという、大人数戦隊ならではの感じでした。
ただこのドラマCD、実質スパーダ回。笑いあり涙ありカッコいいシーンありきの非常に濃いドラマで、前半はこれギャグ回なのかなと思って聴いてましたが、盛り上がる所はきちんと盛り上がって非常に素晴らしい。それでいてギャグっぽいオチとかもついたりしますが。
カジキイエローは所謂戦闘員じゃなく、名乗りもフードマイスターだったりするし、本人がりベリオンに入った動機も、あくまで料理人としての参加だったが、彼がいかにしてキュウレンジャーの一員になったか的な所が語られて、結構グッと来てしまった。
欲を言えば最後の変身からの名乗りで、OPをかぶせて欲しかったかなという所。キュウレンジャー、OPがカッコいいし、ここぞという時のバックにOPが流れる戦闘シーンとか、やっぱりそうそうこれこれ!って感じで華ですので。
とはいえ、60分近くはあるのかな?戦隊は映画がライダーのオマケで30分の短尺で、あとはVSになってしまう。そこ考えるとこういうのはこういうので価値は見出せそうな気はするんですけどどうでしょう?どんどんやってほしい所ですが。
キュウレンジャー好きなら、あなどれない1枚でした。