僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

映画 プリキュアオールスターズF

監督:田中裕太
脚本:田中仁
日本映画 2023年
☆☆☆★

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プリキュア映画32作目。
初週の日曜日に早速観て来ました。いつも通りに近くの映画館では無く車で1時間半くらいかけて遠方の映画館へ。

そこでしかやってないとかじゃなく、良い歳したおっさんが一人でプリキュア映画を観に行くわけで、個人として恥ずかしいとかそういうのは全然無いのですが、一応私は会社でそれなりの立場なので、もしお客様のご家族とかに会ったりしたらね、あそこの会社のあいつは子供連れとかじゃなく一人でプリキュアを身に来てたぞと。そういう奴はきっとヤバい奴だからもう仕事を出すなとか言われたらね、個人ではなく会社に迷惑をかける事になるので、そこは避けたい。

 

別にプリキュアだろうと今時オタクなんて珍しくも無いんだから良いんじゃない?プライベートでの趣味なんだろうし、と大半の人は思うでしょうけど、そうは思わない人だって世の中には沢山居るんです。プリキュアをおっさんが一人で見に来てるなんて頭がおかしいヤバい奴か小児性愛者の変態なんだ!大人なのにプリキュア見てる奴なんて犯罪者予備軍なんだと決めつける人も世の中には沢山居ます。偏見は世の中から無くなる事は無いので、まずそこを前提として考えないと。そういう偏見を無くしていきたいのは山々ですが、実際、プリキュア界隈はその手の問題は定期的に出てくるのも事実ですし。

 

という考えから、いつからか生活範囲圏から外れたとこまでプリキュア映画を観に行くという風になりました。いや最初の頃は近くの映画館で普通に見てたんですけど、どの作品からだったかなぁ?まあ私は遠征が元から趣味なのでドライブがてらにサクッと行くだけなので、仕方なくとかそんな重い感じでは無いのですけど。

 

いつも「イオンシネマ三川」ってとこに観に行くんですけど、そこのオープン記念だったかな?それともただの特集上映だったか忘れましたが、私の好きなドイツ映画の「グッバイレーニン」のリバイバル上映があって、スクリーンで見た事無かったからどうしても見たくて、遠征して観に行ったのが最初のきっかけだった気がするなぁ。

わざわざ遠征して遠方の映画館まで行くという意味では、イベント感覚で、そんなイベント感覚がまたプリキュア映画ともマッチしていると思ったりもしますしね。

 

そして今回は監督・田中裕太&脚本・田中仁という、プリオタには最も信頼されてるであろう黄金コンビの布陣。そりゃあ私も期待してましたよ。

 

してましたが・・・う~ん、これ私どんな感想書けばいいんだ?


日曜日に観に行って、その勢いで「やっぱり最高でした!」みたいに書ければよかったんだけど、ぶっちゃけ物凄くモヤモヤしちゃってずっと悩んでしまいました。

 

まず最大のモヤモヤポイント。

「これ、子供向けじゃなくね?」


今回は20周年記念のオールスター作品。特別版です。そう割り切れるのなら全然OKだと思います。コロナ前みたいに、春にオールスターズ系をやって、秋に単独作品をやる年2本体制で、春にもしこれをやってたら手放しで褒めてたような気はしなくもないです。

 

でもこれが「ひろプリ」の映画になっちゃったかぁ、と思うと正直残念。前半のチーム分散しての旅パートとかにもちゃんと尺は使ってるのですが、なんか基本的には全体的にアクション要素にかなり振り切った印象を受ける。

かつての「オールスターズ」は変身バンクで全体の尺の半分は埋まるとか揶揄されがちでしたが、今回は冒頭にスカイのバンクが一度あるだけで、通常ならバンクで使う時間を全部排除してアクションパートに当てる、みたいな作り方でした。

 

大人は楽しいのかもしれないけど、子供はこれ楽しいのかな?私はおじさん一人で見るただのプリオタですから、自分の子供が楽しめなかったとかそういうのではないです。ただねぇ、なんか見終わった後は劇場が凄くシーンとしてたのが印象的でした。


私は基本的に映画感はいつも一番後ろの席で見るので全体が把握できるのですが、プリオタは私一人、後は20代くらいの女性が一人居たくらいで、あとは全部家族連れ。

スマイル以降は全て劇場でリアルタイムで見てますが、基本いつもこんな感じです。何かの映画の時にカップルが一組居た事はあったけど、20本ほど劇場で見て、毎回、家族連れの中でオタクが私一人。そんなシチュエーションなんです。
観客の数は多い時も少ない時もありましたが、まあ基本は終わると、子供の「楽しかった」とか、「また来年も来ようね」とかそんな声が聞こえてくるものです。今回はシーンとなってて、なんか全然会話も聞こえてこずに、内容が大人向けに振り切った感じだったから、お子さんたちはもしかしてあまり楽しくなかったのかなぁ?とか勝手な想像をしてしまいました。たった1回の上映がデータだとは思わないし、たまたまだとは思うけれども。

 

そこを考えるとね、オールスターズの始まりだった「DX3部作」の大塚監督は、映画の内容やテーマ以前に、プリキュアの映画は子供達が映画館に来る特別なイベントなんだから、まずはそこを最重要視して作る事を心がけたっていうのを思い出します。
田中裕太監督作でも、「映画まほプリ 奇跡の変身!キュアモフルン」なんかはそういうスタンスに近かったように思います。楽しさを沢山詰め込もうみたいな。

 

ただ、田中監督はインタビューとか読んでると、同じ事を何度も繰り返すのは好きじゃ無いようで、何か新しい挑戦が無いとモチベーションに繋がらないというような事は以前から言ってました。そこは凄くクリエイティビティの高い人ならではだと思います。
その辺りはプリキュア映画32本中、7作もやってたりする仕事人としての志水淳児監督なんかとはちょっと感覚が違うんだろうなと思います。

 

映画まほプリ以降に手掛けた「映画スタプリ 星のうたに想いをこめて」も、これまのプリキュア映画には無い物を作りたいという意図もあり、プリキュアを知らない人が見ても見れる1本の映画を目指して作られたような部分がありました。


ただ、映画スタプリの真骨頂は、メタ構造にあって、一つの作品、一つの物語や映画の誕生と終わりについてのメタフィクションが裏テーマ的なものとしてありました。それこそが映画スタプリの真骨頂であり本質だと思うんですけど、そこを語ってる人を私は見た事が無い。私の頭がおかしいのでしょうか?誰か賛同してくれる人は居ないものか。

 

でもってそこは田中監督が初めて自分が表に出て作ったTVシリーズの「ゴープリ」から繋がっていて、今回の映画のテーマとして設定された「プリキュアって何?」に線として繋げて見た時に、その意味が見えてくるものだと私は感じました。

 

キャリア的に演出助手から始まって(明確に師匠弟子の関係とかではないけど、大塚監督についてまわってた的な事をいつか言ってませんでしたっけ?)「スイート」「スマイル」「ドキドキ」辺りの演出で名前が注目され始め、ついに「ゴープリ」で監督(シリーズディレクター)の位置に着いて、自分のオリジナルとして作品を生みだす事になる。

 

それまでは他のクリエイターが作ったプリキュアに対して、自分が思うプリキュアはこうだっていう演出をやっていた人が、じゃああなたが思うプリキュアを1から作って下さいと。(いや勿論商業アニメだし、制約は沢山あるけど)

そりゃ当然監督はそこで考えたでしょう「そもそもプリキュアって何だろう?」って。

 

「強く、やさしく、美しく。真のプリンセスを目指す3(4)人の物語」

 

「Go!プリンセスプリキュア」はこんなオープニングナレーションから始まります。
プリンセスを目指す女の子とは、プリキュアになりたい女の子のメタ構造を描いたものです。

 

「私プリンセスになる」「プリンセスになんかなれっこない」「なれるよ、プリンセスに」プリンセスという言葉をプリキュアに置き換えても、意味は同じです。ゴープリにおけるプリンセスとプリキュアは同義語、プリンセス=プリキュアというメタ構造の視点でも非常に面白い作品でした。

 

ゴープリとは決して玉の腰を狙ってセレブになりたい女の子の話ではありません。プリンセス=プリキュアとは生き方や気の持ち方の話です。だから最終回で大人になった4人は透明なドレスアップキーを持ってるわけで、「強く・やさしく・美しく」というゴープリで提示したプリンセスの心得、プリキュアの生き方を胸に抱えて大人になれば、それはセレブやアニメの変身ヒロインではないけれどあなたにとっての夢の実現でありそれこそが真のプリンセスでありプリキュアと同じくらいの尊い存在だよと投げかけてくれた。教えてくれたのがゴープリという作品でした。

 

目には見えないけれど、心の中にある透明なドレスアップキーを抱えて生きていればそれはきっとあなたの助けになりますよ。あなたにとってのゴープリがそんな作品になってくれたらいいな、っていうような事が作品で描いてありました。

 

あんまり関係無いけど、私が好きな特撮作品の一つに「世界忍者戦ジライヤ」というのがあります。これのEDの「SHI・NO・BI '88」って曲が私は凄く好きでね。

www.youtube.com2番の歌詞にこんなのがあります「“忍び”とは 体と魂 磨いて 鍛えて 生きること」番組的には毎週トンデモ忍者しか出て来ませんが、忍者とは職業とかではなく生き方なんだ、的なものなんだと。ジライヤに憧れる君たちもそんな精神、魂、生き方をすればそれはきっとジライヤと同じような忍者になれるんだぞと、そういう考え方が凄く好きです。

ゴープリにおける「プリンセス」であるとか「プリキュア」っていうのもそういうのと同じような描き方をしていました。

 

その時点でね、田中裕太監督という個人が考える「プリキュアって何?」「プリキュアとはこういうものじゃないかな?」という問答がちゃんと「ゴープリ」として形になってるわけです。

 

ただそれは、監督個人の意見や考えであって、皆同じじゃ無く他の人には他の人なりの答えがあったりするわけですよね。

 

プリキュア魔法少女じゃない」と初期から散々言いつづけてきたのに、今度は「魔法つかいプリキュア」です。
「お母さんが最強!」というコンセプトだった「HUGっとプリキュア」もあれば、今度は「ヒーリングっどプリキュアで」女の子は何でも許してくれる女神じゃないよ、という主張をしてくる。そうかと思えば更に次の「トロピカルージュプリキュア」では、監督が「プリキュアは大人が主義や主張を語る場じゃ無い」的な事を言ってきたりする。
女の子が激しい肉弾戦をするのがプリキュアの特徴なのかと思えば、「キラキラプリキュアアラモード」では今回は「肉弾戦を封印します」とか出す。


言ってる事がチグハグであべこべじゃねーか!なんか同じシリーズのはずなのに矛盾してないか?と考えるのは当然で、逆の発想で考えれば、そんなあべこべな部分も含めてのプリキュアなんだと。

 

今回のエンディングで流れる、いきものがたりの「うれしくて」という曲の歌詞にもこんなフレーズがあります。
「“わかりあうこと”だけじゃ拾えない “わかりあえないこと”を大事にして
 ひとつにならないでいい バラバラの声 重ねてほしい」

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これ、意外とプリキュアらしい部分というか、普通は「気持ちを一つに」とかついつい言ってしまいがちになりそうな所を、あえてバラバラで良いって言うの、他の作品では絶対にそんな事を言わないとまではいきませんが、割と珍しい言い方で、結構プリキュアっぽさの特徴の一つに私は感じます。

 

近年の多様性重視の作品以前から、ちゃんと初期の「プリキュア5」の時のOP「プリキュア5スマイルGOGO」

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の2番の歌詞でも「 親友だってね 個性バラバラ 相性ばっちり だけどバラバラ」とか歌わせてますよね。
ファンには有名な話ですが、「プリキュア5」は鷲尾Pが、ヤンキー漫画の「湘南爆走族」が実はイメージソースなんですよ、というのは昔から言っていて、普段からなかよしこよしのべったりじゃないけど、何かあればチームとして纏まる関係性が好きで、チーム物をやるならあんな感じでやりたいという感じだったようです。

 

更に原点に立ち返れば、そもそもの「ふたりはプリキュア」だって、なぎさとほのか、趣味も性格も違う二人が「プリキュア」になる事で交わる物語。初代は「光と闇の調和・バランス」みたいな事が繰り返し語られるし、世界観を一新した「スプラッシュスター」でも、映画の方で「ふたりは」シリーズのしめくくりと言うか、纏めや本質みたいな形で、違う二人だからお互いに出来ない事を補い合える、だからプリキュアは「ふたり」なの!的なクライマックスシーンがあります。

 

それは二人コンビに限った話じゃなく、そもそもプリキュアは大概、別の世界から来た妖精と中学生の女の子が出会う所から物語は始まる。別々の二つの世界が繋がる所からスタートするわけです。

 

今回の映画のテーマとされる「繋ぐ」というのは、そういった原点に立ち返る作業でもあったのかなと思います。
監督だって、他の人から繋げられたバトンを受け取って、そこからまた次の人に手渡して今の「プリキュア20周年」に至るわけで、今回は何をやろうかってなった時に、プリキュア20年の内の後半10年分の締めくくり、総括、まとめみたいなものなら今の自分の挑戦として作りたいと、そこが監督を引き受けるモチベーションにもなったと言ってますしね。

 

「映画まほプリ」は何より子供が楽しめるエンタテイメントを目指して「映画スタプリ」は一般層に届く物って何だろう?という辺りを目指してそれは同時にプリキュアを再度外からどう見えるのか、どう作るべきなのかを客観視した作品だったとも言えましょう。

その流れを踏まえての今回の「オールスターズF」


いやそれはキュアシュプリームにプリキュアって何?」って言わせちゃうわな。

 

20周年というプリキュアの総括をしなければという客観視の部分と、プリキュアが好きで好きでたまらないプリキュアオタクの部分とのせめぎ合い、監督の心の中のメタバース。あるいは心象風景みたいなものが今回のオールスターズFだったんだろうな、と思ったり。

 

私は、キュアシュプリームとは何者か?と考えた時に、最初はパロディーなんかも含めた、有象無象のプリキュアのコピー品みたいな変身ヒロインの暗喩なのかな?とも思いました。プリキュアの模倣品。

 

或いは、以下ネタバレ注意ですが

 

 

 


シュプリームは一度はプリキュアを倒した存在ですよね?プリキュアに敗れたからプリキュアを研究しようと思ったのではなく、プリキュアは倒せたけれど、これまでこんなに強い存在とは戦った事が無かったからプリキュアに興味が湧いたと。

 

そこ考えるとね、ただの模造品だkではなく、プリキュア20年の歴史の中で競ってきたライバルコンテンツの事でもあるのかなと思ったのでした。最初は「ラブ&ベリー」とかでしたけど、その後も「アイカツ」とか「プリパラ」もなのかな?長い歴史の中でちょこちょこプリキュア以上の売り上げを叩きだしてきたコンテンツとかもあるにはあるじゃないですか。プリキュアに一時期でも、一度でも「勝った」事のある存在。

 

どうだプリキュアの牙城を崩してやったぞ!とその時は思ったかもしれませんが、ぶっちゃけどれも瞬間風速みたいなもので、一度はプリキュアを越えたものの、結局は長く続く事無く消えて行ったものばかりです。それが続かないんですよね。

 

プリキュアはその時に敗れたとしても、世代を繋いでいつかはまた頂点に返り咲く。
20年繋いできた歴史は他のコンテンツが真似したくても出来ない唯一無二の部分。
別にアニメに拘らなければ、「リカちゃん」みたいな玩具もあれば、それこそキティちゃんとかの「サンリオ」キャラクターとかだって女児向けの人気商品・コンテンツとしてはプリキュア以上の歴史はあったりする。

 

けど、じゃあ何でプリキュアなのか?

まさしく「プリキュアって何だよ?」って話ですよ。

 

映画の中では意外とこれだっていうような明確な答えって言葉では言って無かったはず。言わないだけでちゃんと答えは持ってるよ!それを言葉で言うのはダサいでしょ?っていう映画としての意地なのか、それとも実は明確な答えなんか無かったりするのか、そこはどうでしょう?

 

ハッキリ言ってたのは「最強の強さ」こそがプリキュアなのか?という問いに対してはNOをつきつけてたし、じゃあ数の問題なのか?という問いに対してもNOでした。

 

観察をしていたら普通の奴らが普通にしていただけだった、みたいなシュプリームの感想に関しては、逆にプリキュア好きにはニヤリとする場面だった事でしょう。プリキュアがピンチの時にいきなり日常会話をしだしたらそれは勝利フラグというのは初代からの伝統ですから。

 

繋いできたもの、繋げてきたもの。


よくよく考えれば今回のセンターポジションの「ひろプリ」だってまさしくそうじゃないですか?


「選ばれた存在じゃ無い普通の女の子がプリキュアに変身する」という所から始まったプリキュアですけど、スカイは異世界出身な上に史上初のセンターブルー。プリズムは基本となる伝統路線として、ウィングは動物の人間体な上に男の子、バタフライは成人プリキュアにマジェスティは赤ちゃんプリキュア。普通の中学生の女の子は5人中1人です。これ、まさしく過去の積み重ね、繋いできたものや時代の変化で一人一人がバラバラな存在になってる。最初はスポーツが得意な女の子、勉強が得意な女の子、くらいの違いでしかなかったのに。

 

制作時期を考えれば狙ったものではなく偶然そうなっただけかとは思いますが、ひろプリの5人に今回のキュアシュプリームとプーカを付け加えてみましょう。伝統の光墜ちキュアに、妖精からプリキュアになるキュアと、上手い具合に5人とも更にかぶらない個性の上に、且つ過去の積み重ねの系譜にも連なるキャラになってるのは面白い所。勿論、シュプリームとプーカが始まりの初代を彷彿とさせる黒と白のカラーだったのは意図的なものでしょうけど。

 

ああそうそう、キュアブラックってカラー的には未だに異色な存在ですけど、先ほども書きましたが、初代は「光と闇のバランス」っていう言葉がよく出てくる。黒を安易に悪役のカラーにして無い所が本当に凄いですよね。「ホワイトサンダー」は何と無くわかるけど、「ブラックサンダー」って何だよ?お菓子じゃあるまいしって最初は皆思うはずですが、黒い稲妻ブラックサンダーを通したセンスはやっぱり物凄い英断な気がする。

 

それはともかく、プリキュア的な模倣品、あるいはプリキュアを越えるようなものも世の中にはある。けれどそれらはプリキュアの歴史に匹敵する所までには至らない。その違いは何か?

 

いや待てよ、そもそもプリキュアだって毎回違うじゃないか。その違うものを繋いできた。繋げて来た。そして繋がる事で生まれる大きな力。

 

なんかねぇ、もう「プリキュア禅問答」やってる気分ですよ。昔からオールスターズとかで縦横ズラーっとプリキュアが並ぶ様は「プリキュア曼荼羅」なんて揶揄される事も多々ありました。プリキュア曼荼羅、まさしく宇宙の真理です。初代見た事ある人は
知ってると思うけど、実際ホワイトが言うんですよね。「心の中の宇宙は何からも自由だ!」とか宗教めいた事。そう、きっとプリキュアはもはや宗教なのでしょう。

 

というアホな話はさておき、そんな一人一人が違う個性を持つ、一つ一つの作品がそれぞれの違うユニバースをもつ作品が一堂に会するのがプリキュアオールスターズです。

 

ここで最初の話に戻ります。
今回の映画は子供向けじゃなくない?オタク要素とかアクションとかに特化させすぎでは?それってプリキュア映画らしくないんじゃないか?と私は言いました。

プリキュアって何?」という問答と同じです。
じゃあ「プリキュア映画って何?」

そもそもプリキュアって、個人単位でも作品単位でも、それぞれに個性やベクトルが
いますよね。

 

プリキュアの中にもオタクっぽい子は居ますよね?
キュアピースとかキュアスターとか。

プリキュアの中にも戦闘になるとやたら張り切って派手な技を出しちゃう子も居ますよね?
キュアラブリーとか。

プリキュアの中にも、子供っぽさを排除したミステリアスな魅力の子も居ますよね?
キュアマカロンとか。

 

プリキュア映画だってそれと同じじゃないの?
楽しさ全振りの映画もある。
重たいドラマを描いた映画もある。
実験作みたいな映画もある。

 

じゃあさ、この作品だって個性の一つじゃん?自分としてはあまりハマらなかった作品だからって、それを否定する必要あるかな?この子はこういう性格の子なんだよ、と言われたら、そこも確かに個性だと思う。

 

そんな風に考えたらいくらかモヤモヤも消えて、なんか許せる気がしてきました。

 

どうしてもね、もしこれが春映画で、ひろプリ単独の秋映画があったらなぁとは思ったりするのは事実。15周年記念作品だった「オールスターズメモリーズ」があまりにも良く出来た奇跡の作品でしたから、ついそれと比べてしまう自分が居ました。プリキュア映画、またいつか春秋2本体制に戻りませんかね?スケジュール的に大変なんだろうけど、成績は決して悪くなく確実な利益は出せてる映画のはずですし。

 

確かに4チームで4人(エルちゃん含め5人)で画面に出てる割合は優遇されてるけれど、見せ場や作品の売りとしてはどうしても過去キュア中心なので、そこは残念だなと言う気持ちは当然あります。

 

あ、因みに今回の私的なMVPはキュアグレースこと花寺のどかちゃんです。
プーカの力を知った後に、大丈夫だよってプーカの手をとって繋ぐのどかちゃん凄くなかったですか?あれはどういう真理だったんだろう?のどかちゃんのやさしさ?同じウサギモチーフのラビリンの存在があるから、きっとプーカも同じだと信じられたとかなのかな?「女の子は何でも許してくれる女神様じゃないよ」と描いたのどかちゃんの女神様っぷりを見せてくるのがまたね、凄いなと思わせられました。あとね、列車追いかけて走るシーンとかものどかちゃん最高。

 

他にも、傍から見たら性格悪い迷惑な女に見えかねないキュアマカロンがいかんなくその個性を発揮したかと思えば、あげはさんに「ゆかりちゃん」呼びされるとか、そういうオールスターだからこそ見える新しい一面とか、キャラクター的な所では素直に面白い場面がいっぱいあって、私はアクションよりもそういう所をずっと見てたかったです。

 

アクション・・・というよりは過去ピンク活躍シーンかな?さあやの方に「何でも出来る、何でもなれる」のセリフをふっておいて、肝心のエールさんはここぞの時の応援というのは良い使い方だなと思ったし、私的にはキュアハッピーが最押しキュアだったりするんだけど、今回はハッピーよりキュアハートがカッコ良くてね。「愛なんてくだらない」とかありがちな事を言ってくる敵に対して「愛はくだらなくなんかないよ」と正面から堂々と自信を持って否定できるハートさんはやっぱり凄くカッコ良く思えて、プリキュアのそういう真っ直ぐな部分もやっぱり「プリキュアらしさ」の一つだよなと改めて思ったりも。

 

後は割とHUGプリのTV版オールスターズ回も田中裕太演出回なので、そこの焼き直しみたいな部分は割と多かったけど、何分一瞬だけのカットが沢山あるので、そこはソフト化してから一時停止してきちんと見たい所。

 

マーメイドとラメールの人魚キュア競演があるならパルフェとフィナーレのパフェキュア競演も見たかったなぁ。

 

あとフィナーレは公式的にはゴールドプリキュアなので、輝く金の花・キュアブルームとゴールドフォルテバーストを使うキュアサンシャインとで3人のゴールドキュア競演。そこでアテナエクスクラメーションっぽいポーズとかしてくれてたら面白いかも。

 

もう物理的に不可能と言われ続けているオールスターズですが、今回は公式プリキュア78人。あと4~5作で100人に到達。そこまで行ったら絶対に100人達成記念のお祭りを会社的にはやりたいはず。昔から言われてるけど、敵を倒すストーリーとかは流石に厳しいので、プリキュア大運動会とかなら行けるのでは?っていうアイデアね、それはそれでアリじゃないかなと私は思います。内容はともかく「プリキュアオールスターズ100」期待して待ちますよ。

 

私の中では今回の「F」は「オールスターズメモリーズ」には遠く及ばない感じでしたが、またいつかあんな奇跡をおこしてくれる事を信じでまだまだプリオタ続けていくつもりです。

 

「星のうたに想いをこめて」の時も1回目はあんまりピンと来なかったんだけど、2回目以降に別の視点で見れるようになって、大傑作じゃないかと評価がかわったケースもありましたし、今回の「オールスターズF」もまたソフトが出た時に再考しようかと思います。

 

モヤモヤが募ってイマイチまとめきれてないので、闇雲に長くなってしまいました(1万字こえてるし!)今回はとりあえずこんな感じで。

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