MOON KNIGHT VOL.1:FROM THE DEAD
著:ウォーレン・エリス(作)
デクラン・シャルベイ(画)
訳:久小池顕久
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録:MOON KNIGHT v7 #1-6(2014)
☆☆☆★
闇夜に舞い降りた孤高のダーク・ヒーロー。
その名はムーンナイト
腕利きの傭兵マーク・スペクター。エジプトでの任務中に敵の罠にはめられて
命を落とした彼は、月の神コンシューの力を借りて蘇ることとなる。
以来、彼はヴィジランテ“ムーンナイト”として活動を開始した。
マーベル・ユニバースで異彩を放つ“闇のヒーロー”を描いた衝撃作、ついに邦訳!
ムーンナイト新刊。ドラマの配信に合わせて発表になって居た奴ですが、直前になって突如予定から削除。ドラマのネタバレとかがあるからストップがかかったのでしょうか?それとも、ライターのウォーレン・エリスが業界内でのセクハラでの加害者うんぬんという問題が再燃したのか、その辺は不明。
取りあえずは数カ月遅れの今になってようやく発売になりました。「アンダーサイド:シビルウォー」に収録されていた第5シリーズ、「ムーンナイト:光/闇」として以前出ていた第6シリーズに続き、今回はその次の第7シリーズの邦訳本。
全6話収録ですが、基本的には短編集。前の邦訳のおかげか、ムーンナイト=脳内キャップ、スパイディ、ウルヴァリンと話をする頭のおかしい人っていう所が独り歩きしてしましたし、私も読んでるのはそこだったので、そういうイメージでしたが、その設定はその時限り。今回は脳内ヒーローは消えています。
その代わりじゃないですが、MCUドラマにも出ていたミスター・ナイトが登場。異常犯罪に対する警察の捜査に協力する、という形になっています。私はこの辺りの原作を知らずにMCUドラマを見てましたので、おお~!これが元ネタだったのかと。
解説書の方にはその後の現在までのシリーズの解説が載ってます。これの後の第8シリーズが精神病棟が舞台になてるそうで、ドラマはその辺りをミックスして作られてるのかなと思われます。
そちらのシリーズ、ツイッターでちょこっと見かけただけですが、予想外の展開が次々と起こって凄く面白いって言ってたので、是非そちらも読んでみたい所です。人気があればそのうちチャンスもあるでしょう。ドラマは他のシリーズとのリンクが一切無かったですし、いずれは絡む時も来るでしょうし、その時に期待。
イベントタイトル絡みでも無く、今回の話の範疇では大きな流れのストーリーも無いので、ホントにオムニバス集みたいな感じですけど、犯罪捜査的な話もあり、ヴィジランテヒーローとしてのアクションあり、オカルト路線あり、サイコサスペンス的な路線ありと、各話違うアプローチになっていて、小作品なりの面白さありな感じです。ただ、派手さは無いので、邦訳前2作みたいなものを求めるとちょっと厳しいかも。
今回はムーンナイトよりもミスターナイトがメインだったりしますし、多重人格要素はほとんど無しですので。まあでもこういうのは出るだけでもありがたい貴重枠です。
というか、小プロ独占になって以降、こっち系がメインになっちゃってメインの大型クロスオーバー系の話、しばらく出て無いような。ムーンナイトの多重人格じゃないけれど、メインの方の大きい話と、こういう小さい話、どちらも並行して読みたいです。その内出るとは思うけど。
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