映画『ザ・ハント』日本版予告編<10月30日(金)日本公開>
原題:THE HUNT
監督:クレイグ・ゾベル
アメリカ映画 2020
☆☆★
<ストーリー>
広大な森の中で目を覚ました12人の男女。そこがどこなのか、どうやってそこに来たのか、誰にもわからない。目の前には巨大な木箱があり、中には1匹のブタと多数の武器が収められている。すると突然、周囲に銃声が鳴り響く。何者かに命を狙われることがわかった彼らは、目の前の武器を手に取り、逃げ惑う。やがて彼らは、ネット上の噂に過ぎないと思われていた、セレブが娯楽目的で一般市民を狩る「マナーゲート」と呼ばれる“人間狩り計画”が実在することを知る。絶望的な状況の中、狩られる側の人間であるクリステルが思わぬ反撃に出たことで、事態は予想外の方向へと動き始める。そして次第にマナーゲートの全容が明らかになり……。
ドナルド・トランプが批判して、一度は全米公開中止に追い込まれたとの話がある不適切映画。富裕層が貧困層を遊びで人間狩りをするという、所謂マンハント映画。
おそらくは悪趣味映画の部類だろうなとは思いつつ、社会風刺としてこういう題材を描いているという所にちょっと惹かれて見て来ました。
ドラマ版「ウォッチメン」のデイモン・リンデロフが脚本をやってるというのも気になった部分です。
う~ん、確かに社会風刺ではあるものの、基本的には人体破壊とかデスゲームの悪趣味部分を面白おかしくやっている部分の方が大きかったかな?正直、私のあまり好きでは無い部類の成分の方が多かった。
何と無く「グリーン・インフェルノ」とかに近い印象かも。いや、悪趣味映画は好きじゃないとか言う割に何でグリーンインフェルノ見てんだよお前って感じですが。好きではないけど、映画秘宝とかああいうので話題にされると、じゃあ一応見ておくか、みたいになっちゃうのよ。苦手すぎて見てられないって程では無いので。
基本、悪役側として出てくるヒラリー・スワンク以外は有名な人出て無いので、ああ、この人が主人公なのかな?とか思ってたら次の瞬間に頭がふっとぶとかそんな前半は割と面白い。
基本的には陰謀論の話で、デスゲーム物だと割とありがちではありますが、金持ってる大富豪が、治外法権で人の命を弄ぶような悪い事を裏でやっている、みたいなのを映画で具現化しましたという話。
「マクガイヤーチャンネル」でも言ってたんですけど、アメリカではピザ屋の地下に人間を監禁しているみたいな都市伝説的な噂話があって、それを本気にした人が、そんな非人道的な事が許されるはずが無い!と忍びこんでみたら実際そんなものがあるはずもなく、逆に不法侵入で逮捕されたとかいう話が実際にあったとか。
つーかトランプは何でこんな映画に目くじら立てたのよ?自分の都合の悪い事は全部フェイクニュースだ!って言って逃げるくせに。選挙で負けたのも陰謀論だ!と現実と虚構の区別もつかない人だから、これをリアルな話と思っちゃったんでしょうか。
ただ、こういう現実と虚構の区別がつかないうんぬんで言えば、「言論統制だ!」みたいな奴も、それってどこまでホントかな?映画「新聞記者」でも政府がSNSとかに介入してうんぬんとか、これ実際どうなんだろうね?なんて思って見てたら、いやホントにやってんじゃねーか!みたいなは今年散々見てきたので、陰謀論信じちゃうのもわかんなくもねーな、と思ってたりはします。
何度か出てくる「服を着た豚」であるとか、ウサギとカメの話で、ゴールにたどり着いたのはカメだけど、その後の続きがあるんだよね、的な所も色々と示唆というか含みがあってそこも掘り下げると面白い部分なんだろうと思う。
ただそこは他人におまかせします。グロなんだかアクションなんだか、割ととっちらけな感じで、気持ち的にはほとんど乗れなかったので、私はいいや。
それより聞いて下さい!
私が見てきた時は、観客が7~8人くらいだったかな?その中に、初老のご夫婦みたいな方がおられたのです。え?こんな悪趣味映画を夫婦で見に来るのか?もしかして作品間違えて無い?それとももっと真面目な社会性のある映画だと思っちゃったのかな?とちょっと心配になってしまいました。
で、私も映画を観終わってみると・・・あのGS売店の老夫婦みたいじゃねーか!と、ヒヤヒヤしてしまった。ニヤリと後ろを振り向いて、こっちが殺されるんじゃないかとドキドキしてしまいました。その体験こそが一番のホラーだったというオチ。(失礼極まりない)
関連記事