僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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イコライザー2

 

イコライザー2 (吹替版)

原題:The Equalizer 2
監督・制作:アントワーン・フークア
原作:マイケル・スローン、リチャード・リンドハイム『ザ・シークレット・ハンター』
アメリカ映画 2018年
☆☆☆

 

シリーズ2作目。
ロバート・マッコールはタクシー運転手で生計を立てている・・・って、前回のホームセンター辞めたんかいな。まあそれなりに派手なドンパチやっちゃったので、周りにも危険が及ぶと悪いし仕方ないか。相変わらず人辺りの良いマッコールは乗客らとの交流も深め、上手くやっていた。
そんな中、協力者でもありマッコールの本当の姿を知る数少ない親友のスーザンが殺されてしまう。ただのチンピラの物取りにしては不審な点があると疑問に思い、調査を始めるマッコールは、過去のチームメイトともコンタクトをはかるのだったが・・・。

 

とまあ、前作とは若干違う路線。観客もすでにただの普通のおじさんでは無い事を知ってるわけで、マッコールさんの設定の掘り下げと、テーマ的には私刑執行人のヴィジランテと金で雇われる暗殺者に差はあるのか的な事を描きたかったんだろうなという感じ。

 

公開時のキャッチコピーはイコライザーVSイコライザーみたいな感じじゃ無かったでしたっけ?違ったかな?(予告編ではそんな感じで間違って無かったっぽい)

ぶっちゃけ序盤の所とか全然憶えて無かったけど、スーザンがただやられっぱなしじゃなく、微妙に健闘するのが変に生々しく感じられて逆に嫌な気分にさせられるのと、最後の台風の中での塔のシーンくらいは憶えてました。

 

前作の面白さであったDIYアクションが引き継がれて無いじゃーん!
と、リアルタイムで見た時は残念な気持ちの方が勝ったように記憶してますが、まあ作る方も同じ事を繰り返し経って仕方ないし、次のチャプターに進む、みたいな感じだったのでしょう。

 

世界観の拡張と設定の掘り下げに進むタイプのパート2物ってよくあるパターンなんですけど私はあんまり好きじゃない路線なので、う~んこれはという感じでしたが、今回見返して改めてこういう事をやろうとしてたのねっていうのは多少見えて、初見の時よりは納得感はあったかも。

 

仲良くなったマイルズ君が最後にマッコールさんをモデルにしたコミックキャラクターを考えているみたいな話をするので、そこにかこつけてちょっとアメコミ的なヴィジランテの話をするけど、法で裁けぬ悪を制裁するみたいなのがやたら持て囃された時期があったんですよ。その代表がマーベルの私刑執行人パニッシャーとかなんですけど、世間で決められたルール(法律とか)を無視して個人で制裁を与えるって、それって結局ヴィランと同じで自分が気に食わないから消してしまえっていうのと、本質的には同じじゃないの?っていう問題も発生する。

 

今回、マッコールさんのCIA(海軍?)元同僚チームが政府からお役御免になった後に皆殺し屋になってて、人助けにかこつけて殺しまくってるお前と何が違うんだ?同じようなもんだろ、って言われるシーンがある。

 

アメコミの場合だと、私刑執行形のヴィジランテ(自警団)が持て囃されたのって、ウォーターゲート事件とか政治不信があって、法律とか国とかもう信じられないよ、法を越えた個人の正義で悪を裁くのも必要なんじゃないか?みたいな時代の空気、時代背景があったからこそのヴィジランティズムの台頭みたいに言われる事も多い。(自警団の歴史そのものは西部劇の時代から続くアメリカの伝統ですけれど)

 

じゃあヒーローとヴィランの本質的な境目ってどこなの?を描いた映画版「デアデビル」(ベン・アフレック主演の奴です)がそういうテーマを扱っていて、個人的には結構な名作なんですけど、そこの部分を拾っている感想なんか私は見たこと無いし、世間的には駄作・失敗作扱いですが、私は昔から好きな作品の一つです。そいやそっちも感想書いて無いな。デップー3の前にはそっちのFOX関係で感想書いて無い奴も再見して取り上げておこう。

 

それはともかく、今回のイコライザー2もその辺りのテーマを描きたかったんだろうなと。
かつての部下たちはヴィランサイドに落ちてしまったが、マイルズとか今の若者を闇の世界ではなく正しい世界に導いてあげたい、みたいなのも対比として意図した形で描いてあったはず。

 

法で裁けぬ悪を裁く必殺仕事人だった1作目。搾取される側だったクロエ・グレース・モレッツが下級層の代表だとすると、分断社会だからこそのこんなヒーローが求められるんじゃないか?という所でのヒット作になった。

 

そこを受けての2作目のテーマとしては、でも実際コンプライアンス的にそれってどうなの?みたいに踏み込んだようにも思える。単純な娯楽作としては見れなくなってくるけど、そこもまた現代的と言えなくもない。

 

で、そこからの3作目となると、結局はもっと厳しい現実を突きつけられて・・・沢山の人を殺してきたツケは払わなければならない。償っても償いきれないマッコールさんに安らぎは訪れるのか?不眠症だった彼が、最後に安らかに眠るのはその命が尽きる時だけだった。しかし、これで再び奥さんと再開できると、その表情は・・・

という未来しか想像できないんですけど、実際はいかに?
次回「イコライザー:ファイナル」へ続く。

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