原題:JOHN WICK: Chapter 2
監督:チャド・スタエルスキ
アメリカ映画 2017年
☆☆☆☆
<ストーリー>
壮絶な復讐劇から5日後。伝説の殺し屋ジョン・ウィックは、イタリアンマフィアのサンティーノから姉殺しを依頼される。平穏な生活を望むジョンは依頼を一蹴するが、怒ったサンティーノはジョンの想い出の詰まった家を破壊してしまう。愛犬と共に一命をとりとめたジョンはサンティーノへの復讐を開始。だが、命の危険を感じたサンティーノがジョンの命に7億円の懸賞金を懸けたことから、全世界の殺し屋がジョンを狙い始める…。
シリーズ第2弾。当然、前作から5日後という短い時間経過での直後のストーリー展開。まさにチャプター2って感じですが、当然まとめ撮りとかではなく、撮影的には2年か3年くらい経ってる。
この辺りは3も同じ感じですが、前作の事件から少し時間を置いて、また別の事件に巻き込まれるとかじゃない、フラットに続く話はこの手の奴では珍しい部類の気がします。
1作目がヒットしたから、そこから3部作・4部作にしようか、みたいな企画だったのかなぁ?続編を匂わせておいて結局出なかった作品も山のようにありますから、そこはヒットして良かったねと言う所。
ただ、作り的には直の続きっぽい所から、新しい設定の深堀りみたいな感じで、意外とパート2あるあるな作りでもある。
前作のマフィアへの復讐の後、今度は再度マフィアの関連組織からジョンが狙われる、という所から話はスタートして、「復讐の連鎖」みたいなテーマを描くのかなと思わせておいて、そこが前半で区切りがつくとまた別展開になる。
前作でも面白い設定だった、殺し屋世界では特別な意味を持つコンチネンタル・ホテルの設定や、血の誓印なる特殊なルールが再びジョンを裏社会へと引きずり戻す。
前回もね、ジョンの知り合いとか殺し屋が何人かは出てきてましたが(デフォーさん1作のみの退場で残念)今度は顔も知らない山ほどの殺し屋がジョンを狙ってくるというのが個人的には一番面白いポイントでした。
前作はリアル路線っちゃあリアル路線かなと思いますが(あれをリアルと言うのは厳しいか?)数人の刺客レベルじゃあなく、街中に何でこんなに殺し屋が山ほど居るんだよ!という、ツッコミ所満載のトンデモ路線がやっぱり楽しい。上の通路と下の通路で、一般人が大量に歩いてる中でポスポス撃ちあってるシーンが私はメチャメチャ好きです。
お話的にはね、普通のマフィアでは相手にならないレベルですから、コンチネンタル12人の主席連合でしたっけ?幹部争いをしてる姉弟の家族の確執に巻き込まれ、みたいな展開が一捻りあって面白い部分。今回も無双シーンはあるけれど、ジョンがどんどん追い込まれて行く展開がいかにも新章っぽい。
しかもねぇ、次回作の為の布石とかの都合もありきかなとは思うけど、コンチネンタルホテル内で・・・というルール破りをあっさりしてしまうジョン。決して冷静沈着で無敵のヒーローとかではないんだなという、1作目からの変化と言うか、シリーズ化・フランチャイズ化を目指しての、ただの焼き直しにせずに世界観の拡張と主人公の立ち位置の変化を描くと言う意欲作。
ちょっとオタクの戯言の部類だけど、吹き替えのサンティーノ役が櫻井孝宏っていうのが今見るとね、こうなったらヘイト集める役をどんどんやるのも手かなと思ったり。
あと「マトリックス:レザレクション」で何故か声掛けられなかったというローレンス・フィッシュバーンがキアヌと再会してるのが何気に良いですねぇ。
という所でパート3「パラベラム」へ続く。
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