僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

タイタンズ <シーズン1>

タイタンズ 1stシーズン ブルーレイ コンプリート・ボックス(1~11話/2枚組) [Blu-ray]

原題:TAIANS FIRST SEASON
原作:DC COMICS
アメリカ テレビドラマ 2018 全11話
☆☆

 

DCのネット配信オリジナルコンテンツとして制作されたドラマシリーズ。日本展開はしてないので、日本ではネットフリックスで配信されたようです。現在はシーズン2まで配信中でシーズン3の制作も確定済み。まあ私は配信サービスどこにも入って無いのでDVDレンタルでの鑑賞。

 

人気の「アロー・バース」とは別ユニバースで、こっちはここを基点に何作か繋がって行くようです。

 

私はどちらかと言えばマーベル派なので、DCはちょこちょこと読みつつも、そこまでは詳しくないし、ティーン・タイタンズ周りは尚更深くは知りません。


そういう意味では結構新鮮に見れました。流石にロビン関係は多少知識があるので、そこは原作うんぬん考えながら見ましたけど、他のキャラに関しては名前くらいは聞いた事あるかな?ぐらいのキャラが多数ですので、そんなに先入観は無く素直に受け止める感じで。

 

一応、メインビジュアル的にはロビン、レイブン、スターファイヤー、ビーストボーイが4人で並んでる感じなのですが、2話目からホーク&ダブとかガッツリ話に絡んできますし、ドゥームパトロールにワンダーガールに2代目ロビンとか、結構色々なキャラが出て来ます。

 

巨悪を相手に若手ヒーローが集結!タイタンズを結成する!
・・・みたいな話かと思いきや、全くそんな展開にはならなかった。

 

各キャラの紹介的な部分はありつつ、話の中で色々と出会って行き、過去を回想するっぽい流れでオリジンも描かれる、みたいな感じ。

 

海外ドラマですので、クリフハンガー形式で、謎が謎を呼び・・・っていう展開で続いていくのはまあ形式的なものなので仕方ないとは思うのですが、シーズン1の全11話で話が全く解決しないし一段落もしない。

 

最終話エンドクレジット後にスーパーボーイとクリプトンの顔見せがあって、次に続くよ~ってのは別に良いのですが、それぞれが抱えているものを全部ぶん投げたまま終わって、正直何これ?でした。

 

大団円までは望まないから、せめて一区切りぐらいまではやってよ。最近の海外ドラマってこういうのが普通なの?ちょっとイラっと来てしまった。最初から終わりを決めてのリミテッドシリーズとかでないのはわかるけど、問題や謎を抱えている、ぐらいまでの話でほぼほぼ終わっちゃうので、え~何これ?感が強いです。

 

とゆーかメインキャラなのにガーとか何もしてなくない?居るだけキャラでした。ロビンはともかく、レイブン、スターファイヤー、ビーストボーイとか、所謂ヒーロー名はこの時点ではまだ名乗らない。レイブンはあくまでレイチェルと呼ばれるだけで、その出生や能力が少しづつ明かされていく、みたいな形で、それはそれで良いと思うし、いずれヒーロー名を襲名するだろうし、いずれ「タイタンズ」というチーム名がつくのはそこを後の盛り上がりポイントになるだろうからそこは別にいいです。

 

記憶を失っていたコリーが、実は宇宙人で目的はレイチェルを殺す事だった、これから彼女はどういう決断をするのか、ぐらいで終わっちゃうので、う~んホントに序章という感じ。序章だけ見せられて面白かった?と言われてもそりゃあ返答に困ってしまうわけで、シーズン2とか見るのめんどくせーな、と思ってしまう。

1クール分くらいなので短いんですけどね。1シーズン2クール分の24話前後の奴とか凄く手を出しにくいです。今回のタイタンズも短かったから見ておこうかなと思った部分もありますし。

 

面白かったのはロビン周りでしょうか。ロビンが居るって事は当然バットマンも居る世界です。スーパーマンワンダーウーマンも画面にこそ出て来ませんが、設定上としては普通にそういうヒーローがいっぱい居るような世界。

ああ、そういう意味ではアメコミのオンゴーイング誌の仕切り直し部分から読み始めるみたいな感覚ですね。ゼロからスタートじゃなく。

 

ホーク&ダブなんかも、最初は市民がヒーローのコスプレをして悪を裁こうとしたけどそんなに上手く行くはずもなく、捕まっちゃったって事かな?と思いました。そしたら、ロビンと既に面識があって過去にチームを組んでいたらしいというのがわかって、ああこいつらnew52の時にみんな大好きロブ・ライフェルド先生が担当してた「あのホーク&ダブ」本人なのか!と序盤は結構面白かった。(終盤にこの二人のオリジン話がまるっと1話使って描かれるのですが、その話も良かった)

 

で、話をロビンに戻すと、どうやらもうバットマンの元からは離れた状態。しかも初代ロビンのディック・グレイソンなので、そこだけでも結構新鮮なのですが、(私がアメコミ読み始めた頃はもうディックはナイトウイングでしたので)これがちょっと意外な感じで、内なる暴力性に悩まされていると。

 

ロビンのコスチュームを着ると、過剰な暴力を楽しんでいる自分が居て、そこに飲み込まれてしまうのが怖くてロビンになる事を恐れている。

 

え?ディックってこんなキャラでしたっけ?ブルースには無いコミュニケーション能力抜群で、常識人だからバットマンのストッパー的な役も出来るのが私の中のディック・グレイソンでしたので、これまた意外な展開。


後にレッドフードとして復活する2代目ロビンのジェイソン・トッドの暴力性みたいなのも合わせて組み込んであるキャラ作りなのかな?と思ったら・・・今度はジェイソンはジェイソンで本人が別に出てくる。

 

この辺の序盤はメチャメチャ楽しく見れました。ジェイソンも面白いキャラしてましたし、おお~タイタンズ面白いじゃん!って最初は。

 

で、最終話は幻影を見せられるという形で、ディックの心の内にあるバットマンと戦うと。自分の中の葛藤という事でそこはわかるし面白いシーンではある。でも、その後に本当の敵と戦うとかじゃ無く、そのまま終わってしまった。

いやいやいやいや、ラスボス戦が幻影って何よ。拍子抜けしてしまいました。

 

あと、宣伝文句もやたらと「ダークでハード」とか言ってるのですが、私はそのダークでハード路線がそもそも好きじゃなかったりします。ドラマのみならず、DCは映画でも「ダークでハード」って路線をやたら押してきますが、それもういいよっていっつも思う。

 

これ、好みの問題と言えばそうなんですけど、そこはちゃんと理由があって、DC・マーベルに関わらず、アメコミって「ダークエイジ」と呼ばれた時代が少し前にあったんです。「ウォッチメン」のアラン・ムーア、「ダークナイトリターンズ」のフランク・ミラーとかがそれらの作品を発表した後に、こういうダークでシリアスな路線が受けるのか!と業界全体がそっち方向に走りがちな時代になりました。

 

その流れの中で、ちゃんと政治性や根っこにあるヒーローとしての矜持みたいなものもちゃんとあれば良かったんですけど、表層的なダークさやグロテスクさだけを真似して、グリム&グリッティとか呼ばれる、暴力的な作品がもてはやされるようになっちゃった。ハードでリアルでしょ?みたいな。

 

そういうのってメインカルチャーに対するカウンターとしてたまにあるくらいなら面白いんですけど、全部が全部そっち方向に行ってもね、ヒーロー物でそんなのばっか読んでて楽しいか?ってなっちゃう。

 

これ、映画でも同じような構造になっちゃってて、クリストファー・ノーランの「ダークナイト」が超絶大評価されちゃったものだから、DCはそこを追っかけてダークでハードな路線を今でも夢見てるわけですよね。(同年の「アイアンマン」でマーベルが早々にそこから抜け出したので、そことの差別化っていうのもあるかもしれませんが)

 

虚構のヒーローを描く事に対しての躓き、みたいなものがアメリカは9.11であったにせよ、そこから例え虚構であってもヒーローを描くことの意味はちゃんとあるんじゃないか?っていう、ヒーローがヒーローらしい所を堂々と描く、ヒロイックエイジの時代に今は突入してるという感じです。私はやっぱりヒーロー物大好きです。例え現実ではなくとも、目指すべき指針ではあるから。なのでダークエイジをいつまでも引きづってんじゃねーよ、という感覚がすこぶる強いのです。

 

今の所シーズン2はまだレンタル化されてないようですので、もしその時は・・・う~んどうしようか?半端な所で終わって気持ち悪いな~ってのは嫌だけど、シーズン2もどうせ半端で切るんだろうし、ロビン関係は面白いので見たいような気はするけど・・・という感じです。

 

少なくとも、超面白かった!続き見たいからネトフリに入ろう!という気持ちには全くなれませんでした。

 

 


『Titans/タイタンズ』予告編 - Netflix [HD]

関連記事

curez.hatenablog.com