僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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プロメテウス

プロメテウス [DVD]


原題:Prometheus
監督・制作:リドリー・スコット
脚本:デイモン・リンデロフ、ジョン・スペイツ
アメリカ・イギリス合作映画 2012年
☆☆☆★


エイリアンシリーズ最新作「エイリアン:ロムルス」本日より公開。本国では批評家受けも良かったみたいで、1作目に近い出来との評判。
せっかくだからここの所足が遠のいてる映画館にも近いうちに行こうかなとも思ったので、その前に感想も書いて無かった5作目6作目も。
今回のプロメテウスも次のコヴェナントも見た事はあるので初見の感想とかではありません。まあ、どっちにしろ当時以来なのでもうあんまり憶えて無いけども。

 

「エイリアン4」が1997年なので、そこから15年後のエイリアンシリーズ新作。一応「AVP」もきちんと版権通して作ってるので、あれもシリーズと言えばシリーズですが、今回の「プロメテウス」は前日譚のプリクエルストーリー。

 

ただいきなり、冒頭からアングラ芸術みたいな白塗りの人が出てきてビックリする。プロメテウスとは人類創造の神、あるいは人類に火を与えたとされる神話の神。そんなタイトル通り、人類の起源にまで話が遡ると言う、意外な展開。

 

いや、今更言っても仕方ないし、エイリアンという作品の創造主でもあるリドリー・スコット先生に言うことではありませんが、多分ね、世の中のエイリアン人気というのは、クリーチャーやモンスターとしての人気なのであって、あの世界観とかそういうわけでは無かったと思うんですよね。せめてそんなエイリアンの誕生の所から明かされるとかならまだしも、人類創造からサーガを語り直すのかこれ?と、想像してたものとは全然違うものをお出ししてくるから、当時は結構「???」でした。

 

ただ、リドリー先生は以前から「エイリアン」と「ブレードランナー」の世界は地続きだよって言ってたはずですし、アンドロイド・レプリカントという、人間に作られた新たな種が自我を持つという構造と、それをさらにメタ視点で推し進めて、人類もまたエンジニアと呼ばれる種の制作物の一つにすぎなかったのだ、という視点を入れたかったのはわかる。

 

エイリアン自体も、リドリー・スコットの想定してた範囲では、単体で繁殖する事は出来ないみたいな事は以前から言ってたはず。なので2のクイーンとかの設定はキャメロンの後付けで、エイリアンなりの生態系みたいなものがあると想定して、虫に近い設定を与えることで観客が想像しやすい作りにしたんだと思う。

 

でも、そういう事じゃないんだよな~ってリドリー先生はきっとずっと思ってたんですよね。人工物はどこまで創造主の意図を外れて独自の文化や思想に辿りつくのか?みたいな事をやりたかったんだろうなと思う。

 

マイケル・ファスベンダー演じるデヴィッドというアンドロイド。生みの親であるウェイランド、或いはウェイランド社が無くなった時、お前はどうなる?という質問に対して、与えられた目的が無くなった時、それは自由を手に入れる事が出来ます、という辺りが面白味。

 

今回、フェイスハガーからのチェストバスターというお約束のシーンが無いけど、似た感じのシークエンスは再現してある。一応の主人公のエリザベス・ショウ博士の胎内に宿る新しい生命体。

 

いや男の私でも身の毛もよだつほどのグロテスクさを感じるシーンでしたが、あれ女性はトラウマになるレベルですよね。「ローズマリーの赤ちゃん」じゃないけれど、マタニティブルーって言葉があるように、自分の体内で育つ新しい命が、もし恐ろしい怪物だったら?みたいに、未知の物を恐れる精神状態ってそれは当然あるだろうなと思うし、あの自動メディカルポッドも帝王切開手術をお願いとか言っても、これは男性用だからその手術は出来ませんとして、無理矢理腹をかっさばいて胎児を取り出す。

 

で、最後はそれが成長してクトゥルーみたいになる。初代エイリアンのギーガーデザインという新機軸に対して、クトゥルーってのはちょっと新しさが無いなと思う反面、まあデザインの善し悪しは別として、それがエンジニアの最後の生存者を飲み込む。これ、まさしく神話における親殺しって奴ですよね。

 

この後、どうなったかは語られませんが、きっとデヴィッドさんは内心ニコニコですよね。そうそう、生みの親を殺してそれを乗り越えた時に自分の本当の人生が始まるんだと。

 

やっぱり世の中的にはまた出てきた新しいエイリアンと人間が生き残りをかけてドンパチする話を求めてたとは思うんですけど、これはこれでね、捻りがきいてて面白いじゃないですか。リドリー・スコットはイギリス人だし、あの人インテリですし。

 

戦争を描こうとしたキャメロン。宗教を描こうとしたフィンチャー。モダンアートを模索したジュネ。そして再びリドリーの手に戻ってきたエイリアンは、いやいや君たち、広げるっていうのはそういう事じゃないんだよ、という感じの作品なんだろうなと思う。

 


といった辺りで次、「エイリアン:コヴェナント」に続く。

ああ、因みに今回はディズニープラスの吹き替えで見たんですけど、剛力彩芽の吹き替えになってて、やはり酷い状態。劇場公開時はプロモーションで仕方ないとは思うけど、せめて残す奴はちゃんとした人にやってほしい。あと、大した出番は無いけどプロメテウス号の副操縦士ベネディクト・ウォンさんが居てそこは全く記憶に残って無かったので、ちょっと嬉しかった。

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