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映画 Yes!プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ♪

映画Yes!プリキュア5GoGo!お菓子の国のハッピーバースディ♪【初回限定版】 [DVD]

監督:長峯達也 脚本:成田良美
日本映画 2008年
☆☆

 

プリキュア映画5作目。TVシリーズ5作目「Yes!プリキュア5GoGo!」の秋映画。冒頭に5分程度の「ちょ~短編プリキュアオールスターズGoGoドリームライブ!」がつきます。オールスターズに関してはこれの次の「オールスターズDX」の時に書こうかな。監督・脚本に関しては前作と同じ布陣。

 

無印「5」から「5GoGo」になって何が変わったかと言えば、衣装は勿論、追加戦士ポジションとしてミルキィローズが登場。

 

せっかくなので「シャイニールミナスミルキィローズプリキュアじゃない問題」についてちょっと語っておきましょう。あまり詳しくない方の為に説明しておくと、この問題は定期的に話題になるネタなのです。

 

確か初代~5までの鷲尾プロデュサーが発言した言葉なのですが、プリキュア大投票でもゲストのゆかながシャイニールミナスプリキュアじゃないんですよ、ってコメントを番組中にサラっとしたものの、進行がわちゃわちゃした流れになってしまってて、そこ話広げられずに終わってました。

 

勿論、ルミナスとローズは「キュア○○」っていう名前じゃないからプリキュアの仲間外れにしようとか、そういうのではないのです。

 

前回の「鏡の国の大冒険」の時にも触れましたが、同じ東映自社コンテンツの「セーラームーン」とプリキュアは変身ヒロイン物としては同じジャンルですが、また違うカラーを出すべく、それとの差別化というのを意識して作られています。セーラームーンの変身するヒロイン達は、設定上は前世から運命づけられた選ばれた人間なんですね。普通の高校生中学生だけど、前世ではお姫様だった、或いはお姫様を守護する戦士だった、みたいな設定になっています。

 

私もセーラームーンは詳しくないのですが、丁度良く「山田玲司ヤングサンデー」で先日セーラームーン特集やってて、とても面白かったので良かったらそちらもご覧下さい。社会的背景ありきで、何故そういう設定になっているのを面白く語ってます。


「セーラームーンは何から生まれ、何と戦っていたのか?」漫画版セーラームーン徹底解


で、肝心のプリキュアですが、セーラームーンとの差別化で、プリキュアは特別な運命だの前世だのもっていない普通の女の子が変身して戦う話にしたかったという意図があります。もしかしたらあなたもプリキュアになれるかもね、と視聴者に夢を持たせる作りになっているわけです。


夢なら別に「実はあなたの前世はお姫様だったのよ」と「たまたま選ばれた」とでは言う程に差は無いとも思うのですが、山田玲司が言うように、前世とか言い出すのはあの時代だったからこそ。過去の栄華に想いを馳せるという面と、悪く言えば前世とか、ある意味オカルテックなものスピリチュアルなものがまだ信じられていた時代だからこそああいう設定が生まれているわけです。


プリキュアの作り手はそういうのじゃなく、何かの力や運命に頼るよりも、自分の力で凛々しく立つ事、自分の知恵や勇気で困難に立ち向かう子供達であってほしいとの思いから、「選ばれた人間」ではなく「普通の女の子」がプリキュアになる、という意図が込められています。

 

だから、本来は光の園の女王の命という複雑な背景を持つシャイニールミナスと、別世界の妖精で青いバラの力を宿して変身するミルキィローズは、いわば普通の女の子ではない特殊な出自を持つキャラクターなので、「キュアルミナス」や「キュアローズ」でもなく、プリキュアとはまた別の特別な存在として定義づけられていて、「プリキュアオールスターズ」とかでは商業上の理由からひとくくりにされて入ってますが、正確にはプリキュアじゃないのです。多分、ゆかなさんもそういった事を説明しようとしたのではないかなと思われます。

 

で、それはあくまでこの最初の5年間の話。6年目からプロデューサーが変わって、またその辺りの定義が変わります。じゃあ異世界出身だとプリキュアになれないの?逆に、自分は「普通」じゃないからプリキュアにはなれない、そう受け取られかねません。なので次回作の「フレッシュプリキュア」からは、例え出自が他人と違っていても「女の子なら誰だってプリキュアになれる」になります。更にもっと後には男の子だって、お母さんだってお父さんだっておばあさんだって、例え敵だってその心があればプリキュアになれる、という多様性にまで至るわけです。

 

一貫性が無いと批判するのは簡単ですが、いつまでも昔と同じままで居ないで時代に合わせて価値観をアップデートさせていく、というのがプリキュアの面白さでもあり、シリーズを続けられている秘訣でもあり、15年もの積み重ねと更新の歴史なのです。


「ルミナスとローズはプリキュアじゃない問答」って一見滑稽に見えて、実はそういうプリキュアの根幹にも関わっている面白い問題だったりします。

 

ネットでその問題見るたびに、これ説明したかったんですけど、すぐに流れちゃうログとかに書いても無駄もいいとこですし、こうやって残しておけるブログに書けてちょっとスッキリしました。映画の話の前にミルキィローズの話でした。

 

という事で映画の話に移りますが、ぶっちゃけ前作と比べると、そんなに書くこと無いかも。前置きがやたら長いのはOPが流れるまでやたら尺のあるこの映画も同じなので、そのオマージュだと思って下さい(いつもじゃねーか)


要約するとおかしは一人で食べるより皆と一緒に食べた方がおいしいよ、というお話。すごく成田良美脚本っぽい感じです。

 

2020年現在、この後のシリーズTV映画問わず、プリキュア唯一のキスシーンがあるのがこちらの映画。(一応北上ふたごの漫画版でものぞみとココのキスシーンはありますが)愛し合う二人が・・・みたいなロマンチックなシーンじゃないのがちょっと切ない。眠れるお姫様を王子様のキスで目覚めさせる、という話を序盤で振っておいて、そうはならずに逆のシチュエーション、運命の王子様に覚醒させてもらうのではなく、自分が大切な人を守るために、というある意味プリキュアらしい、プリキュアならではのシーンになっているじゃないかと思います。

 

TVシリーズでは1年目の無印「5」で結構ドキドキの恋愛要素強めだったのですが、行きすぎるのも良くないし、リアルな恋愛とかを子供たちが見たいわけではなさそうという事で、2年目の「5GoGo」ではその要素が薄まってしまっているのですが、映画の別枠でその集大成を特殊な形でねじこんだ、という所でしょうか。

 

恋愛要素に関しては「プリキュアシンドローム」という結構分厚い本がありまして、プリキュア5の色々な分野のスタッフのインタビュー集なのですが、「5」だけでなくともプリキュアファンなら必読の面白い本です。

プリキュア シンドローム!〈プリキュア5〉の魂を生んだ25人【描き下ろしポストカード3枚付き】

女の子向けの作品なんだし、先生とのロマンスとか定番でいいよねって人と、リアルに考えたら中学生と先生の恋愛って問題あるんじゃね?と人によって意見が二分しててちょっと笑えます。

 

ラクルライトの力でスーパープリキュア、シャイニングドリームに変身、映画限定スターライトフルーレでプリキュアには珍しい剣劇がありつつ、黒幕のムシバーンをスターライトソリューションで撃破。勝利の微笑みでなく、ちょっと物悲しい表情を見せるのも割とよく語られる部分です。

 

のぞみの誕生日でしたので、バースデーケーキでお祝い。(あっ、ブンビーさんの事語り忘れた。TVの敵が映画に出るって珍しいのよ)そこで問題が・・・流れるエンディングテーマが「Birthday Party」

 

高橋ジョージ作曲で歌うは三船美佳。歳の差婚とか言われて、その後もおしどり夫婦的な感じで最初はTV出てましたが(これもその頃です)後に泥沼裁判のはてに離婚。そんな後の経緯を知っていると、いや~何とも微妙な気持ちになります。作品とその人物像とかは別に考えるべし、っていうのはわかるんですけどね、子供に夢を与える作品でそういうのはちょっと嫌な気分にさせられます。

 

うん、そりゃあフレッシュのmktnの両親も離婚してるとか当り前ですわ。
とか変なオチがついた所で次回は遂にオールスターズです。みてみてみてね!


映画 yes! プリキュア5GoGo! お菓子の国のハッピーバースディ OP

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