僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ジョン・ウィック:コンセクエンス

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原題:JOHN WICK: Chapter 4
監督:チャド・スタエルスキ
アメリカ映画 2023年
☆☆☆★


<ストーリー>
裏社会の掟を破り、粛清の包囲網から生還した伝説の殺し屋、ジョン・ウィック。地下に身を潜め、全てを牛耳る組織:主席連合から自由になるために立ち上がった。 組織内での権力を得た若き高官グラモンは、聖域としてジョンを守ってきたニューヨークのコンチネンタルホテルを爆破、ジョンの旧友でもあった盲目の達人ケインを強引に引き入れ、ジョン・ウィック狩りに乗り出す。そんな中、日本の友人、シマヅの協力を求めてジョンが大阪のコンチネンタルホテルに現れる・・・。果たしてジョンは、かつて忠誠を誓った世界との決着をつけて、真の自由を手にすることができるのか!?


シリーズ最新作にして最終作(ホントか?)「ジョン・ウィック:コンセクエンス」見て来ました。場所はドーンと「コンチネンタル大阪」から始まる。日本編なのか今回?日本は大阪のみなのかな?それとも東京にもコンチネンタルホテルあるんでしょうか?気になる所です。

 

支配人は何と真田広之私見てないけど「47ローニン」でキアヌとは共演済み。子供の頃は話題になった「高校教師」の人という印象でしたが、大人になって映画やら特撮を見るようになると、真田さんってJAC出身のアクション俳優で名を馳せた人だったという事を後になって知る。

 

刀を使った殺陣をやらせたら現役の俳優では最高の一人。実際「ウルヴァリン:SAMURAI」でも主演の傍ら殺陣指導もやってたはず。というか今回、実質「ジョン・ウィック:SAMURAI」じゃねーのかこれ。

 

実はキアヌ、もしマーベルから声をかけられたら何の役がやりたい?みたいな質問に対して「昔からウルヴァリンの大ファンなんだ。やるならウルヴァリン」的な事を答えてたりする。おそらく、フランク・ミラーの描いた日本編に影響を受けた口なのでしょう。ガイジンながら日本の侍の魂を持つ、みたいな所にきっとキアヌも憧れがあるのでしょう。多分、義を重んじるとかそういうとこが好きなんだと思う。

 

今回もねぇ、パート2、パート3で散々振り回された血の誓印に対して、真田さん言うんですよ。そんなものよりも友情の方が重い、とカッコいい事を。

 

そして私、今回真田さんがインタビューで言ってたので初めて知ったんですけど、真田さん、3の時点でオファーがあって出演を決めてたんだけど、直前になって怪我をしてしまって、やむなく断る事になったんだそうな。そこ考えると、もしかして前回の寿司屋って真田さんの役だったんでしょうか?

 

それはともかく、そうやって一度は断ってしまった相手に、また新しい役を用意したから今度は出て欲しいと再度声をかけてくれたと。そんなの断れるわけは無いし、その役がね、ジョンと深い友情で結ばれた役だったというのがね、メタだしガチなやつで面白い。

 

ハリウッドで活躍してるのは真田さんと渡辺謙さんの二人が二強って感じですが、なんでこの二人に集中するかと言えば、ちゃんとした英語が喋れる日本人俳優がとにかく少ないって話だったような。英語の通じる日本人俳優もそれなりには居ると思うけど、彼ら二人程にオファーが殺到しないのは、多分話は通用するレベルでも、ネイティブな発音とかとはちょっと違う、いかにもらしい英語なんだろうなと。
今回、キアヌも一言二言だけ日本語しゃべってくれますが、流石に流暢な日本語とは言い難いものがありました。多分、英語圏の人にとってはその逆というか、いかにもな日本語英語で自然かと言えば厳しい、みたいな感じなのかなと。

 


でもって、そんな大阪編だけで終了してたらホントに「ジョンウィック:SAMURAI」になる所でしたが、その後はドイツやパリへ舞台が移る。

 

今回、ジョンウィックと言えばの「犬」要素は、ジョンを賞金首としてつけ狙うワンちゃん使いの賞金稼ぎの新キャラを出してそこで犬要素を消化。(残念ながら、前回の犬使いハル・ベリーは今回出てなかった)

 

じゃあ今回の売りは?何フーが見られるの?と思ったら序盤はヌンチャクアクションでカンフー映画へのオマージュ的なものがありつつ、後半は割と原点回帰。最後は西部劇みたいなシーンになりますが、そこに至るまでは、ガン・フーの基本である、柔術とガンの組み合わせみたいな所に戻ってました。蟹ばさみとかビクトル投げとか、柔術やサンボの技がやたら多い。

 

相手を絡め手で寝かせておいて、至近距離のヘッドショットでトドメを刺す。

 

ん?

 

これどっかで見たような・・・・ってコマンドサンボじゃねーか!

 

いや~、かつて「リングス」っていう格闘技団体で活躍した、ヴォルク・ハンっていうロシアの選手が居てね、軍隊出身で見た事も無い技を連発してくる凄い選手が居たんです。プロレスファンならきっと知ってる人が大半ですし、その後の時代のUFCとかプライドとかの総合格闘技の時代は人類最強の男と呼ばれたトップ選手のエメリヤエンコ・ヒョードルという選手が居ましたが、その人の師匠筋に当たる人ですね。

 

で、そんなヴォルク・ハンコマンドサンボ(という競技があるわけじゃなく、軍隊式だったので便宜的にコマンドサンボと呼ばれただけのようです)、相手を転ばせて固めた後に、ポンっと握りこぶしを軽く相手に当てるんです。パンチっていう感じで無く、なんか相手にサインを出してる程度に。あれは何ですか?ってインタビュアーか他の選手が聴いたら、実践だとナイフを持ってるからそれを出す動作なんだよ。つい癖でそれが出ちゃって、という事を言ってました。

 

格闘技の試合だから銃やナイフは持ってないけど、戦場ではそれありきの動きもちゃんとやってるんだよという・・・まさにリアルジョン・ウィックじゃねーか。

 

今回、立ち関節とか、絡め手で相手を寝かせる技がやたら多かったので、ついそんな事を思い出してしまった。ヒョードルはそういうのなかったので、ハンを知ってるプロレスファンしかこの話通じないだろうけど、そこはご容赦の程を。他では見れない視点が一応私の売りのつもりですし。

 

そんな脱線話は置いといて、映画ファン的には、今回のライバルとして出てきたドニー・イェン。サムライマスターとして日本に真田広之が居るなら、カンフーマスターとして中国にはドニー・イェンが居るだろうってくらいのレジェンド。

 

う~ん、レジェンド?

 

ってゴメンなさい。大変恥ずかしいのですが、私もドニー・イェンの名前くらいは知ってるけど「イップ・マン」の人ですよね確か。多分「SW:ローグワン」くらいしかドニー・イェンさん私通ってきてないかもしれない。

 

座頭市」みたいな、盲目で相手に舐められるだけど死ぬほど強いというパターン。まさいにこれも「舐めてた相手が殺人マシーンでした」系譜ですよね。

 

今回は少しコミカルな要素もあったりして、キャラクターとしては抜群に面白いのですが、そもそも盲目な人が超A級の殺し屋とかそれはフィクションの世界だろうと。いや目が見えない人をバカにしたり下に見てるとかじゃないですよ。でもリアリティには欠けるだろうと思う。

 

そこら辺、面白いけどどうなのかなぁ?とか思いながら見てました。

 

こういうのはどこまでリアリティに拘るべきなんだろうか?とか思いながら見てたんです!

 

そしたらね、パリの凱旋門なのかな?車が周りを周回してるシーン。そんな中で戦うジョンも敵の暗殺者もヒヤヒヤものですよ。あぶねっ!みたいな。

 

ところが・・・車がぶつかったり人を轢いてしまっても、車からドライバーが降りてくるとかは一切無い。ただひたすらに周回してるだけの車。
ん?何だこれ。車に乗ってる人も全員暗殺者なのか?でも向こうから狙ってくるわけでもないし、無人機で周回してるだけのアトラクションみたいなもの???と、引っかかってしまった。

 

いやこれ多分、面白い画が撮れればそれでOKだろう。リアリティ?何それおいしいの?みたいなものなんだろうなと。

 

あと、ここの前だったかな?ドイツの方でしたよね。家族の証みたいなのを復活させてもらう為に、地元のギャングを館に倒しに行くジョン。ここね、屋根をとっぱらって、突然トップビューのアクションシューティングゲームみたいな画面になる。何だこれ?

 

しかもそこで使ってる武器が、ファイヤーショットみたいな不思議な武器を使う。実際にこういう武器あるんでしょうか?ショットガンみたいに連射は効かないけど威力はある。で、火炎放射機では無いんだけど、当たり方によっては相手が燃えるという、メチャメチャにゲームっぽい武器。(いやこんなのリアルに普通にある武器だぞ?とかだったらゴメンなさい)

 


こういう、ゲームっぽい画面やゲームっぽい路線を今回は目指したのか?とか考えるとパリの自動車地獄も何と無くゲームのそういうステージに思える。

 

極めつけは次の階段ステージですよ。ようやく昇りきった!と思ったらゴール直前に落とし穴があって、ステージ1へ逆戻り、みたいな。いや落とし穴は無かったけどさ。途中で止まらずに不自然に最初に戻されるのは非常にゲームくさかった。

 

そもそもルール破った奴まで「決闘」で無罪放免になるとか、いやその設定は・・・と正直、首をかしげる部分は物凄く多かった。

 

なんかねぇ、「1」の時はまだリアル路線だった気がするんですけど、そこからトンデモ世界にどんどん変わって行っちゃって、今回もう来るとこまで来たなって感じでした。

 

1の感想の時、もしかしてこれはゲームがリアリズムに近づいていった事で、リロードとかキルショットとかみんなが考えるようになったのが、ジョン・ウィックに繋がっているのでは?なんて事を書きました。それがねぇ、むしろこっちからゲームっぽいツッコミ不要の荒唐無稽さに近づいて行っちゃったような気がして、何とも変なものを見たなって感じです。

 

しかも今回、3時間近い長尺。前回、無駄にアクションが長すぎないか?とか書いちゃいましたが、あんなの比じゃ無いくらい今回も延々とアクションシーンが長く続きます。

いやこれダラダラとアクションシーンを長くしないで、緩急つけたら2時間内で収まる内容じゃないかこれ?

 

何を言ってるんだ、その長いのが良いんじゃあないか!と言われればそれまでですが、私はぶっちゃけ「変な映画を見た」と思わさせられたよ。じゃあつまんなかったのかと言えば、普通に面白かったですよ。でも1作目からずいぶん遠い所に来た映画だなというのが正直な所。

 

お話的には完結で良いと思いますが、ドラマとは別に「ジョン・ウィック:ゼロ」とかあっても良いでしょうし。前回出てたバレリーナの人のスピンオフとかも実際作ってるんでしたっけ?

 

大ヒットした作品の続編を作って、段々と内容も客足も尻つぼみになる、というのが映画では多いけど、このシリーズは逆で、新作が出る度に前よりヒットする、という不思議な売れ方をしてきた作品。

 

映画業界で今求められてる「売れるフランチャイズ」の一つの成功例。今の時点で確実に歴史に名を刻んだでしょうし、次の展開もありそうですが、どうなるでしょうか。マーベルみたいにエンドクレジット後の映像とかもやってましたがこれいかに。

 

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