僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

X-MEN:ダーク・フェニックス

X-MEN:ダーク・フェニックス [AmazonDVDコレクション]

原題:DARK PHOENIX
監督・脚本・制作:サイモン・キンバーグ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2019年
☆☆

 

X-MENシリーズ12作目。スピンオフ系を除く本隊のシリーズとしては「X-MEN:アポカリプス」に続く7本目にして最終作。
シリーズ全体としてはこの次のスピンオフ作「ニュー・ミュータント」が13作目にて一応ラストという形になってるものの、「デッドプール3」がMCU作品として現在制作中なので扱いとして今後どうなっていくのかは不明。

 

まあスパイダーマンとかと同じで、20世紀FOXで作られた映画はマルチバースの一つという扱いにきっとなっていくのでしょう。「ドクターストレンジMOM」でもパトリック・スチュワート演じる旧プロフェッサーXが出てましたしね。最もあれ、映画じゃ無くアニメ版の再現っていう話でしたが。

 

それはともかく今回の「ダークフェニックス」
これも試写会での評判が悪くて再撮影したんでしたっけ?結局せずに終わったんだっけか?同時期の「キャプテンマーベル」とかぶる部分が多くてどうのと、公開当時は色々とゴタゴタがあった気がします。そう、「キャプテンマーベル」と同時期と言う事は「アベンジャーズ:エンドゲーム」とも同時期という事になります。
あちらが空前絶後の大ヒットで幕を下ろした(一応の区切りとして)のに対して、こちらは全然客が入らず、シリーズ最終作ながら大赤字で終わってしまったという、どうしてこうなった感が大きい作品です。

 

監督は、サイモン・キンバーグという人で、これが初監督になりますが、過去のX-MENシリーズでは脚本を担当してた人です。そんな人が、満を持してメガホンをとったという形ですが、この人「X-MEN:ファイナルディシジョン」の脚本もやってます。

 

そう、あの作品も「ダークフェニックスサーガ」をベースにした話でした。そして今回もまた同じ話がベースです。どんだけ好きなんだよって話ですが、一見さん的には、え?また同じ話やるのかよ?っていう感じですよね。しかも、他人が前にやった物に納得がいかなくて、今度は自分がちゃんとしたものを作るとかそういう事でも無いんですよ。だって監督では無いにせよ前のにも関わってるじゃん?って話ですから。

 

一応、原作未読の人の為に説明しておきますが、原作における「ダークフェニックス・サーガ」は古い作品ながらX-MEN屈指の名作と言われていて、そこから生まれた「フェニックス・フォース」という宇宙的存在は今のシリーズでも度々取り上げられる、歴史や設定的にも割と重要な作品。

 

邦訳版も3度も刊行されていて、最初が90年代での小プロ「マーヴルクロス」での連載版があって、映画に合わせてヴィレッジブックスから単品の単行本化。その後にはアシェットのマーベル・グラフィックノベル・コレクションというシリーズの1冊としても出てます。

X-MEN:ダークフェニックス・サーガ (MARVEL)

 

じゃあ今読んでも面白い不朽の名作かというと、若干微妙な所ではあって、当時の熱量とか感じられて、勿論面白い部類だとは思いますが、やっぱり最後の、あのジーン・グレイが死んでしまったというのがインパクトとして大きい作品だと思うんですよね。

 

今はさぁ、アメコミの悪い部分なんですけど、「デスオブ○○」みたいなシリーズが展開されて、人気キャラが死んでしまうみたいなイベントをやって、その1年後とか2年後に「リターンオブ○○」とか言って生き返るのが、もう定番イベントとして定着しちゃってるんですよね。人気キャラは大概一度は死んで生き返ってます。そこまで大きい展開でなくても、2流キャラとかは日本で言えば「男塾」とかみたいにしれっと次のシリーズでは生き返ってるみたいな展開も多い。アメコミキャラの死は物凄く軽い物になっちゃってる。

 

でも「ダークフェニックスサーガ」はそこまで定着化する前の時代の話なので、X-MENのヒロインキャラだったあのジーンが!みたいな衝撃は大きかった。
そこは「スパイダーマン」でのグウェン・ステイシーの死や、DCですが「バットマン:デスインザファミリー」での2代目ロビン、ジェイソン・トッドの死とかと並んで、アメコミでの衝撃事件みたいなものの一つとしてあげられる特別な作品になり得た所は大きいと思う。(逆にこういうのが神聖化されたから後の乱発にも繋がるんでしょうけど)

 

そこはともかく、じゃあそんな人気の原作を今回は忠実に映像化したとかなのか?と言えば、別にそんな事も無かったりするのが微妙な所。むしろ映画として続いてきた世界観に変に合わせようとするから、何これ?感が逆に出てしまってるのがネック。

 

原作だとシーアー(シャイア)帝国という別の惑星を舞台にした話なのですが、映画ではその辺の事は全く触れてこなかった部分なので、いきなり今回から宇宙人が地球に来襲するという、映画の世界観しか知らない人からしたら。え?何これ?X-MENの世界観に突然宇宙人とか出てくんの?という違和感となってしまう。

 

しかもね、「ファイナルディシジョン」の時も、慣れ親しんできたキャラを雑に処理しちゃう所が散々非難を浴びたのに、今回もまた同じ事をやってる。原作ではさほど重要でも無いミスティークが映画では重要なポジションになってるというのを前作までやっておきながら、今回のミスティークの雑な処理。いやいやちょっとそれは。クイックシルバーが強すぎるし便利すぎるから序盤で退場というのは作劇の都合上とも思えますけど、そんな雑な部分とか、敵も結局よくわからんまま終わってしまったりと、いかにも人気が低迷してきて内容まで迷走して終わってしまった最終作というテンプレート感が凄い。

 

いやね、チームとして個々の能力を生かしたアクションとか、もしかしてシリーズ一凄いのでは?と思わせてくれる良い部分もあるし、ラストシーンのね、プロフェーッサーとマグニートーも色々あったけど最後は和解出来ました的な良い締めくくりもグッと来るんですよ。

全部が全部ダメってわけじゃないし、この作品ならではの見所はあるんだけれども、それでもね、迷走して終わるべくして終わったよなこれという感が凄い。

 

私は劇場公開時に見てますが、正直義務感で観に行っただけの印象で、「エンドゲーム」がゴールデンウィーク初日の公開で、確かその後にこれだった気がしますし、そりゃあね、比べちゃったらもうガッカリしかないわけですよ。次の「ニューミュータント」はコロナ禍が重なったのもありましたが、延期に延期を重ねて結局日本では劇場公開無しのソフトスルーになってました。

 

各作品の感想記事でも書きましたが、それでも私にとっては「X-MEN」の原作と、映画の1作目2作目辺りは特別な作品として思い入れはあります。なので、そこから始まったシリーズですからね、長く楽しませてもらってありがとうという気持ちは素直にある。

 

ニューミュータンツの方は先にもう感想記事あるのでこれでシリーズ全作ブログに書き終わりました。「ギフテッド」「レギオン」とかのスピンオフドラマは見てません。面白いのかなあれ?最初の映画の時も「ミュータントX」とかやってませんでしたっけ?あの辺もどうなんだろう?機会があれば見てみたい気はするけれど、ドラマはなかなか時間が。

www.youtube.com

関連記事

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com

curez.hatenablog.com