YOUNG AVENGERS VOL.2: FAMILY MATTERS
著:アラン・ハインバーグ(作)
ジム・チャン他(画)
訳:吉川悠
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録:YOUNG AVENGERS v1#7-12(2005-6)
YOUNG AVENGERS SPECIAL #1(2005)
☆☆☆★
ヤング・アベンジャーズの
ファミリー・マター(家庭の事情)で
大戦争が勃発!?
問題だらけのティーンエイジャーたちが織りなす
スーパーヒーロー青春群像劇、待望の第2弾!
征服者カーンとの戦いで、リーダーだったアイアンラッドを失ったヤング・アベンジャーズ。埋められない喪失感を抱えながらも、ヒーロー活動を続けることを決意した彼らだったが……目の前に立ちはだかる最大の障壁は、ヒーロー活動を許さない大人たちだった!? さらにとあるメンバーの“家庭の事情”が、世界を揺るがすほどの大問題に発展。少年少女たちは仲間を守り、世界を救うことができるのか!?
ヤングアベンジャーズ1期の2巻目完結巻。
1巻は、アベンジャーズ解散後、アベンジャーズ風の若者が集結、彼らは何者なのか?みたいな所が話の軸でもあり、面白味でした。
今回の2巻目は、彼ら彼女らの正体が明らかになり、本物のアベンジャーズの面々、そしてヤングらの親、さらには本人たちはどんな選択をするのか、みたいな深堀が中心で、各々の葛藤やそれぞれの事情とか、予想以上に面白く読めました。
私は結構な良い歳ながら一人身で子供は居ませんので、親の気持ちがわかるとはなかなか言えませんが、今回はキャップとかジェシカ・ジョーンズとか、先輩として年長者として彼ら彼女らにどう向き合うかっていう部分もちゃんと描かれてて、そこが面白かった。
そして実際の親の視点。スタチュア(キャシー・ラング)とかこの時点でまだ14歳ですよ。18になったら本人の意思を尊重するけど、それまではちょっとっていうお母さんの気持ち流石にわかりますわ。しかもスコット・ラングはこの直前に死んだばっかですし、流石にまだ子供の身に危険な事なんかさせたくないって言うのはね、そりゃあそうでしょうと。
逆に血気盛んな若者の方の気持ちに感情移入とかはしにくい。逸る気持ちはわからんでもないけど、という所はあるけれど。
そんな中、パトリオットが暴走。というか君、そういう事だったのかと結構意外な展開に。アニメとかだとエリじゃなく、レイショーンがパトリオットのコードネーム使ってるけど、そういう事だったのか?とか思いながら読んでたら、最後に嘘が真になるみたいな展開。黒人のキャプテンアメリカの話は、近々邦訳版も出るので、そっちも楽しみ。
更には、ハルクリングの正体も明らかになり、その複雑な出生故に事態は大きく発展していくと。手ゴマが足りない中、新メンバー加入でスピードがここでヤングアベンジャーズ入り。
スピードとウィッカン、スカーレットウィッチの息子二人がようやく揃う。その複雑な経緯はやはり解説書が参考になるんですけど、白ビジョンの話とか、そこがドラマの「ワンダヴィジョン」の元ネタっぽいですねぇ。こっから更に過去の話になっちゃいますけど、そこもちょっと読んでみたい。
そんな感じで、アベンジャーズのコピーから始まった話が、今度はヤングアベンジャーズとしての個性を確立していくまでの流れになってて、素直に面白かった。ケイトだけこの話だと弱いかなと思いますけど、ケイトはこの後「ウエストコーストアベンジャズ」に「ホークアイ」とこのメンバーの中では頭一つ抜けた存在になりますし、現時点では仕方ない。というかさらっとオリジン部分が語られたりするんですけど、ケイトの過去が何気にキツイぞこれ。
シリーズとしてはここで一期は打ち止めになっちゃったようですが、この後はヤングアベンジャーズの面子が活躍する「チルドレンズクルセイド」があって、そこも邦訳決まってますので、そっちもまた楽しみです。
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