原題:SONIC THE HEDGEHOG 2
監督:ジェフ・ファウラー
原作:SEGA「ソニック」シリーズ
アメリカ映画 2022
☆☆☆☆☆
2020年公開「ソニック・ザ・ムービー」続編。公開スタートしてから結構経つのですが、いつもいく一番近くの映画館では上映されておらず、気付くのが遅れました。すっかり上映回数も減り、まあ正直前作もそこそこ程度の出来でしたので、どうしようかなぁ?と迷いつつ。「異世界おじさん」とかでもSEGAが注目される中、私もかつてはセガ派だった身として、お前が見なくてどうすんだ?と思い立ち、一応見ておくか程度の感じでいつも行かない映画館の方へ足を運んで来ました。
はい正解!
何これ、今回は超超超超超面白いじゃん!
え?映画界隈でこれ話題になってたっけ?つーかこの上映回数だとヒットしてないよねこれ。う~ん、勿体無い!
まあ前作がそんなでも無かったので、特にファンとかでは無い一見さんはおそらくスルーしちゃったのでしょう。前作のラスト、テイルスが登場した所で終わってましたが、そこからのすぐ続き。タイトル通り、ナックルズも登場してくるので今回でソニック、テイルス、ナックルズの3人が一気に登場。
人間パートも前作に続いてあるのはあるんですけど、要所要所程度で、基本はソニックら3人とエッグマン(ロボトニック)で話が進むし、雪山を滑走、遺跡探索とか、シチュエーションがゲームっぽいので、これまでゲームで体験してきたソニックの世界が映画になった感が強くて凄く楽しい。
前作は現実の世界があって、そこにソニックの世界が融合するみたいな、ゲームの世界をそのまま映画化してるわけじゃない、映画なりのちょっとした変化急という感じでしたが、その延長ではありつつ、よりゲームっぽさを重視して作ってある。
元のソニックシリーズ、ゲームが好きな人はそこ楽しいだろうけど、そっちは知らない人だとどうなの?っていうのが気になる所かもしれませんが、原作を知らなくても、テンションと勢いとギャグとアクションでで一気に押し切ってくるし、ドラマ的にはシンプルながら、テーマ的な所もきちんと入れてあって、そこをちゃんと映画の構成を踏まえて作ってあると言う、映画オタクをも唸らせる上手い作り。いや私、3回くらい泣いてしまった。
かといって小難しいものじゃなく、かなりファミリー向け映画にチューニングしてあって、決してマニアックな面白さとかじゃあない。ここが凄い。
ディズニーやピクサーは言わずもがな。先日観た「DCがんばれスーパーペット」とかもそうですし、アメリカで作るファミリー向けアニメ映画とかって、基本は子供向けでありつつ、基礎はきちんと出来てるから大人が見ても面白いのが多い。前作でキャラ紹介や世界観の説明が済んだのも大きいのか、今回はテイルスナックルズにきちんと焦点が当たるドラマになってるし、ソニックはソニックできちんと成長というドラマを描いてある。
ゲームの方だと、ソニックはヤンチャな部分はありつつ、基本的には成熟した一つの人格みたいなのはありきだった気がしますので、映画の方のソニックもまだ成長途中の子供なんだっていうアレンジは、もしかして気になる人は気になるかも?原作とはちょっと違う映画アレンジが受け入れにくいって人は居るかもしれないな、とは思いつつ、私個人は映画は映画用にアレンジしてナンボという考え方の人なので、これはこれで映画作品としてのソニックの面白さが十分にあった大傑作じゃないかと。
それぞれ個性の違う青・黄・赤が力を合わせて強大な的に立ち向かう。これだけでものすごくキャッチーだし、キュイーン「と各色の尾を引く光のビジュアルだけでも物凄くワクワクしました。
スーパーなあいつは今回は正直無くても良かった気はするけど、まあそこもまたお約束の一つなのでしょう。きちんとファンはこういう絵が見たいよねっていうのに答えた結果なんだと思います。
いや私、前回も書きましたけど、ソニックは好きだけど、特別思い入れがあるという程までではないんですよね。でも親しんできたキャラであるのは間違いないし、ソニックのゲームも実際に何作かはやってたりするので、なんだかようやくここまで来たかと感慨かったし、嬉しくなってしまいました。
前作がまさしくそうでしたけど、ゲーム原作の映画なんてこんなもの、ぐらいだった中で、いやソニック2は普通に名作でしょ?って堂々と言えるようになるのは嬉しい。
おっくうがらずにちゃんと映画館で見てきてホントに良かったと思える作品でした。
今年のベスト10には入るでしょう。
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