僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

スパイダーゲドン

スパイダーゲドン (MARVEL)

著:クリストス・ゲイジ、ダン・スロット(ライター)
 クレイトン・クライン、ホルヘ・モリーナ、カルロ・バーベリ
 トッド・ナウック、ステファノ・カッセリ、ジョーイ・バスケス(アーティスト)
訳:秋友克也
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2021年
収録:SPIDER-GEDON #0-5(2018-19)
☆☆☆☆★

 

多元宇宙から再び集ったスパイダーアーミーは最終戦争に挑む!
スパイダーゲドン到来!
あの『スパイダーバース』の続編がついに登場!

多元宇宙を巡り、スパイダートーテムの力を受け継ぐ者達を喰らってきた吸血鬼「インヘリターズ」が復活した。この危機に再び集うスパイダーアーミーだったが、敵の処遇を巡り、マイルス・モラレス率いる一派と、スーペリア・スパイダーマンことオットー・オクタビアスの一派に分裂してしまう。仲間割れをおこした彼らに勝算はあるのか、そして、スパイダーアーミーの勝利の鍵とは……あの大剣!?ベストセラー「スパイダーバース」の続編がついに登場!


という事でスパイダーゲドン。勿論3冊セット版を買いました。
小プロの独占契約のおかげでヴィレッジは増刷がかけられなくなるそうなので今後出る奴は初版が全て、確保しておくのが吉。つっても邦訳アメコミなんてヒットして無い奴は大概が初版=絶版のはずなのでこれまでも似たような部分はありましたけれども。

 

「スパイダーバース」で決着をつけたはずの宿敵インヘリターズが復活、再び異世界スパイダーマンが集結して、その野望を食い止める。という話なのですが、今回はオリジナルスパイダーマンことアース616版ピーター・パーカーは脇に回ってほとんど出ません。マイルス君とスーペリアスパイダーマンことDr.オクトパスことオットー・オクタビアスの二人が中心。

スーペリアスパイダーマンも今はスーペリアオクトパスに名前が変わってたのね。8本足って部分ではクモもタコも共通モチーフなのかと今更ながらに気付きました。いやドクオク出てから何十年経ってるんだよって話ですけども。ただ今回はスパイダーゲドンという作品に合わせてか、途中からスーペリアスパイダーマンに戻すのですが。

 

あとは0話のプロローグが異世界スパイダーマンから始まりますが、解説読んだらこれ大ヒットしたPS4のゲーム版スパイダーマンだったのね。ちゃんと今を取り入れてるし、ゲームファンはこれ嬉しいでしょうね。同じく解説を読むと、権利的なものもあってか、大っぴらにはなってない感じですが、数ある中でちゃんとMCU版スパイダーマンもまぎれてたっぽいです。

 

アニメ映画版の「スパイダーバース」と違って、原作の方の前作スパイダーバースはインヘリターズの唐突な設定とかもあって、話自体は正直そんなに面白くもなかったというのが個人的な感想ですが、今回は意外と話がシンプルなのもあって、マイルス君とスーペリアの個性が上手く生かされてて非常に面白く読めました。

 

数ある異世界からの召喚スパイダーマンの中で、ドック・オックが女性で且つ正義に目覚めたバージョンのオクタビアというのが出ていて、あなた別にスパイダーマンではなくない?という気もしないではないですが、優秀な科学者でスーペリアの右腕として活躍してくれるのがちょっと面白かった。

 

そして何より今回は日本のファンには嬉しい東映版の存在感が大きいのが嬉しい所。山城拓也というよりは、まあいかにレオパルドンの存在が大きいかっていう所ではありますが、スパイダーバースではややネタ的に消化された感もあったレオパルドンが今回はスパイダーアーミーの移動基地として使われるだけでなく、必殺技のソードビッカーがスパイダーアーミーの最大戦力的なものとして扱われてるのが嬉しい。

 

インヘリターズがソードビッカーを警戒して奇襲をかけてくるも
「恐れるべきは他にもいるぞ、この俺…地獄よりの使者がな!悪党め、この仇名の意味を思い知るがいい!」
と啖呵を切ってくれる辺りは最高でした。

 

前作が目新しさ、斬新さが大きい作品だったとして、今回は続編としての新しさは無くなったけど、よりキャラクターの掘り下げがなされている感じがして、面白い話として読めました。

 

ヴィランからの更生組みと、純粋に正義のスパイダーマン組とでは意見が対立したりするわけですが、逆にそんな中で、スパイダーマンとは何ぞや?みたいな所が浮き彫りになってくる辺りが面白いし、元ヴィラン組もノーマン・オズボーン版のみ離脱しちゃうものの、他のキャラはやっぱり結局悪党でした、とはならずに、スパイダーマンのあるべき姿とかに話をもってくるのが凄く良い。

 

映画は面白かったけど、原作は私にはちょっと微妙だったなぁ、とか思いながら今回のスパイダーゲドンに挑んだのもあってか、予想してたよりずっと面白くて満足度は非常に高いです。

 

つーか「ゲドン」って何だ?と思ってたら、最終戦争=アルマゲドンに倣ってのスパイダーマンバージョンだからスパイダーゲドンなのね。え~何それ?そんなジョークみたいなのでいいのかと思うけど、そういう軽口もまたスパイダーマンらしさよね。

 

という事で次は2冊目の前日譚「エッジオ・オブ・スパイダーゲドン」を読みたいと思います。

 

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