僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

機動戦士ガンダム第08MS小隊 REPORT.2「ひとつひとつの歯車」

MOBILE SUIT GUNDAM / THE 08th MS TEAM
音楽:田中公平
脚本:桶谷顕
サウンドトラック+ドラマCD 1996年
☆☆☆

完全新作オリジナルストーリーとBGM、挿入歌も収録した
待望のサントラ第2弾!!

 

サントラ+ドラマCDの2枚目。
本編4話と5話の間に入る話で、ドラマ用の新キャラのネスカ・コールマンには何と林原めぐみを起用している。

 

本編も5話までしか出て無かった時期なので、ドラマも基本的にはそっち路線。
ジャーナリストのネスカは戦争を批判し、兵士であるシローらをも攻め立てるが・・・、という戦争批判の批判みたいな、ある意味では面白い話。

 

そもそも「08小隊」という作品の序盤が戦場エンタテイメントみたいな路線でしたし、その中で生を実感するんだ的な言い分は、それはそれで仕方の無い半面、私もどっちかというとミリタリーに抵抗ある方ですので、ついそういうものを批判しがちではあるのですが、戦場の兵士に戦争の賛否をぶつけたってねぇ、それはお門違いというものでは?感はやっぱりありますよね。

 

ついで言えば、ガンダムってこれだけあるシリーズの中で、戦場で人を殺す事に対しての踏み込み方で「不殺」うんぬんって結構何度もやってたりするのですが、ぶっちゃけあんまり上手く話が運んだためしが無い。
ガンダム戦記」しかり「SEED」しかり、「AGE」しかり「ユニコーン」しかり。いやそこに踏み込むのは面白い部分だとは思うし、逃げないのは立派だと思うんだけど、結局は不毛というか、富野監督はそこを触れつつも上手く流してきたのは、結果どうなるか知ってるからあえてぼかしてるんだろうなと思ったりも。


じゃあ今回の作品みたいに、戦争を扱ってる作品でも、エンタメはエンタメと割り切れよ、というのが正しい答えなのかと言えば、私的にはそうじゃない。

人間は白か黒か的な問いと同じく、戦争エンタメも同じです。果たしてこれを楽しんで良いんだろうか?と煩悶し続ける事。どちらかに割切ったりしない事。人は白でも黒でも無い、グレーな所もあると悩ましくモヤモヤした気持ちを持ち続ける事こそが本当に大事な事、と私は思う。右や左どちらか片方に寄る事でも無いし、かといって中道が正しいみたいにも思わない事。そういうのが大切なんですよ。

 

コミックの「0083リベリオン」で「08劇場版」のアリス・ミラーを拾ってたりしましたが、確か前回のジョニー・ナカミゾと違ってコミック版08でもネスカに関しては拾って無かった気がしますし、カイ・シデンがジャーナリストとして他の作品でも上手く使われてますので、いつかネスカさんも拾ってあげては?と思わなくもないです。

 

アメコミで、マーベルユニバースの歴史を一人のジャーナリストの視点で追った「マーベルズ」という超名作があるんですけど、あれの宇宙世紀版とか誰かやんないだろうかと昔からすっと私は考えてたりします。世の中には視点なんていくらでもあるのに、ガンダムはこんなに作品数も多種多様あるのに、似たりよったりと言うか、狭いのが気になって仕方ない。せっかく「UC」でサイド共栄圏とか現実の時代性ともリンクさせられるもの出してきたのに、あれを掘り下げないって勿体無く無いですか?せっかく今でも専門誌とか残ってるんだし、一つくらい変わり種あっても良いのになぁといつも思ってます。

 

関連記事

curez.hatenablog.com