僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

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原題:Everything Everywhere All at Once
監督・脚本・制作:ダニエルズ(ダニエル・クワンダニエル・シャイナート
アメリカ映画 2022年
☆☆☆★

 

<ストーリー>
経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。
まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ!カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むのだが、なんと、巨悪の正体は娘のジョイだった…!

 

本日、本年度「第95回アカデミー賞」作品賞受賞。
監督賞、主演女優賞、助演男優賞助演女優賞脚本賞とほぼエブエブが独占。
1週間遅れですが、私も先週の末に、見て来ました。

 

アカデミー賞も納得の大傑作・・・んん~?大傑作なのかこれ?
つまんないとかでは無かったけど、私はぶっちゃけそんなに合わなかったかも?面白いけど、ネタ映画の部類かなぁという気がします。

 

いや、ネタ映画ながら、親子の関係とか家族全体の話、人種やジェンダーとか現代的な部分もきっちり入ってたりする作品なので、そういう部分での評価は理解はできる。変な映画に見えて、テーマ的な所は普遍的、なおかつ現代的な事をやってますよ、という所でしょうか。

 

アカデミー賞的には、ポリコレ的な部分もあったりするのかな?2019年にはポン・ジュノの「パラサイト 半地下の家族」とかも、外国語映画部門じゃ無く、普通にグランプリをとったりしてましたし、アジア系に対する配慮みたいな部分もゼロでは無い気がします。アニメ部門で受賞はなりませんでしたけど「私ときどきレッサーパンダ」もノミネートはされてましたしね。

 

何だよ作品にケチつけんのかよ!って思う人も居るかもしれませんが、米国のアカデミー賞はそういう配慮的な所も含めての動向が面白いので、基本的にはノミネートされた作品のどれも同列くらいに考えてみた方が楽しい的な事を評論家の松崎さんも確か言ってました。

 

主演のミシェル・ヨーさん。カンフーレジェンドで、それこそ「シャン・チー」とかにも出てましたけど、私はそもそもカンフー映画そんなに見て無いので、ミシェル・ヨーと言えば自分が一番好きなのはあれ!みたいなのはぶっちゃけぱっと出て来ません。
作中では「女優として成功している別ユニバースのエブリン」というのが結構大きく出てますけど、要は作中のエブリンがら見れば現実のミシェル・ヨーこそがマルチバースの中の一人、くらいの感覚だったりするのかもしれません。

 

いや個人的にはね、本人じゃないんですけどスーパー戦隊シリーズ31作目「獣拳戦隊ゲキレンジャー」という中国拳法モチーフの戦隊がありまして、その中でレジェンド的な師匠が数人出てくるのですが、ジャッキー・チェン、サモハン・キンポー、ユン・ピョウ、ジェット・リードニー・イェンカンフー映画スターをモチーフにしたキャラクターが出てくる。その中の紅一点としてミシェル・ペングという、ミシェル・ヨーが元ネタのキャラが居るんですね。特定の映画よりも、私はそっちの方が印象深かったりする程度の思い入れしか無いのは割と大きいかも。いやぁ、ミエシェルさん苦労した甲斐がありましたね的な感じが私の中では薄いかも?ゴメンなさいね。

 

助演男優賞を受賞した、キー・ホイ・クアンさんは「インディ・ジョーンズ魔宮の伝説」「グーニーズ」に出てたアジア系の子役の人、と聞いて「確かに面影ある!」と思わせられました。「レッドソニア」とかにも出て無かったっけ?と思って調べたらそれは全然別の人でした。

 

そんなノスタルジックな部分はさておき、私的に面白かったのは、娘との対立部分でしょうか。おじいちゃんも含めた親子3世代にもなるんですけど、エブリン的には自分も親とは色々あったし、それが今度は娘に対しては、今度は自分がそんなうざがられる親になっちゃったか的な所が面白くて、娘と言う事で自分の分身のようでいて、実際はさっぱり言う事も聞かないもう一人の自分的な意味で、マルチバースでは無いけどそこもマルチバース的なもの、みたいな意味合いも出てくるのかなという気がしました。

 

「ドクターストレンジ:マルチバース・オブ・マッドネス」でもそうでしたけど、多元宇宙どうのというよりも、「もしかしたらこうなっていたかもしれない自分」。誰しもが、自分の理想や夢見た通りに生きているわけじゃないし、今の自分は本当の自分じゃ無い!本当はもっと良い未来があったはずなんだ的な後悔や妬みみたいなもの、抱えて生きてるけどさ、それでも今の自分は今の自分なんだし、理想には程遠いけど、それでも今の自分もそんなに悪い部分ばかりじゃ無いなって認める所から始めようよ、というのがこういうテーマにおける定番の落とし所だし、今の自分をちゃんと肯定してあげる事って物凄く大切なテーマなので、基本的には今回の「エブエブ」もそういう作品ではあるのかなと思う。

 

栄光あるアカデミー作品が、ディルドーを振り回したり、ワンちゃんを鎖鎌がわりにしたり、ケツに何か突っ込んで奇声を上げるとか、そんなんで良いのか?という疑問はとりあえずどこかのマルチバースの話にして気にしないでおく。

 

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