HEARTCATCH PRECURE!
シリーズディレクター:長峯達也
TVアニメ 全49話 2010-11
☆☆☆☆☆
10話毎無料配信4週目。
キュアムーンライト復活、学園祭、最終試練のミラージュプリキュア戦からのスーパシルエットと見所満載。
そして見返してみると、ラストへの布石がこの辺から結構入ってる感じでした。もうメチャメチャ盛り上がってくる所です。
■31話 悲しみの正体! それは、ゆりさんの妖精でした…
デューンの帰還が近い事が示唆され、敵側のパワーアップとしてダークブレスレットが登場。デザトリアンの召喚だけでなく、ここからは3幹部がデザトリアンと一体となって襲いかかってくる。
ちなみにこれ、これまでだとデザトリアンと出陣幹部の二人分のカット割りが必要だったので、そこを一本化したっていう作劇場の都合もあるようです。
そんな砂漠の使途のパワーアップに対抗すべくか、3人の合体技のシャイニングフォルテッシモもここから使用。
ムーンライトは「パートナーの妖精を失った」とここで明かされる。
■32話 イケメンさんと対決? そんなの聞いてないです〜!!
新たな力、ハートキャッチミラージュを手に入れる為、プリキュアパレスへ。ここでようやく謎のイケメンさんの正体も明かされる。
おそらくは後付けと思われるが、1話のダークプリキュア戦はムーンライトがこの試練を受ける直前に襲われた、という流れで、一人で戦っていながらもここまではこれた、という事ですよね。
小説版でもゆりさんは一人で戦う事にこだわる描写が丁寧に描かれますが、そんなゆりの見守る中で、ブロッサムらは3人の力を合わせる事でハートキャッチミラージュを手に入れる、という違いが描かれる。
■33話 キュアムーンライト、ついに復活ですっ!!
ムーンライト復活回。
ゆりさんがおばあちゃんにこころの大樹に行きなさいって言われた時の返事が「はい」ではなく「うん」っていうのが最高にグッと来る部分。
再びコロンと会えるのかもしれないってなった時に、気持ちが過去のゆりさんに戻ってるんだろうな、というのが半分と、そして残り半分は、本当にコロンが復活してるのか?もし復活してたとしても、何と声をかけていいのかっていう不安もあるのかなと。どちらにせよ、今までのゆりさんの見せた事の無い感情が一瞬入る。ここがね、凄く良いんですよ。
そして心の大樹から出てきたコロンと再び再会。が、肉体は既に滅びていて抱きしめる事が出来ないという悲しさ。
誰にも頼らず自分の力で全てを解決できると過信していた過去の自分の愚かさをコロンに打ち明け、贖罪するゆりさん。それは違う、それは君が誰よりもやさしいから一人で背負おうとしたんだ、っていうコロンがね・・・もう涙無くして見れません。
魂だけの存在になっても、再び巡り合えた奇跡。
欠けた心の月が再び満ちる時、遂にキュアムーンライト復活!
ゆりさんの割れた心の種って、ダークプリキュアが拾ってお前は自分の半身だって言ってたので、そっちのイメージが強いけど、多分ゆりさんにとっては欠けた部分、失った部分ってコロンなんですよね。半分とかじゃなくてコロンの部分の方が大きい、そこがゆりさんのやさしさなんじゃないかなぁと私は思うのです。
■34話 すごいパワーです! キュアムーンライト!!
遂に復活したキュアムーンライト。ダークプリキュアとの再戦はまるでテッカマンブレードとテッカマンエビルの戦いが如く凄まじくカッコ良い。しかもダークプリキュアのみならず、一人で3幹部も圧倒。
勝手なイメージですが、石田彰って自分のやったキャラとかにもさほど思い入れが無いイメージ。(アスランはキャラソンとか歌わないでしょって拒否した事とかあったけれども)ただ、仕事としては超絶技巧派で120%の技術で対応する仕事人。何度も言うけどあくまで私の勝手なイメージの話です。
今回のコロンは作品的には重要な役回りなんですけど、2話だけのゲストですから、多分本人はもう憶えてねーだろうな、とか思うんですけど、私は石田彰ベストワークの一つに挙げたいくらいコロンは素晴らしい。
「君は本当に泣き虫だな」と、1話からここまで描写されてきたゆりさんの描写からはわからなかった部分をコロンは知っているという演出が素晴らしい。
■35話 ワクワク学園祭! ファッション部はバタバタです!!
世にも珍しい主役が変身しない回。
復活したばかりのムーンライト強化月間でもあるからなんでしょうけど、まさに「もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな」状態。キャラソンシングル「MOON」も挿入歌として使われ、最高にカッコいい。
学園祭編前編(といっても前日までの準備だけど)で、番君を始めとしてこれまでの生徒のゲストキャラが色々出てくるのがとても楽しい。コメディタッチでコロコロとギャグ顔で表情が変わる準備に追われるつぼみとえりかも非常に可愛い。
■36話 みんなが主役! わたしたちのステージです!!
学園祭編後編。セリフ無しで顔見せだけも多いけど、前回と同じくこれまでのゲストキャラがいっぱい出てきて楽しい。あ、あと和風メイドさんっぽいクラスの方の出し物の服も可愛いです。
そして今回は新顔として軽音部でOP&ED歌手の池田彩と工藤真由がゲスト出演。う~ん、声優としてはとてつもなく棒で流石に演技に違和感はある。いやでもくどまゆ次のスイートではフェアリートーンですからね。しかも一人で8役でファリー回とかも申し分ないですし、やっぱりこういうのは経験がものを言うのでしょう。映画のゲストとかじゃなく、レギュラーって大きい。
で、クライマックスはそんな二人の「HEART GOES ON」
学園祭用にって作られた曲ながら、最初から最終決戦時にも流すつもりで、むしろそっちのイメージ優先で作ったという事ですが、「頼り無い気持ち抱えてここに居るけど後には引けない」とボーカル二人の気持にもリンクさせつつ、史上最弱のプリキュアから始まったつぼみの気持ちともリンクしたりと、解釈の幅がある歌詞が秀逸。
デューンの襲来が近付き、先にデザートデビルが送り込まれる。
基本プリキュアは1話完結で縦軸がメインではないので、こういう、あ!OPに出てたあいつだ!みたいなのも結構面白い演出。
一度は総攻撃で倒すものの、これまでにない強大な力を感じた皆はさらなる力を求めて、プリキュアの最終試練に挑むために再びプリキュアパレスへ。
前回は、先代と戦う試練だったが、その時はチームワークで勝利を得た。しかし今回は、個々の成長が試される試練で、自らの影、ミラージュプリキュアと対峙する事になる。という段階を踏まえた試練というのが上手い展開だなと思う。
で、ここで最初に試練に打ち勝つのがマリンっていうのも凄く良い。学園祭の時のえりかもファッション部のリーダーとして堂々たるものでしたし、えりかのポテンシャルの高さがここでわかる。
過去へのしがらみが強かったゆりさんも苦戦はするものの、ここで最終決戦へ繋がる「憎しみは誰かが歯をくいしばって断ち切らないといけない」だとか、悲しみや弱さや苦しさ、認めたくないダメな自分も全部受け入れる事がプリキュア(というかハートキャッチという作品で)で言う所の「愛」なんだっていうのをここで描いてある。
が!3人が試練を乗り越えても、つぼみだけが未だ戻れず、という劇的な引きで次回へ続く。
再び出現したデザートデビルだったが、先に登場した物よりはるかに強大でブロッサムを待つ3人で何とか食い止めようとするも、強大な力に圧倒される。そこで遂にブロッサムが帰還、4人はスーパーシルエットへ。
そしてここでも最終決戦を待たずに「HEART GOES ON」が挿入歌として流れ、まさしくクライマックスな展開。
ハートキャッチプリキュア、或いはプリキュアシリーズにおける強さとは敵を倒す強大な力ではなく、弱い自分も、過ちも、それを捨て去ってしまうのではなく、それもまた本当の自分だとして認め、受け入れ、そんな自分を愛してあげる事、という主張が素晴らしい。
今の時代も変わって無いと思うんですけど、自己肯定感を得られにくい時代・世の中じゃないですか。だからこそSNSとかで承認欲求を満たそうとしたり、変なインフルエンサーに心酔したりする。
「ハートキャッチプリキュア」が格別社会性の強いテーマを持った作品だ、なんて事は言いませんが、子供達にとって大切な事、伝えたい事をきちんと考えて作ってあるのは確かで、そういう所がこうやって随所に見えてくる、というのはやっぱり面白いなぁと思います。
■39話 えりかピンチ! マリンタクトが奪われました!!
学園祭と最終試練で爆上げされたえりかの株を一気に落とすギャグ回。28話に続いてこちらも伝説的に語られる回ですね。
デザトリアンも居ないのに自分の部屋で変身。散らかった部屋を必殺技で浄化すれば綺麗になるのでは・・・というのと、マリンタクトを美顔ローラー代わりに使うというとんでもなシーンが見られる。
あ、ちなみにおもちゃのタクトは回転部分が結構ガリガリ音がして実際にやるにはちょっと微妙です。
そんなえりか以上にコフレが実質主役回で、セリフがとても多い。
■40話 さよならサソリーナ…砂漠にも咲くこころの花です!
3幹部の一人、サソリーナがここで退場。
え?浄化されてもしかして消えちゃうのか?とちょっとドキドキしてしまうシーンですが、デザトリアンと同じように実は本体が居たという終わり方。
クモジャキーとコブラージャが最後の決戦に挑むサソリーナにダークブレスレットを渡す展開も、何だかんだいって同士としてお互いに特別な存在だったんだな、というのが良いですね。
といった辺りで次は41話からラストまで。
私的にはつぼみがゆりさんを叱咤するとこが一番好きなシーンです。
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