僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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オールニュー・キャプテン・アメリカ:ヒドラの逆襲

オールニュー・キャプテン・アメリカ:ヒドラの逆襲

ALL-NEW CAPTAIN AMERICA VOL.1:HYDRA ASCENDANT
著:リック・リメンダー(作)
 スチュアート・イモネン(画)
訳:ケン・U・クニタ
刊:MARVEL 小学館集英社プロダクション ShoProBooks
アメコミ 2022年
収録:ALL-NEW CAPTAIN AMERICA #1-6(2015)
☆☆☆★

 

新生キャプテン・アメリカことサム・ウィルソンが
ヒドラの陰謀に立ち向かう!!

ヒドラはどこにでもいる。
全てを疑え。誰も信じるな。

シールドが使えなくなってしまったスティーブ・ロジャースは、長年の友人であり、ヒーロー仲間でもあるサム・ウィルソン(ファルコン)にキャプテン・アメリカの職務を譲り渡した。
キャプテン・アメリカとして活動するサムの前に、バロン・ジモが率いる新生ヒドラが立ちはだかる!サムはヒドラを倒し、恐るべき陰謀を食い止めることができるのか!?

 

なんか唐突に出ましたサムキャップ時代の話。ドラマの方の展開を受けての、少し時系列を遡っての邦訳かとは思われますが、邦訳本としての流れは先に「ロードトゥ・シークレットエンパイア」が出てるのでちょっと複雑。

 

「ロードトゥ~」に収録されてるキャプテンアメリカv7誌#25号でサムキャップの初お披露目。そこから直結で今回の「オールニュー・キャプテンアメリカ」誌に続いてサムキャップの初任務の話になる。これが6号までで終了して、この後は「キャプテンアメリカ:サム・ウイルソン」誌にリニューアル。そこの1~6号が未邦訳で、「ロードトゥ~」に収録されてるのが「キャプテン・アメリカ:サム・ウィルソン」誌の7・8号。

 

まあそれだけなら別に良いのですが、「ロードトゥ~」の方だとスティーブとサムにちょっと壁がある関係性になってたんですよね。それは何故かって言うと、その未邦訳部分の「キャプテンアメリカ:サム・ウイルソン」誌の1号に置いてサムが世間に対して、これからは今までよりも積極的に政治介入していく的なスピーチをしたから、そこでスティーブと対立してしまったという事らしい。MCUドラマ版「ファルコン&ウィンターソルジャー」って多分その展開をベースにしてあったんですよね?

 

ええ~っ?そこ読みたいじゃん。私がドラマで一番感動した部分だし。今の所予定には入って無いですが、丁度単行本1冊分だし、今後出る事を望みたい。

 

ただ、今回のも十分に面白くって、ドラマでもあったようにサム・ウィルソンっていうキャラクターを1から掘り下げて描いてあって、ドラマと同じように、そう言えばサムの事は昔からのキャップの相棒って位置付けくらいしか知らないなぁ?という感じでしたので、改めてサムを深堀り出来てとっても面白かった。

 

牧師をしていた父の言葉は、幼い頃のサムにとってはただの理想論としてしか思え無くて、心に響くものでは無かった。後にその父も、そして母も町の犯罪に巻き込まれて命を落としてしまう。幼くして妹と弟の面倒をみる事になった苦労人のサム。

「俺たちから大切なものを奪っていった世の中に復讐してやりたかった。
 でも、できなかった。父さんの声がはっきりと聞こえたから。
 彼の演説が俺に根付いていたんだ。日曜の度に幾度となく耳にした父さんの夢。
 自ら護れないものを護ること。世間から見捨てられた者や貧しき者を助け・・・
 欲望や人種差別、そして憎しみと戦うこと。誰もが享受できる世を作るという夢。
 ・・・アメリカンドリームだ」

 

そうか~、サムはお父さんが良い人だったんですね。
幼い心にはただの理想論でしかなく、自分達も散々苦労してきた現状がある。でも、それでも復讐心に囚われようとした時に、父の言葉が残っていた。偶然から自分がスーパーヒーローになった今なら、父の言葉が理解出来る。そんな理想を実現する為に戦うのがヒーローなんじゃないかっていうのがグッと来ますね。

 

まあそこから、スティーブとは違う形のキャプテン・アメリカという象徴にならなければって所に繋がるんだと思うんだけど、それはそれでね、責められるような部分じゃ無い。象徴であるなら、もっと積極的に政治介入して世の中を動かせるのでは?それがキャプテン・アメリカなんだっていうの凄くわかる気がします。

 

黒人大統領であるオバマさんが誕生してね、みんな期待しました。コミック業界ではスパイダーマンともコラボしたりしてました。オバマさんの功績は大きかったけれど、同時にその任期が終わってみれば、思ったほどはぱっとしなかったかな、という空気もあった気がする。時代がずれて、これがドラマの方になるとその後のトランプ政権の分断社会への問題提起になってる辺りがまた面白い部分。

 

とまあそんな現実の話はさておき、作中でも面白いのが、ジモを始めとしたヒドラ残党。(この時点ではヨハン・シュミットのレッドスカル不在でので、その名は娘のシンが引き継いでますね)新キャプテン・アメリカがサムだと言うのはもう見た目でわかってるので、キャップのお茶くみ係りのお前がキャプテン・アメリカを名乗るなど笑止!と散々な言われようなのが面白い。

 

キャップには何度も何度も苦汁を舐めさせられてきたヒドラ党ですので、スティーブ・ロジャースの強大さを理解してる分、いやお前じゃ力不足だから、本物のキャップ凄い奴なんだぞ、と認めるような形になってるのがまたね。

 

いや実際にサムは超人とかでは無いので実際に弱いし、乗り込んだ先にヴィランが大量に居てボコボコにされちゃうんだけど、それでも頑張るサムを応援せずには居られません。

 

そこで出てくる意外な助っ人、イアン・ロジャース(レオポルド・ゾラ)。血縁的にはアーニム・ゾラの息子なんだけど、色々な流れがあって、別次元でスティーブとシャロンが育てる事になった、スティーブの息子的なキャラクター。ファルコンがキャプテン・アメリカを引き継いだ時、スティーブの息子がノーマッドとして相棒になるという逆転した展開が面白い。

 

とは言え、ヒドラもジモを筆頭に、シン、クロスボーンズ、バトロックにタスクマスター、バイパー、コブラ、バロンブラッド、アルマジロとか強敵大集合で流石に多勢に無勢でどうしようもない。

 

そんな中でサム側に加わるのがミスティ・ナイト。おお~「ヒーローズフォーハイヤー」に出てたあの人か。黒人同士という事でなのか、サムとも仲が良かった様子。

 

そんな3人で何とかヒドラの野望を食い止めようとするものの、やっぱり忘れちゃいけないサムの相棒と言えばのレッドウィング&鳥軍団。

 

バトロックってそんなにヒドラ絡みのイメージ無いけども、今回やたらとはりきってるのは何でしょう?それとやっぱり良い味出してるタスクマスター。

 

なんとか自体は解決し、シールドに報告。潜入捜査をしてたミスティ・ナイトには助けられたよ、と思いきや・・・え?ミスティはシールドのエージェントじゃないぞ?という引きで終了。

 

ええ~っ?じゃあミスティ・ナイトはどこの勢力?次のシリーズでそこ明かされてたのかな?解説書にも書いて無いので気になる・・・。「ロードトゥ~」でリック・ジョーンズがサムの協力者になってたし、そこ絡みだったりするんでしょうか。

 

という事で、時系列的にはちょっと前の話なので、その辺を理解して読むのには結構苦労するのですが、話としては純粋に面白かった。こういうのありがたいです。
同じようなケースは多々あって、邦訳版オンリーのタイムライン自分で作ろうかなと前々から思っては居るのですが、何時になるやらという感じです。

 

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