僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ブラック・フォン

ブラック・フォン ブルーレイ+DVD [Blu-ray]

原題:The Black Phone
監督・脚本・制作:スコット・デリクソン
原作:ジョー・ヒル「黒電話」
アメリカ映画 2022年
☆☆☆★


<ストーリー>
コロラド州のとある町。そこでは、子どもの失踪事件が相次いでいた。ある日、少年フィニーは学校から帰る途中、黒い風船を持つマジシャンだという男に出くわし、そのまま拉致されてしまう。気がつくと、フィニーは地下室に閉じ込められており、そこには鍵のかかった扉と鉄格子の窓、そして断線した黒電話があった。すると突如、断線しているはずの電話のベルが鳴り響く。フィニーは恐る恐るその受話器を取るが、それは死者からのメッセージだった。一方、行方不明となったフィニーを探す妹グウェンは、兄の失踪に関する不思議な予知夢を見る。


昨年公開の中でも割と評価は高かった作品。でも確か地元じゃ未上映だったはず。
良作のスリラー作品、程度の情報くらいしか知らずに見ましたが、ああなるほど、どっちかというと小作品として良く出来ているぐらいの感じでしたか。テーマ性とか社会性どうので見る価値があるとか、そんなタイプの作品では無いかも。

 

こういうのはこういうので好きですし、90分くらいの気負わずに見れる映画もそれはそれでちゃんと残って行ってほしい文化ですしね。
監督のスコット・デリクソン、初期作の「エミリー・ローズ」というエクソシスト物が私は好きでね、その後「ドクター・ストレンジ」なんかも手掛けてるんですけど、2も最初はこの人が継続する予定だったんですけど、途中から離脱しちゃったんですよね。最終的には制作で名前はそのまま残ってますけど、そっちより優先させたい企画があると言ってたのがこちらの「ブラック・フォン」だったはず。

 

結果、ストレンジ2はサム・ライミがやることになり、独特のカラーの作品になりましたけど、勝手な想像をするに、当初はマーベルからのこの要素を入れてくれ的なノルマがちょっと厳しかったのかなという気がします。ライミはそこを結構な力技で処理しつつ、それでも自分の作品にしちゃったんだからやはりキャリアの差はそこにある気がする。

 

で、ブラックフォンに話を戻すと、作品的にはイーサン・ホーク演じる連続監禁殺人犯を描いたものですが、あくまでお話は主人公の少年フィニー君の視点。
子供が理不尽な大人に対抗する、少年の成長譚であり最後の結末的にも通過儀礼というのは意識してる感じ。いじめられっこの少年が果敢に殺人犯に立ち向かうという部分で、感動作的に子供が見ても楽しめるかもしれない。ホラー的な要素はあくまでスパイス。

 

アメリカって、それこそペニー・ワイズ的なピエロとか、アイスクリーム屋の移動ワゴンが人さらいで、的な都市伝説が昔からあるので、本国の子供達がこれ見たら結構怖いのかも。というか、都市伝説になるくらいだから、実際そういう子供の行方不明事件とか多いのかな?日本でも、そういうのは無い事も無いけど、自分の子供の頃とかはそういうのに怯えたりは無かった気がするけど、逆に今の子とかはこういうの心配するんじゃないかとか思うと、日本も昔と比べたら治安も悪くなったのかなと思わなくもない。あくまで印象論で、「何かそういうデータあるんですか」とか言われると別の結果も出そうではあるけれど。

 

いじめられっ子がね、立ち向かうというのはやっぱり大人の目線で見ても、頑張れって応援したくなるし、あんまりすれてない感じが好感持てました。
年代設定的に「悪魔のいけにえ」とか「燃えよドラゴン」が公開された年になってて、それこそ「グーニーズ」みたいに80年代キッズ映画みたいな感じも少しある。そこいくと妹ちゃんは、果敢に男の子にも立ち向かうし意外と現代味がある子でなんかちょっと不思議な感じで、そこが異和感と言うよりは面白味でもありました。

 

逆に、殺人犯のイーサン・ホークの方はこれといった面白味は無かったかも?凄い怪演を見せて悪目立ちする事も出来たと思うんですけど、あくまで子供が主役の映画だから自分が出しゃばって目立ちすぎてもいけない、みたいな役割に徹した部分もあったのかな?他にこれといったスター俳優が出てるわけでもないのですが、俺が俺がっていうタイプでも無いのかな?キャリア長いけど、そんなに意識して見てる人でも無いのでよくわからん。

 

タイトルにもなってる電話で死んだ人と話をするとかのオカルトやホラーの味付けが楽しいキッズ映画っていう感じでしょうか。
多分、本気で怖がらせるとかより、そういう要素も入った良い話の方が主軸ですよねこれ?違うかなぁ?

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