僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダムF-90

機動戦士ガンダムF(フォーミュラー)-90
原作:山口宏/中原れい
作画:神田正宏
刊:バンダイ SD CLUB 15・17~20号掲載
全5話(未完・未単行本化) 1990-91年
☆★

サイバーコミックス版に続いて、もう一つのF90漫画SDクラブ版の方を。
単行本化されてないですし、そもそも未完です。
最終のSDクラブ20号には、21号に続くという記載はあるものの、そのまま廃刊してしまい、後から描き下ろしで単行本が出たとかも無し。

 

SDクラブ、そもそもの雑誌タイトル通り、SD物がメインのコミック形式の雑誌だったのですが、リアル頭身物のガンダムコミックもそこそこ掲載されてて、こちらの「F90」の他にも、当時のエンターテイメントバイブルMS大図鑑だっけかな?あれに冒頭のストーリー紹介で載ってたフルアーマー百式改と量産型サイコガンダムの月面の戦いという話がこのSDクラブに掲載されてた「シークレットフォーミュラ」の一編が元ネタのはずです。(タイトルがまぎらわしいですが、シルエットフォーミュラとかF系とは関連性は無い)
あと、カイ・シデンがシャングリラコロニーで回収されたガンダムタイプの残骸を調べに来る「機動戦士ガンダム 英雄伝説」辺りが割とマニアの間では有名でしょうか。

全部単行本化されてないのでなかなか取り上げられる機会も無いですが、おそらくはその「英雄伝説」のエピソードは「ピューリッツァー」でもわかる人にだけわかるような形で軽くは触れてくるんじゃないかと思います。

 

ああ、そういえばM-MSVを展開してた時期なので、ガンダム4号機5号機のパイロット名もこちらで連載してた短編小説での名前が生かされてます。
ボッシュもこちらのSDクラブ版ではウェラー大佐と呼ばれてたので、フルネームが元々設定されて無いので、じゃあボッシュ・ウェラーって名前だった事にしましょうか、というやりとりが「F90FF」の山口宏対談でありました。(そもそも大佐と大尉で階級は違うんだけど)

 

そこでも触れられてる通り、SDクラブ版はオリジナルの脚本担当だった山口宏氏は一切関与していないものだそうです。ただ、ストーリーラインは大まかには同じ流れになってるので、オリジナルのサイバーコミックス版をベースにしてこちらは独自に展開されたものと思われる。

 

因みにフルネームが記載されなかったボッシュは良いとして、主人公デフ・スタリオンはどちらも共通。


でもサイバー版シド・アンバーがこちらではベック・ベノ
サイバー版のナヴィがこちらではサニナ・イリューシュという名前になっている。
(乗機も「STガン」から「STジェガン」となっていて微妙に表記も違う。因みにB-CLUBだかに載ってた設定ではSTはセンサーターレットの略だったはず)

ついでに艦長もサイバー版がノヴォトニーでSDクラブ版がドルス指令と、結構違う部分も多い。

 


テスト中に2号機が強奪され、その正体が火星を拠点とするオールズモビルというジオン残党組織だと判明、事件を表に出したくない連邦は、証拠隠滅の為、火星に向かうのだったが、火星についた時、ウェラー大佐がその本性と目的をあらわにする、ぐらいまでで終了。

(左がSDクラブ神田版で右がサイバーコミックス中原版での同じ場面)


昔から、F90関係の話でオールズモビルの首魁がジョニー・ライデンだったみたいな話があって、え?そんな設定あったっけ?SDクラブ版でそういう描写があったっけかなぁ?と思って今回確認しても、どう見ても何もそういう情報が無い。

 

どゆこと?と思って今回改めて調べたら、SDクラブじゃなく雑誌B-CLUBに掲載された山口宏氏のインタビューで、構想段階ではそう言う案もあったみたいな事を語っただけなんですね。作中で一度でも描写されたとかじゃなく、ただのインタビュー記事で、しかも構想段階での話なら、その辺は無理に設定に組み込む必要は無いでしょう。

 

つーかサイバーコミックスで木星で怨霊みたいなのと戦うジョニー・ライデンの話とか無かったっけ?「ジュピターミラージュ」だっけかな?
ジョニー・ライデンの帰還」が完結した今、流石にもうその後の人生まで作ってあげなくて良いんじゃないでしょうか。

 

で、F90の最大の特徴と言えば武装の換装ですが、サイバー版では最終決戦時に混合装備、こっちのSDクラブ版ではテストでAタイプを装備するのみ。全然生かせてねぇ~っ!って感じですが、そこは結果としてやっぱりゲームの「フォーミュラ戦記0122」が一番生かした形になるのでしょうか。

 

他にサイバー版とSDクラブ版の違いと言えば、SDクラブ版の方は割と初期から「プログラム タイプAR」というのが意味ありげに出ていて、そこは特に強調したい部分だったのかなと思います。

19号の表紙。こうしてみると、F90も正統派なガンダムの1機なんだよという形で当時は売り出そうとしていたのがわかる。今では山ほどある外伝ガンダムの一つ程度の扱いですが、当時はまだこういうの貴重でした。

 

入手困難で読めないとなると、ますます読みたくなるのも人の心かと思いますが、プレミア価格とか出してまで読むものでは無いのでその辺りは御一考を。(私は昔に集めてただけですので)
確かここからのコミックス化は「ムサシロード」と「ダブルゼータくんここにあり」くらいしか単行本は出て無いはず。「ダブルゼータくん」はその後何回も出し直ししてるのにね。と考えるとそこはやっぱりちょっと勿体無い気はします。

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