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機動戦士ガンダム サンダーボルト TVエディション

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY [4K ULTRA HD] [Blu-ray]

MOBILE SUIT GUNDAM THUNDERBOLT
監督:松尾衡
原作:太田垣康男
2023年 TVアニメ 全3話
☆☆☆★


「水星の魔女」TV放送1期と2期の間の穴埋め企画・第2弾。
閃光のハサウェイ」に続いて今度は「サンダーボルト」TVエディション全3話です。

 

大元の「機動戦士ガンダム サンダーボルト」は現在も連載中の太田垣康男の手によるコミック作品。それをアニメ化したものですが、そもそもガンダムで漫画作品として先にあったものがアニメ化されたのは初めてのケース。

原作ありという意味ではユニコーンがありましたけど、あれは確定では無いにせよアニメ化を見据えたオリジナル企画でしたしね。そういう意味では「サンダーボルト」は前例を作った事で、漫画作品のあれをアニメ化してほしい!みたいな夢を見させてくれたとも言える。まあクロスボーンをアニメ化してよって話です。

 

でもってアニメ化されたサンダーボルトですが、最初はウェブ配信とかだった気が?(調べたらOVA全4話ってなってますね)それをまとめて映画版として公開されたのが「機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKY 」で、1年戦争後の続きを描いた第2部「機動戦士ガンダム サンダーボルト BANDIT FLOWER」が2作目として作られた。TV放送は1作目だけかなと思ってましたが、3話の予告で2作目のカットも使われてて、何それ?と驚きました。実際の所、2作目はさわりの部分だけ。というか要は販売促進としてアトラスガンダムを出したかったのでしょう。


最初に原作漫画があって、それを全4話のOVA化して、それをまとめて劇場版にしたのを今度は3分割して全3話のTV放送。おまけでパート2も少し見れちゃうよ!ってこれもうわけわかんねぇな。

 

ただ基本、ほぼMSの戦闘シーンで構成されてた印象なので、そこは単純に楽しい。「ガンダムUC」で言えば、超絶クオリティの戦闘シーンの玄馬パートだけを凝縮して繋げたっぽい印象で、それは例えあのCUでも戦闘シーンの面白さだけはガチ、みたいなもんです。

 

「サンダーボルト」だけでなく、同じく小学館系で長期連載になってる「機動戦士ガンダム アグレッサー」なんかもそうですし、以前感想書いた「バンディエラ」他もそうう。何と無くですが小学館系は残酷描写多めのハードな戦争描写こそが「ガンダムらしさ」と捉えていそうな作品が多い気がする。

 

個人的にもね、私がSDから入りつつ、リアルガンダムガンダムにハマるきっかけにもなった「Vガン」も、見てた当時は、「人が敵味方関係無く沢山死ぬ=これがリアルな戦場」みたいな印象を持ってた時期もありました。最初の頃の話です。今なんかだと、確かにそういう部分はガンダムっぽい部分ではありつつ。そこがガンダムの本質的に考えるのはちょっと違うかなと思ってます。「水星の魔女」の感想にもそこは書きました。残酷描写=ガンダムらしさだっけ?みたいな事を。

 

ガンダム関係の出版社との繋がりは、基本的には講談社と角川がずっとやってきて、小学館ガンダム扱えて無かったのですが、「ガンダムAGE」の時にそこが解禁になり、そこから小学館系列でもガンダムコミックとかがちょこちょこ出始めた。
「AGE」は基本、子供向け路線でしたので、じゃあ宇宙世紀はそれとは違うものを。自分が描きたかった、見たかった、見てきたガンダムはこういうのだぜ的に一気に始めたのが小学館系列のガンダム漫画という印象。

 

そこはどうかなとは思いつつ、やっぱり原作の方のサンダーボルトもクオリティの高さは過去のガンダム漫画と比べても群を抜いてましたし、今回のアニメでもちゃんとセリフ残ってましたが、イオが「俺はMSが好きだ!」っていう辺りは面白いセリフで、ある意味ファン心理の体現でもある。

 

戦争・ミリタリズムをエンターテイメントとして楽しむ罪悪感っていうのは昔からあって、昔の戦争映画なんかは、とってつけたように最後に「このような悲惨な戦争は二度と繰り返してはならないのだ」と最後につける事で、表向きは反戦を謳った作品なんですよというポーズをしてきた。
ガールズ&パンツァー」は、そのミリタリー趣味を「女子高生がコンビニにぷらっと戦車で買い物に行く世界観なんですよ。ギャグなんだから許して」という体をとって言い訳してるわけです。

 

そこを考えると「サンダーボルト」という作品は、連邦もジオンもどっちもあえてクズとして描いてるわけです。戦争してる人達なんてしょせんこんなもんなんですよ、という体をとりつつ、でもこれくらいの人間の方がヒーローとして描くよりずっとリアルでしょ?という主張をしているし、その中であえてガンダムパイロットに「俺はMSが好きだ」とか堂々と言わせてしまうと言う面白さ。

 

戦争が良くない事なんて知ってるけど、それでも戦争や兵器に俺らは興奮するし、そこに酔いしれてるんだよ!綺麗事なんて沢山だ!という主張。

 

お前らも結局偉そうな御託並べて、自分は戦争反対ですよ!とか表向き言ってるけど、人殺しの兵器とか見てカッコいいとか言ってるんだから結局は同じ穴の狢じゃん!と言われてるようで、ぐうの音も出ない。

 

そういう意味ではやっぱり「サンダーボルト」面白いです。
第2部の方もねぇ、面白い戦闘シーンがいっぱい見れて凄く面白いんですよね。アトラスガンダムアッガイ部隊、まさかのライトライナーとか見所が多い。

 

TVでガンダムを見る人なんて、そもそも話なんか理解してないだろうし、モビルスール戦があって、それ見てカッコいい!以上の価値なんかガンダムに見出さないはずなので、思い切ったTVエディションでこれはこれでアリだなと思わせる面白い作りでした。

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