僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

スター☆トゥインクルプリキュア

スター☆トゥインクルプリキュア vol.1[DVD]

STAR☆TWINKLE PRECURE
シリーズディレクター:宮元宏彰
シリーズ構成:村山功
TVアニメ 全49話 2019-20
☆☆☆☆★

宇宙(そら)に描こう! ワタシだけのイマジネーション!

 

プリキュアTVシリーズ16作品目「スタートゥインクルプリキュア」最終回を迎えました。
私はたまたまテレビで流れてた「ハートキャッチプリキュア」辺りから飛び飛びで見始めて、子供向け、それも女の子向けのものだけど戦闘シーンとかがカッコ良くて、意外と面白いものなんだなと興味を持って、ハトの次の「スイート」も飛び飛び(震災の年でしたしね)。今度は一度きちんと見てみようと思って、1話からガッツリ入ったのが「スマイルプリキュア」でした。そこからはもうずっとプリキュア沼にハマって今に至る。
勿論、スマ以前も全て初代からレンタルで全部見て、後にはDVDやらBDやらを確保するまでに。基本、全てのシリーズを愛しております。他にもプリキュアにハマった経緯はもっと色々と背景があるのですが、その話はまた別の機会にでも。

 

まずプリキュアで大切な事は、1年間見る事、見続ける事です。
ただ、最初はそこまで構えなくとも、ネットでたまに話題になってるからとか、私の最初と同じように、たまたま日曜の朝にテレビでみかけて少し見てみるくらいからで構わないと思います。
でも1年間(約50話前後)通し視聴し続けて迎える最終回の景色はハッキリ言って全然違う。それはキャラクターの成長とかドラマの集大成とかも勿論あるけど、リアルタイムの1年間というのも当然関わってくる問題だからです。ああ、最初に見た時からもう1年経ったんだ、というのが何気に重要。
1年間見続ければ、それは嫌でも思い入れは深まります。これからネット上では「スタプリ」ロスだ~という嘆きが山ほど見受けられる事でしょう。でも大丈夫。春映画でまた彼女達と再会できるから。そしてそれが終わって4月末くらいには新シリーズの1クール終わりの最初の山場ですので、そのころにはきっとまた今度は新しいプリキュアに夢中になっている事でしょう。
そういう1年間のサイクルが出来上がっているのがプリキュアなのです。つくづく上手く出来てるなと感心してしまいます。作品としてのプリキュアも面白いけど、そういう商品として、コンテンツとしてのプリキュアもまた面白いのよ。

 

あ、旧作をソフトなり配信でまとめてみるのもそれはそれでちゃんとどの作品も面白いので全然OKです。プリキュア初心者なら「フレッシュプリキュア」と「Goプリンセスプリキュア」が入門としてオススメ。

 

とゆーことでようやくここから本題のスタプリの話。最終回直後の興奮冷めやらぬままこうして書きなぐっているので、多少変な所や間違いがあってもお許しを。
こういうのは少し時間がたって冷静に見られるようになってからだとまた違った感想なんかも出てくるものですが、こうしてリアルタイムの熱を残しておくのもブログの面白さかと思いますので。

 

女児向けにしてはやや珍しい「宇宙」をモチーフに描かれる今作。前年の「HUGっとプリキュア」が15周年記念作品として、TVシリーズでもオールスターの話を入れたり、通常は単体の秋映画を特別にオールスター使用にして、初代「ふたりはプリキュア」をフィーチャーしたりと、明確に特別感を打ち出していました。集大成的な要素も大きかったので、今回の「スタプリ」は作り手側の方も区切りを迎えた後の次の新しい一歩、というのを意識していたのは各種スタッフインタビューでも読むことが出来ます。
とは言え、派手な花火が打ち上がった後なので、次は初心に帰って、着実な一歩を…とはならない辺りがまたプリキュアらしい。
プリキュアは決して「王道」ではないのです。

 

ここ2年くらいでプリキュアが改めて注目されてて、そういった記事で何度も出てきますが初代プリキュアの立ち上げのコンセプトに「女の子だって暴れたい」というのがありました。女の子向けの作品でバトル物、そして女の子同士のバディ(相棒)物をやる。どうしても魔法少女・変身ものの文脈で語られがちなプリキュアですが、根っこにあるのは別のものでした。

そして主人公のカラーが白と黒。白はまだしも、女の子向けで黒がメインカラーの主人公なんてまずありえません。大人の女性なら黒も好みますが、小さい女の子向けで、商品化も絡む事を考えると、物凄い冒険です。(黒に差し色でピンク、お供の妖精を黄色にして女児の好む色をサンプリングしてあるのがデザインの妙というやつです)スポンサー側からはやっぱり最初は難色を示されたそうで、それでも「黒い色のランドセルを好む女の子だって世の中には居る。彼女らを、そういった存在を無視できない」と言って企画を通したそうです。そう、今で言う多様性。
プリキュアは15年前の初代の立ち上げの時点ですでに「多様性」を意識して作られています。
近年のインタビュー記事とかで時代の「多様性」が今のプリキュアで表現されている事を問われると、そこは昔からやってる事なので、と返す姿がシュールでまた面白い。

 

そんな感じで一番最初のプリキュアはこれまでの他の女児向けアニメにはない、エッジが利いた斬新さと、それを子供にどう見せるべきなのかを丁寧に考え抜いて作られた作品になっています。

なんだかまた初心者のための初代プリキュア講座になってしまいましたが、そこでスタプリです。プリキュアが挑戦し続けてきた事、そしてこれからも挑戦し続ける事が出来るのも、そんな初代のコンセプトがプリキュアという作品の根本にあるからこそだと思われます。

女児向けで「宇宙」ってモチーフはどうなの?大丈夫?と問われても、そういう事をやるのがプリキュアなんだよ、という事です。
ひかるちゃん的に言えば「決めつけは、無しだよ!」ですね。

 

そんなスタプリが始まって、記事冒頭にあるキャッチコピーやキーワードとして出てきたのが「イマジネーション」という言葉です。辞書には「想像。想像力。空想。」なんて書いてありますね。

最初私が思ったのは、発想力みたいなものかと思いました。降りかかる問題や戦闘で強い敵と立ち向かう時なんかも、普通の人ではなかなか思いつかないその人だけの独自のアイデアみたいなのを、ひらめいた!みたいな感じで解決していく想像力豊かな主人公が描かれていくのだろうと思ってました。「見えた!勝利のイマジネーション!」的な。そしたら全然違ってました。

 

トッキュウジャーというより、どちらかと言えばジョン・レノンの「イマジン」
の、想像してごらんって奴の方が近いのかな?「多様性」そのものではなくて、その先の「多様性が当たり前にある世界を描く」のがスタプリの基本的なテーマです。まず相手を認めて、その先に、その背後に何があるのかを想像する事。スタプリが言う「イマジネーション」とはその事。

 

これね、普段生活してていっつも思います。相手の立場になって物事を見たり考えたり出来る人って少ないんだなと。いや、私だってそれをちゃんと自分で出来てるなんてとても言えないですし、本当に相手の気持ちを理解するなんてのは100%は不可能です。でも、それでもね、少しは自分なりにね、考えようよと思うのです。この世界は、この宇宙は、自分の為だけのものじゃないんだよ、みんなのものなんだよって。自分のエゴだけを通そうとして、他人が嫌な思いをしたり苦しんだりするのって嫌じゃない?それこそ、もし自分がその立場だったら悲しくなるんじゃないの?って考えたりしないのかな。

 

スタプリが描く「イマジネーション」はそういった類でした。ああ、流石プリキュアだな、プリキュア面白いな、プリキュア素敵だなとこうしてますますプリキュアが好きになって行く。「スタートゥインクルプリキュア」最高じゃないですか。

 

一向に話がまとまる気がしないので、最後にちょっとキャラクターに焦点を当てて語ります。

☆星奈ひかる
「宇宙に輝くキラキラ星!キュアスター!」

宇宙人やUMAやオカルトが好き、それだけで100点の設定です。私もマニアと言う程ではないですが、そういう類、結構好きです(多分、大槻ケンヂの影響)。星奈家の飼い犬がラブライブのしいたけみたいだなぁとか思ったとたんに、名前がイエティで爆笑。そして事あるごとにコスプレと称してグレイ型宇宙人のマスクをかぶりたがるひかるちゃんが面白くて面白くて最高でした。

そして何より、一人で居る女の子を肯定してくれた事が1億点です。
常に誰かとつるんでいないと何も出来ない奴らよ、キュアスターを見ろと。

プリキュアって基本的に仲間の大切さにどうしても行きつくし、ひかるもそこはお話の中で知って変わってはいくんだけど、スタプリは意図してそれぞれが別行動をとっている描写を入れてあるんですよね。先輩組も放課後は別だったり、これまでのシリーズなら確実に同じ学校に入るであろうユニも結局学こなかった。一人ひとりが別の意思、別の気持ち、別の目的で行動している。(それもまた「多様性が当たり前にある世界」の描写)
みんなそれぞれが違う星であること、そしてそれを繋いで星座を作る、それがスタートゥインクルプリキュアというチームでもあり作品で描かれた事。

私も基本的には友達居ないタイプで、一人で過ごす事を苦に思わない人ですので、たまに人と会って飯食ったり話をしたりくらいが丁度いい。(ゼロは流石にキツイ)なので、ひかるちゃんみたいに一人は別に悪い事じゃ無いんだよ、一人も楽しいよね、っていうのを見て、自分を肯定してくれる存在としてね、誰かの心に響いて、それでもし救われる人がいたとしたら、それはもうね、5億点あげます。

 

思い出のシーンはやっぱり26話「ナゾの侵入者!?恐怖のパジャマパーティ☆」
一人で居るのが楽しかったけど、みんなと出会えてそれも楽しいって思った、っていうとこがね、光の演出もあってすごく好きです。

ああそうそう、ひかるには遼じいが居るのも凄く特別。別に学校と家だけがコミュニティの全てじゃない事を描いてあるのはとても意味がある。

ところでひかるちゃん「宇宙人の解剖」って映画は見た事ある?アブラハム監督とかじゃないけど面白いから是非見てね。

 

☆羽衣ララ
「天にあまねくミルキーウェイ!キュアミルキー!」

ルンちゃんかわいい。大友人気は多分ミルキーが1強。
初の宇宙人プリキュアと言う事で、スタプリを代表するキャッチーなキャラクターですが、お話的には地球の文化や人に触れて成長していくという実質主人公ポジション。とゆーか映画はララちゃんの映画でした。

ストーリーが進むにつれてすこしづつ変化していくキャラで、そこが一番の見どころだったかな。ララだけでなく、お供のAIがまた良い味出してて泣かせに来る。

変身バンク優遇、五人バージョンになってもあのぷくー顔は残したい。そしてキャラソンも最高。
ララに始まり、ララで終わる、という感じでしたが、ミルキーお当番回ではやっぱり
40話「バレちゃった!?2年3組の宇宙人☆」
こんなの泣くって!


☆天宮えれな
「宇宙を照らす!灼熱のきらめき!キュアソレイユ!」

褐色の肌でギャル枠かな?と最初は思いましたが、日本人のお母さんとメキシコ人のお父さんの混血でした。「ハーフ」という表現はスタプリでは使わないそうです。前のハグプリの時もアンリ君がハーフじゃなくてダブルだよって言ってましたね。

それでも見た目はギャルっぽいし、「観星中の太陽」と呼ばれいわゆる陽性なキャラなので最初はちょっと苦手なキャラかもな~なんて思ってた時期が私にもありました。
でもお当番回がことごとく良い話ばっかなのよこれが。宇宙に行く回、宇宙人と交流する回だと持ち前の陽気さで、えれなさん良い仕事してくれます。悩みの掘り下げ、テンジョウとの絡みも濃くて、えれなさんどんどん好きになっていきました。

初代「ふたりはプリキュア」で、なぎさがちょっとギャルっぽくて苦手かな~なんて最初思ってると、前話のあらすじ&モノローグでやたら乙女ちっくな心情が毎回語られて、なぎさがどんどんかわいく見えてくるっていう感覚と似てました。今ではえれなさん好きなキャラです。

ベストは34話「つながるキモチ☆えれなとサボテン星人!」
サボロー(仮)の回です。子供向け作品だし、最後くらいはサボローがしゃべるかなと思ったのですが、セリフ無しできちんと見せるセンスは凄いなと感心しました。

あとキャラソンの「キミのソンリッサ」もとても好き。


☆香久矢まどか
「夜空に輝く!神秘の月あかり!キュアセレーネ!」

厳格な父親に育てられたまどかがプリキュアになった事を隠して親に嘘をつく、っていうつかみにグッと引き込まれたのですが、そこは思ったほどには掘り下げられず。正義であるプリキュアが嘘をつくって面白いテーマだと思ったんだけどな~。まあ「あれは嘘よ。うふふ」っていう気まぐれな猫の同じ紫色の先輩もいましたけど。

そうそう、今回は「絶対に」っていう言葉を意図して使っていないそうです。「絶対に許さない」「絶対に間違ってる」とかプリキュアは言いがちですけど、過去シリーズから脚本で関わってきた村山さんがそこに違和感をおぼえていて、立場が違えば考え方もかわるという事を描いているスタプリでは「絶対」は使わないよう気をつけたそうな。

そう、立場が違えばは何も敵に限った話じゃ無くて、まどかのお父さんが育て方を誤ったのか、と自問してる時にまどかのお母さんが「これは成長っていうのよ」と諭すシーンも涙なくして見られません。太陽にはなれない月、ものすごく「自分」を持ってるひかるとかを見てても、まどかは多分、まぶしかったんだろうなと思う。スタプリらしく宇宙をかけてアームストロング船長が「月」に降り立った時の言葉を引用してまどかの心情を語る辺りも抜群に脚本が上手い。41話「月よ輝け☆まどかの一歩!」すごく良い話でした。

 

☆ユニ
「銀河に光る虹色のスペクトル!キュアコスモ!」


上坂すみれとか使って大丈夫なのか?と最初は心配しましたが、無事何事もなく職務を全うしたようです。サブカル文脈で受けてる人がプリキュアっていう超超キラキラした所に入っていかなる化学反応が起きるのか?・・・上坂すみれは浄化されました。プリキュアって凄い。

コスモは前半のブルーキャット&宇宙アイドルマオ時代の方が派手な印象。アイワーンとのドラマが丁寧に描かれた分、追加戦士の特別感はそんなになかったかも。レインボーカラーのスカートですがメインカラーは青ですしね。一つだけ別格に輝く星であるよりも、ユニという一つの星出会った方がスタプリらしいと言えるのかもしれません。

キュアコスモの特別回は・・・映画の宣伝でNHKアニソンアカデミーに
みんなと一緒に出演した時、特別な一曲として装甲騎兵ボトムズ「炎のさだめ」
をかけた回です。(回じゃない)


そんなこんなで長々と思いを重ねてきましたが、ここまで読んでいただいた方は長文におつきあいいただきありがとうございました。名残惜しいですがまだまだ語る所のいっぱいあるスタプリですのでそれはまたいずれコンプリートブックが出た時にでもまたお会いしましょう。

 

 

 

 

・・・お!キュアスパークルが出た。
(「ヒーリングっどプリキュア キラキラカードグミ」を食べながら)
切り替えはやっ!

 

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