僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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Ms.マーベル:シビル・ウォー

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MS.MARVEL:CIVIL WAR
著:ブライアン・リード(ライター)
 ロベルト・デ・ラ・トーレ、マイク・ウィーリンゴ、ジュゼッペ・カムンコリ(アーティスト)
訳:御代しおり
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2017年
収録:MS.MARVEL v2 #6-10(2006-7)  MS.MARVEL SPECIAL #1(2007)
☆☆☆

 

アイアンマン率いる超人登録法賛成派の
中核を担うMs.マーベル。
軍人でもある彼女は、自分に与えられた命令の
速やかなる推敲を第一に考えてきた。

その点においては、今回のシビル・ウォーも
これまでの戦いと何ら変わるはずがない
……そう思っていた。

しかし、かつての戦友を狩り、
無垢なる若手を欺く毎日に、
彼女の信念は揺らぎ始める。

自分は何をやっているのか?

そんな時、彼女の決意を
さらに揺るがす事態が…。

マーベル最強のヒロインである
Ms.マーベルの苦悩の日々を綴った異色作。

君はどちらに付く?


という事でキャプテン・マーベルついでにこちらも。
通販限定発売の、シビルウォー・タイイン誌全冊邦訳物の1冊。2006年のシビルウォーなので、この時点ではまだキャロルがミズ・マーベル時代だった時の奴です(当然カマラちゃんはデビュー前)

 

キャプテン・マーベル」の時にも書きましたが、その昔光文社からミズ・マーベルの単行本が1冊出てます。解説書でもそこに触れてて、40年ぶりのミズ・マーベル刊行というのがよくよく考えるとやっぱり凄いです。

 

因みにこれ、1冊の単行本としては「シビル・ウォー」として原書でも出てるようですが、正式には#6-8のみがイベントタイイン。#9-10と次のワンショットは通常の個人誌の流れという感じのようです。

 

まずは#6-8
賛成派のアイアンマン陣営についたキャロルは、トニーの右腕的存在として、ワンダーマン/サイモン・ウィリアムスらと共に非登録ヒーローの逮捕任務に就く。まずはプラウラーを確保。市民を助けるヒーローを逮捕するのかと当人から非難を浴びるも、法を守るのがヒーローであると、自分の信念を貫く。

 

次の確保目標はアラーナ/アーニャ・コラソン。未成年で、登録など自分とは関係が無いと思っていたものの、いざこざから親へ隠していた自分の能力も知られてしまい、親とキャロルに説得され、登録し、その能力を訓練する事に同意する。

 

しかし、同じ賛成派でチームを組んでいたアラクネ(2代目スパイダーウーマン/ジュリア・カーペンター)が反対派のスパイであった事が発覚。カナダへの亡命を企てていたアラクネだったが、娘を置いてはいけないと、家に戻った所をキャロルは逮捕。ヒーローであったお母さんを子供の目の前で逮捕する事になり、親子を引き裂く自分の行動に信念が揺らいで行く・・・。

 

と、非常にシリアス。メインのイベントストーリーに直接繋がるものではないものの、テーマ的にシビル・ウォーの異常さを突き付けてくるまさにタイ・イン誌らしい面白いお話でした。

 

プラウラーもそうですし、2代目スパイダーウーマンだったアラクネ(シークレット・ウォーズに参加してたのはこの人だったのね)、そしてアラーナも教科外骨格スーツを纏ったスパイダーマンというキャラのようで、やたらスパイダーマン関連のマイナーキャラが出てくる所は見所。

 

そして今回の話でキャロルとやたら親密な関係になっていくワンダーマンですが、解説を読むと、今後のストーリーにはそれ以上広がらなかったそうで、そこはちょっと可哀相。ライターが変わると関係性も変化しちゃうのはアメコミあるあるなので、まさにそんな感じのお手本みたいなとこかも。

 


そして#9-10
#8のラストで登場した、キャロルと因縁深いローグとの話。シビル・ウォーとは一切関係ない感じになっちゃいますが、あえて言うなら、自分と向き合う中で、その延長としてキャロルにとって最大の因縁の相手とも言えるローグと向き合う必要性も出てきた、みたいな感じでしょうか。

 

ローグ本人よりも、ローグを許せなかったもう一人の別時間軸の自分と向き合う、というミズ・マーベル対ウォーバードの形になる。

 

でもってワンショットスペシャル編。
こちらではミズ・マーベル対バイナリーの話。

 

ミズ・マーベル→ ウォーバード→ バイナリー→ ミズ・マーベルと時期によって名前を変えてきたキャロルの総決算みたいな感じか?でもってそこから後にはキャプテンマーベルへと至ると。

 

キャプテン・マーベル」の歴史解説で書いてあったキャロルが半自伝的小説「バイナリー」を出版していたという流れはこの話が初出のようです。


ストーリーテラー」という現実改変能力キャラもなかなかに強烈。

 

と言う事で「Ms.マーベル:シビル・ウォー」キャロルの人生の流れを知るには面白い一冊ですし、知らなかったマイナーキャラとかも見れてなかなか楽しめました。

 

シビル・ウォー全訳シリーズ、定期購読だったので全部持ってはいるのですが、読んでない奴結構あります(今回のも初読です)いつかこのブログでも全部取り上げ完了まで行けるでしょうか。

 

君は、どちらだと思う?

 

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