MOBILE SUIT GUNDAM AGE -Second Evolution-
漫画:ばう
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全2巻 2012年
☆★
「フリット編」に続き「アセム編」コミカライズ版。
ガンダムエースかと思ってたらニュータイプエースの方での連載でした。ガンダムエースの方は3部の「キオ編」がこの人で継続してやってたので勘違いしてました。
美樹本マクロスとか連載してたやつでしたっけ?そっちは買ってない。というか美樹本は「エコール」完結させてよ。最終決戦くらいまでやってたはずなのに。
アニメの方も学校の話が割と長かったんでしたっけ?何と1巻目はまるっと学校の話。ここが正直つまんなかったんですよね。キャラクターに感情移入させやすくする為に、という意図はわからなくもないのですが、だったら脇をこんな雑に扱わないよなぁと。
ただ、そのおかげかゼハートは割と面白いキャラクターになってて、いわゆるガンダムお約束の仮面のライバルキャラが最初に素顔の方で出ていて、仮面をつける事で本心を隠す、という逆転の形になってる辺りが結構面白い。
ガンダムの仮面キャラって、あれは正体を隠してるんじゃなくて、本心を隠しているという意味があって、何かの時に仮面がとれて、その時にやっと本音が見えると言う演出に使われます。なので、ゼハートが仮面をつけている時は、必死になって強がって虚勢を張っている、みたいな意味になるので、なんだかとても可愛く見えて来ます。
で、逆にアセムはボンボンでガンダムも与えられて将来を約束されたサラブレッドに見えて、実はコンプレックスだった、というのがアセム編後半の面白さ。良い血筋に思えて、Xラウンダー適正が全く無いという設定は捻りがあって面白いと思います。
ここは世代間の引き継ぎ、1部主人公の息子というのが上手く生きた設定だと思う。スーパーパイロットとか言い出すのはどうかとは思うけど。
ただ逆にその引き継ぎ要素が最低な部分もあって、ヒロインのあまりにもな扱い。2部のロマリーだけじゃないですよ、1部のエミリーもそう。もう単純にヒロインを主人公の子供を産む為の道具にしか思えない作りにしてあるのは見てて本当に最低だと感じます。
あと、コミカライズで言っても仕方ない部分ですが、アセムの声を2部と3部で替えちゃったのもどうかと。声優の力を信じてやれよと思う。フリットくらいならまだおじいちゃん時代の演じ方もあるし、ナレーションが実はフリット本人だった的なサプライズもあって悪くは無いと思うけど、アセムはなぁ・・・。
1部からの引き継ぎでウルフさんとデシルの扱いもどうかと思うし、「世代間引き継ぎ」というAGEの特徴が生きる部分がある半面、逆に雑な部分もちょっとしたノイズレベルじゃなく、良さをマイナスしてしまうくらいダメだったりして、そこはいかがなものかとやっぱり思ってしまいます。
2部からだと、3部で命がけで大金星を上げるオブライトさんとか割と好きなんですが。コミカライズだとセリフ一つあったか?くらいしか出てませんし。
後半、いくばくか絵も進歩してなくもないような気はしますが(気のせいレベルかも)、ぽやぽや~っとした感じの絵も結構読んでてキツイ。
こうして短縮されたコミカライズの形で読むと、全体的な構成とかは結構上手く出来てるんだなと思ったりはするのですが、机上の空論というか、理屈では面白く出来てると思うし、そう言う部分は決して悪くないんだけど、生の部分が全然生かされてこない感じがして、凄くそこがAGE的だなぁと思ってしまいます。
逆に富野の「Gレコ」なんかは生の部分は最高に面白いのですが、全体的な構成とかが上手く作れて無くて、面白さとしてはどちらかだけが秀でていてもダメで、両方が上手く噛み合った時に本当に面白いものになるんだなと改めて感じます。
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