僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダムAGE トレジャースター

機動戦士ガンダムAGE トレジャースター 1 (てんとう虫コロコロコミックス)

GUNDAM AGE TREASURE STAR
著:吉田正紀
刊:小学館 コロコロコミックス 2012(連載2011-12)全2巻
☆★

 

アニメ1部フリット編と同じ時代。リュウジ・ダイキが宇宙船トレジャースター号で父の遺産であるAGE-1で大いなる翼を探す旅に出るガンダムAGE外伝。

 

コロコロコミックでの連載という事で、当然ながらジャリ漫画スタイル。詳しくは後ほど触れますが、アニメ主人公フリットとかも登場しつつも、設定があまりにも本編とはかけ離れたトンデモ話なので、とてもじゃないけどアニメ本編に付随するサイドストーリー的な感じでは無いです。

 

メディアミックスとしてコロコロコミックガンダムをやる、という所だけが重要な作品です。そう、ガンダムと言えば本来はコロコロじゃなくてボンボンでした。この頃はもうボンボン廃刊してたんだっけかな?

 

メインユーザーの年齢層が上がり続けるガンダムというコンテンツを子供にも浸透させてユーザー層を広げるというのが「AGE」の根本にあってそこがレベルファイブの日野にガンダムを預けた一番の理由でもあるので、じゃあやっぱりジャリ文化のど真ん中にあるコロコロにもガンダム載せなきゃ!と元からレベルファイブと繋がりの強いコロコロに、恐らくは強引にねじ込んだものと思われます。

 

いやまあ強引かどうかはわかんないか。確かSDガンダム全盛期はちょっとだけボンボンがコロコロの発行部数を抜いた事があったんでしたっけ?(曖昧な記憶でソースはありません)基本的にはコロコロ側からしてみたら、ボンボンは一応のライバル誌ではありつつもあくまで自分達が王道のど真ん中、ボンボンは常に二番手の位置でしかないだろう、みたいな認識だったんじゃないかなぁと思います。

 

ええ、私も皆がコロコロ買ってる中で、ガンダムのおかげでボンボン派でした。コロコロなんてあんな通俗的な物に自分は乗らないぜ!みたいなひねくれた子供でマイナー層なりのプライドを持ってた気がします。今考えると凄くどうでもいい事ですが。

 

でも「プラモ狂四朗」が人気の時期は、コロコロ系列でもプラモ漫画があってそっちは「マクロス」使ってたり、SDガンダム全盛期だと、コロコロは「魔神英雄伝ワタル」とかを扱ってたりはしたわけですよね。そういう意味では少なからずボンボンの読者層も可能であればコロコロ側でも取り込んでしまおうという部分は多少なりともあったのではないかなと思います。

 

そこ考えると、もう「ダンボール戦記」があるから実際はいらないけど、ガンダムも子供には人気無いものの知名度はあるから少しくらいなら載せてやってもいいよ、付き合いもあるしね、くらいの感覚はあったのかなとは思う。凄い上から目線ですが、私の中のコロコロとかそういうイメージなので、あくまで勝手な想像です。

 

で、小学館でもガンダム扱えるようにして、その結果として「サンダーボルト」なんかも生まれるわけですから、このコミックそのものの価値はさておき、決して無駄な事では無かったと思います。トレジャースター自体は露骨に打ち切りっぽい最後になってますけども。

 

あ、小学館ガンダムと言えば「サンダーボルト」だけじゃなく「アグレッサー」も割と私は頑張ってて好きなのですが、作者の万丈先生が大病が発覚されてとても大変な状態になってしまっています。回復を願うと共に、時間かかっても良いですのでアグレッサーのクライマックスと完結を心より応援してます。

 

とまあ「トレジャースター」作品の内容の前に、そういう小学館ガンダムという背景そのものが結構面白かったりします。

 

あとはガンダムとジャリ漫画の系譜ですよね。ガンダムのコミカライズはファーストの岡崎優版がおそらく一番最初で、その後に近藤和久の「MS戦記」があって、そこからこれボンボンに乗せるって色々凄いぞ?な「Z」がガンダム漫画の初期の流れかと思います。MS戦記の当時の記憶は無いのですが、ボンボンZはリアルタイムで読んでて、凄く大人な世界だなぁと子供ながらに思ってました。

 

次の「ZZ」は行きすぎた近藤Zと違って、割と普通になりましたが(面白くは無い)子供向けに大幅なアレンジを加えるというのが「V」からです。ガンダムに必殺技を叫ばせて、ガンダムをジャリ漫画としてモビルスーツのバトル物に描こうとしたのがVガンのコミカライズ。

 

「トレジャースター」はそのVガンコミカライズの系譜です。漫画版としてTVアニメとは違う主人公を置いて、完全に子供目線にして、ガンダムっていうのはカッコいいモビルスーツでそれがバトルしていく話なんですよ、という形。

 

まず1巻目、普通の小学生(ギャグ補正で体が頑丈とか言う設定にはなってますが)が、父親の遺産であるAGE-1を見つけて、行方をくらました父親を探す冒険に出る。

 

え?AGE-1ってフリットが作ったのに、何故同じタイミングで同型があるの?しかも6年前に父親が完成させていたってフリットより早くね?プロトタイプとか兄弟機にしても設定があからさまにおかしい。見た目だけ同じで中身は別物のただのハリボテかなと思ったら、たまたま遭遇したフリットに、理由はわからないけどあれは本物のガンダムだとか言わせちゃうし、これ何なの?こんなジャリ漫画の設定をマジに考えんなよ、理由なんてねーよで納得しろ系?

 

トレジャースターに合流して1巻は仲間の紹介編みたいな感じで、ジェノアス、Gエグゼス、ジラ、デスペラードとアニメ1部で登場したMSのゴテゴテしたカスタム系が登場。何故か通常兵器でヴェイガンも倒せる。う~ん、まあこういうのなんだろうと思うしかない。

 

とか思ってた所で2巻目。失踪した父親が探していた「大いなる翼」にたどり着く。大いなる翼はタイムマシンでした。えええええええええ~っ!?


トンデモ系な1巻だなと思ってた所に、それ以上のもっとトンデモをブチこんで来た。ガンダムでタイムマシンて。

 

まあそれがアリなのかどうかはさておくとして、それがあったから過去の世界に遡ってAGE-1を作れたのね。いやもうそんなのあったら天使の落日とか悲劇を防げるんじゃないの?とかザル設定も良いとこなんですけど、何だかんだあった後に主人公は未来へ。今度はそこでキオと出会ったり(物語にはさほど絡まないけど)世代間の引き継ぎとか「AGE」らしさをなんとか取り込もうとする努力。


でもそこでタイムマシンとか使っちゃう安易さとか、頑張ってるんだかテキトーなんだかよくわからない感じがある意味面白いです。

 

これまではノーマル状態から追加装備もなく、ただひたすらビームサーベルで「スタースラッシュ!」とかを延々と繰り返してきた後に、やっとウェア換装も登場。何故かわからんAGEビルダー形のカプセルに入るとAGE-1フェニックスウェアへ。

 

キオ編の時代に行くと、今度はMSバトルのトーナメント大会。さあ、これからは未知なる強豪MSとのバトルが本格化!・・・するかと思いきや、恐らくは打ち切り決定で身内と決勝戦だけやって終了。

 

これといって立体化される事も無く、本編に組み込むには設定にも無理がありすぎてこの漫画単行本意外には特に展開も無いでしょう。シリーズとしてのAGEも壊滅的に人気の出なかった作品なので、おそらく再評価の機会ももう無い黒歴史の一編以上の価値は無い作品かと思いますが、商業誌ベースで展開してる以上、何かしら名前くらいは残り続けるのがガンダムと言うもの。

 

そこらへんの部分と、先に少し触れましたが「ガンダムとジャリ漫画」という視点での歴史的価値(なんたってあの「コロコロ」での連載ですしね)という所ではとても興味深い作品ではないかなと思います。

 

というか女の子を罵倒する言葉で(本気でのじゃなく照れ隠しですが)「ペチャパイ」って言ってるのが実は私はこの漫画で一番響いた部分。え~っ?ペチャパイって言葉を多分30年ぶりとかそれ以上ぶりに見た。

 

初めて聞いた言葉では無いし、昔は確かにそんな言葉あったと思うのですが、ニュアンスはわかるし、「ションベン臭いガキが」みたいなのと同義語ですよね?こういう言葉を今でもジャリ漫画で使ってるんだな、という発見と、それは特に規制対象とかにはならないコロコロとサンライズのチェックと作者のモラル。作中で子供が子供に言ってるので、そこまで倫理観的にどうこう言うレベルではないのですが、色々とその背景にあるものを読みとると面白いです。

 

あと、1巻だとガンダムではお馴染みの「原作:矢立肇 富野由悠季」のクレジットが無いのに2巻には入ってたり(私が持ってる1巻は初版です。2刷があるのかは知りませんが)、漫画作品としてはさほど面白いものとは言えませんが、商品として?作品の経緯として?色々と興味深いものではありました。

 

そんな感じで次は同じく外伝作品の「追憶のシド」を読もうかな。

機動戦士ガンダムAGEトレジャースター 第2巻 (てんとう虫コロコロコミックス)

 

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