僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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映画 ふたりはプリキュア Max Heart2 雪空のともだち

映画ふたりはプリキュア MaxHeart2 雪空のともだち (初回限定版) [DVD]

監督:志水淳児 脚本:成田良美
日本映画 2005年
☆☆★

 

プリキュア映画第2作目。今で言うTVシリーズ後半に入ってからの秋映画ポジションですが、公開日が12月10日という事で実際はクリスマス映画、お正月冬休み映画的な立ち位置になる感じです。当たり前ですがまだテンプレートが出来あがる前というのがちょっと新鮮。

 

「雪空のともだち」と言えばのキュアホワイトのガチめな関節技が有名なこの作品。MAD動画とか、ツイッターとかでよくそこだけクローズアップされがちですが、改めて見直した所、そこよりも一番最初の雪だるまザケンナー戦のクオリティがメチャメチャ高い事に驚かされました。

 

雪空、こんなにクオリティ高かったっけ?と思ったら絵の動き的にはそのシーンがピークでした。別に残りがクオリティ低いって事は無いのですが、最初のとこだけ明らかに動きとケレン味が違う。クレジットにも名前があるし、あそこ志田さんなのかな?関節技をネタ的に騒ぎ立てるより、むしろそういうとこを見てほしい。

 

でもってそのブラックVS敵に操られたホワイトが戦うシーン。メインユーザーの子供達が泣きだしてしまって、それ以降は味方同士のプリキュアが戦うのはご法度になったというのは割と有名な話。

 

ただそれ、私はそこに付言したソースを見た事がありません。プリキュア関連のムック本とか書籍関連は、ほぼ目を通してるはずですが、直接それを語っている所が無いし、ネット上だと当時の雑誌でそう言ってたらしい、ぐらいの情報しか無い。そもそも最初の内は初代2冊、MHで2冊のビジュアルファンブックこそ出てますが、子供向け作品が故に、アニメ雑誌ではほとんど取り上げてもらえなかったようです。

 

じゃあその情報に信憑性が無いのかと言えば・・・実際これ見たら確かに子供泣きそうってくらいにはハード。プリキュアらしく、顔を殴るような描写を直接は見せないのだけど、足元の動きだけでそれを表現してあって、逆に悲壮感を煽る。想像力に委ねる、というのは実に映画的ではあるのだけれど、結果的にとは言え、よりにもよって何もそんな所を映画的にしなくても。

 

映画的と言えば、脚本が成田良美なので、いわゆるプリキュア説教がとても強い。プリキュア説教って何じゃらほい?と言う方に説明しますと、プリキュアは基本的に子供向け作品ですので、言葉で何でも言ってしまうのです。

 

この映画で言えば、クライマックスの「あんた達は本当の友達じゃないわね!」っていう下り。映画的に良く出来た作品であれば、そこは言葉で説明しないで、見てる人に自然とそう思わせるのが映画的なテクニックという事になります。前半の志穂と莉奈の会話とかは良かったんですけども。

 

別に成田良美をクサしてるんじゃないのよ。色々なシリーズで相当数の脚本を書いてるプリキュアには欠かせない人ですし、素敵なお話も沢山あります。ただ、子供向け作品であるが故に、どうしても言葉で説明する部分が多くなってしまうのは作品の性質上仕方のない部分です。映画スタプリの時にも書きましたが、もしそこをプリキュアに求めるなら、似たジャンルの大人向け作品を素直に見た方が早い。

 

子供向け作品ならではという部分では、私がプリキュアを深く知って行く中で面白いと思ったのが、本当に小さい子はやっぱりお話をちゃんと理解して見てるわけではなく、基本的には単純に絵を見ているので、飽きさせない絵作りっていうのをプリキュアは大事にしていると。そういうのが子供向けアニメの基本的なテクニックなんですよ、というのを知った時。

 

ああ、なるほどプリキュアってなぎさを始めとして、キャラクターの表情がころころ変わりますよね。ヒロインにあるまじきギャグ顔とか表情もメチャメチャ出てくる。子供はそういう所を見ているらしいですよ。そこはもう秒単位で計算してやってるのだそうな。そこ、凄く面白いと思いません?私は物凄く感心しました。

 

女の子向けですが、ヒーロー物、バトル物みたいな感覚で私は最初見始めたのですが、思った以上にギャグとかコメディシーン多いなって感じて、そこからさらにより深く知って行くとそんなテクニックが故の作風なんだなと、えらく感心させられたものです。

 

更にギャグ描写と言えば、プリアラ映画で土田豊監督が面白い事を言っていたのですが、それはプリアラ映画について書く時までとっておく事にします。順番通りに行くのならメチャメチャ先の話ですが。

 

操られたキュアホワイトついでに、前回に引き続きほのか/ホワイト役のゆかなについてに語っておこう。
操られた時はものすごく低い声出してましたが、ホワイトと言えばやっぱりあのドスの入った「やぁあああああ~っ!」っていう強烈な声。監督の指示じゃなく、ゆかなさんが自発的にあの演技をしています。だって本気で戦うならあれくらいの声になるでしょ、とサラッと。ゆかなさん素敵です。

 

実は変身前と変身後では衣装だけで無く顔つきもちょっと変わるんですよね。変身ものらしく、ヒーローとしてキリっとする、くらいのデザインだったのかもしれませんが、声も含めたホワイトの変身前と変身後のギャップが凄い。
TVシリーズを最初から見ていくと、1話からってわけではなく、少しづつ変わって行くのですが、そのホワイトに引きずられてブラックも変化していくのが結構面白かったりします。

 

それを意識してのリスペクトなのか、或いは自然にゆかなと同じ考えに至ったのかは特に語る人も居ませんけど、これ以降続く歴代プリキュアも変身前と変身後で意図的に声を変えてる人も中には居ます。別に声を変えるのが正しいプリキュアの在り方だ、なんて事は無いですが、そういう所もちょっと意識して見ると面白いかもしれません。

 

そして今回の映画から、映画専用フォームのスーパープリキュアが登場。1作目も聖闘士星矢のゴールドクロスを纏うがごとく黄金化してましたが(公式の呼び名は無いものの、チャプタータイトルから黄金の使者との俗称が)「スーパープリキュア登場」と公式の上で売りの一つになったのがこの作品から。

 

ラクルライトはまだ無い時代ですので、ゲストキャラの力を受けての変身。ここがちょっと、他者の力を借りてパワーアップしたみたいに見えて、若干とってつけた感は否めなかったりもするのですが、ブラックホワイトと違ってその後にルミナスは自力でスーパー化。ルミナスやれば出来る子!

 

しかもただのカラーバリエーションとは言え、映画限定のおもちゃも出たシャイニエールバトンも登場。おもちゃ屋めぐりとかしてるとたまにシャイニエールバトンも見かけますが「15年も経って日焼けで色あせてしまったハーティエルバトン」に見えてしまうのが難点。

 

そんな力を与えてくれるのがゲストキャラのひなたであり鳳凰

 

ん?「AI手塚治虫」とかが世間を賑わす昨今。
こ、これはもしや鳳凰と言えば!?・・・そう、「雪空のともだち」は表向きの題で本当はこれ「火の鳥 プリキュア編」が裏テーマだったんですよぉおっ!
とかいうオチ。

 


・・・絶対違うな。

 

 

さて、「ふたりはプリキュア総集編」買ってくるかな。


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