僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ローマの休日

ローマの休日 日本語字幕版 オードリー・ヘプバーン グレゴリー・ペック FRT-096 [DVD]

原題:Roman Holiday
監督・制作:ウィリアム・ワイラー
アメリカ映画 1953年
☆☆☆☆★

 

ローマの休日、初めて見た。誰でも知ってる有名な作品だし、いつかチェックしておかないとなぁとかは思いつつも、恋愛映画とか興味無いし、そのうちそのうちとずっと先延ばしにしてた作品の一つ。
ああ、因みに私は映画オタクとか言ってるくせに「タイタニック」とかも見た事ありません。好きなホラーとかSFは古い奴でも有名所は一通りチェックしたりしてますので、別に古い映画は嫌だとか、モノクロは見ないとかそんなんは全然無いんですけど。

 

勿論、今回は先日TVでやってた新録吹き替え版。早見沙織オードリー・ヘップバーンの吹き替えをやるというので、それはちょっと見たくなります。グレゴリー・ペック(「オーメン」の人だよな?)は浪川大輔。他にもW関さんとか出てて、オタク的にはとてもありがたいキャスティング。

 

私も昔は、基本言語音声の字幕版で見て、2回目とかなら吹き替えもありだなとか思ってた方ですが、最近は普通に吹き替え版の方を選ぶようになってしまった。字幕しかない奴だと、あらちょっと残念とか思ってしまうくらいに。

 


勿論、その存在は知ってましたがヘップバーン自体ももしかして初めて見るかも?ナタリー・ポートマンアン・ハサウェイキーラ・ナイトレイとかあの辺と顔立ちは似てる印象。今見てもとても可愛らしい感じですね。

 

真実の口のシーンとか、王女様が身分を隠して、みたいな所くらいは知ってましたが(ガンダムUCもこれのパロディーでしたし)普通に映画としてもちゃんとこんなに出来が良い映画だったのか。私はちょっと泣いてしまった。

 

今見ると、倫理的な面でちょっと突っ込みたくなる所はありますが、映画として非常に上手いなって部分が多くて、とても面白かった。

 

例えば真実の口、あの1シーンだけが有名な印象もありますけど、アン王女もそうですし、ブラッドレーの方も新聞記者という身分を偽って接しているので、お互いに嘘をついているんですよね。見ている人はそれを知っているので、そこに微妙な心理描写を読みとることが出来る。その「身分を偽っている」というのは映画全体、ラストにも関わってくる部分なので、単純にローマの観光名所の一つだから真実の口が出てくるんじゃ無く、ちゃんと映画のロジックの上であの場面がある。え~、物凄くちゃんと出来てる映画じゃん。

 

アン王女が髪を切るとかも、単純に髪の長いオードリーと短いオードリーのどちらも見れてお得よねっていうアイドル映画的な側面もあれば、勿論、映画的には「禊」みたいな意味合いにもとれる。それは、単純にその場面での王女ではなく、一人の女性としてその週間だけでも生まれ変わった的な部分から、映画全体として、王女としてもこれまでとはまたちょっと違う自分になれたという変化でもあったりするわけで、やっぱりこういうとこもちゃんとロジカルに作ってあるんだなぁと感心しました。

 

思った以上にコメディチックだなという部分もあれば(バイクのりまわすとことかね)やっぱり運命の出会い的なロマンスも、こういうの心のどこかであこがれちゃうなぁっていうのもあるし、正体を隠すことでのサスペンス要素、最初はただの特ダネを狙う為のものだったけど、いやそこじゃないなって、人と人との信頼・信用であったり、変化や成長のドラマでもあったりした。

 

甘い恋愛なんて別に映画で見たいと思わないし(自分じゃ無く他人の話だしねぇ)そもそもセレブになんか1ミリも感情移入出来ないんじゃないんの?とか思ってたけど、いつのまにか引き込まれて最後は涙ですよ。

 

いわゆるクラシック的な教養として見ておこうか的な感覚で居たので、そんなに面白くは無かったけど、見ましたっていう既成事実は作れたな、程度の感想になるかと思ってたんですが、普通に面白かった。というかお手本にするべき名作じゃないかってメチャメチャ楽しめました。

 

 

次回予告で「ショーシャンクの空に」やってましたけど、私も1度は見たことがあって、別に悪くは無かった気はするんですけど、私は中途半端な映画ファン定番の「ショーシャンク押し」にうんざりして、「レオン」とか「ベティ・ブルー」辺りと共に、「タイトル聞くだけでうんざりする映画」の一つになっちゃった。
ただ私も映画ファン駆け出しの頃にその辺の作品は見たのもあって、通ぶりたいだけでその辺のタイトル出してんなよ!というちょっと歪んだ感情もあっての事でしたし、映画なんてそもそも年齢や環境、見る時々によって捉え方が変わるのが当たり前のものです。今見たらもう少しフラットな視点で見れるような気はします。一度見た作品でも、2度目3度目とどんどん視点なんて見る度に変わるから映画って面白いんですよね。

 

倍速で見て、話を最後まで知ったからその映画を見たとか思っちゃうような人にはわからないでしょうけど、ただ「知る」事と「観る」事は同列に語れるものじゃないよな、と改めて今回初めて「ローマの休日」を見て感じました。

 

私がもしこの作品を語るなら、結構ロジカルな作りをしてあるからそこに注目すると面白いかも?っていう説明をするかも。

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