僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

いきものがかり うれしくて/ときめき

うれしくて/ときめき (初回生産限定盤) (特典なし)

IKIMONOGAKARI URESHIKUTE/TOKIMEKI
アーティスト: いきものがかり
レーベル: Sony Music Labels
リリース: 2023年9月13日
ジャンル: J-POP
☆☆☆☆


1.うれしくて
作詞・作曲:水野良樹/編曲:蔦谷好位置・長橋健一
「映画 プリキュアオールスターズF」主題歌

2.ときめき
作詞・作曲:水野良樹/編曲:島田昌典
プリキュア20周年記念PV」テーマ曲
「キボウノチカラ〜オトナプリキュア'23〜」オープニングテーマ

3.うれしくて(Instrumental)
4.ときめき(Instrumental)

 

「オールスターズF」テーマソングシングルに続いてこちらの主題歌シングルです。
いきものがかり・・・は、う~ん、TVやラジオで流れてるのを聴いた事は勿論あるくらいの有名アーティストですが、個人的にはちゃんと聴いた事あるのは1曲も無いかな?一部アニソンや映画の主題歌で使われてるものもあるみたいですけど、私はこれといって馴染みがあったり、何かしらの作品絡みでかすったりした曲は無いかなぁ?

 

調べてみるとメジャーデビューが2006年。プリキュアの最初が2004年ですので、年代・キャリア的には近い物があるのかな?子供時代にプリキュアに触れて今は大人になったような世代と、いきものがかりを聴いて育った世代みたいなのがリンクしてる感じとかでしょうか。あとガールズバンドとかではなく男女コンビみたいですが、ボーカルが女性なので、女の子の背中を押してくれるみたいなイメージが上手く合致した、といった所でしょうか。


まずは「うれしくて」の方から。

www.youtube.com


作詞作曲は、リーダーで男性の方の水野良樹さん。
「うれしくて きらきら」という歌いだしですが、
ここ、プリオタ的には結構デジャブを感じた人も多いはず。

 

プリキュアソングとして話題になる事はほぼ無いに等しい曲ですけど、ゴープリ秋映画長編作「パンプキン王国のたからもの」の主題歌で
Every Little Thingの「KIRA KIRA」という曲があります。

www.youtube.com

奇しくもELTも男女ペアのユニットですねぇ。ただこっちは女性の方の持田さんが作詞です。(作曲はいっくんじゃなくてクラムボンのミトさんだったのか。個人的に「オレンジミント」が好きです)
一般アーティストがプリキュアとのコラボ曲を作る時に、イメージとしてまず思い浮かぶのは「キラキラ」という言葉なのかな?とか考えると、なかなかに興味深いものがあります。外の世界の人から見たプリキュアのイメージの共通項として「キラキラ」というのがあるのだと。


いやいや、「キラキラ世界!」つったらゴーオンシルバーでしょ!と言いたくなるのオタクの悪い癖です。

 

とは言え、そんな表層上のキラキラだけじゃなく、本編の感想にも引用しましたが
「“わかりあうこと”だけじゃ拾えない “わかりあえないこと”を大事にして
 ひとつにならないでいい バラバラの声 重ねてほしい」
みたいな、プリキュアの面白い部分を拾ったり、後は全体的には世の中つらいことも多いし、時に心折れちゃう事もあるけれど、いろんな事を抱えつつね、それでも生きていこうよ的な部分でね、プリキュア20年の歴史を上手い感じに重ねる事も出来るようになってる。

 

ええと、私はTVも見ないし音楽もアニソンとかしか聴かない人なので、Jポップのトレンドみたいなのは正直わかりませんが(仕事柄、運転中にラジオをかけてる時間も多いので、そこら辺から入ってくる部分はある)Jポップの黎明期のテクニックっていうのは多少知ってます。確か前に論文か書評を書くときに「Jポップの作詞術」みたいな本を読んだんだっけかな?

 

「あの日 あの時 あの場所で」とかそれっぽい事を書いておけば、聴く人が自然と自分の思い出を重ねて、これは自分の為の曲なんだ!みたいに勝手に感動してくれる。そうやって100万人を騙すのが流行歌のテクニックなんですよ的な事が書いてあって、なるほど確かにそうだなと思った記憶があります。

 

いや、騙すなんて言葉にしてしまうと多少誤解を招くか。映画もそうだけど、余白を残す事で、受け取った側が自分の解釈や尺度で受け入れられるのが、より効果的に働く、みたいな感じでしょうか。

 

プリキュアを知らないいきものがかりのファンが、単純に単体の曲として、良い曲だなぁと思うのもあれば、プリキュアファンが映画のエンディングとしてプリキュア20年の想いを乗せるのもまた自由。

しかもプリキュアファンつったって、その道20年のベテランも居れば、ここ2~3年のしか知らないけど、という人だってそれも立派なファンですし、そういうのもその人しだいですよね。それぞれの想いや解釈があるっていうのは良い事です。

 

ガッツリとしたアニソンで、シリーズ定番のプリキュアシンガーの曲も良いものですけど、たまにこういう外部の人から見た、外部の人が解釈したその人達なりのプリキュア像、っていうのもそれはそれで興味深かったりします。

 


そこを考えるとねぇ、2曲目の「ときめき」もすっごく良くて、多分、これ20周年記念PVの曲として作られたのが先なのかな?

www.youtube.com


そこだけじゃ勿体無いから「オトナプリキュア」にも使おうってなったのか、或いは逆で「オトナプリキュア」用の曲として発注したけど、この歌詞、プリキュア20年の歴史とぴったりじゃね?そっち用の曲としてもこんなに合うものないだろう、PVの方でもテーマ曲として使わせてもらおうか、みたいな判断だったのか、どっちの解釈もアリな気がします。それくらいぴったり合ってる。

www.youtube.com


プリキュアを心に、今を一生懸命頑張る女の子。
これだけでも私は涙腺崩壊するタイプです。

 

前にも一度書いた気がするのですが、ヒーローを胸に抱えて一生懸命になる男の子っていうのが私は好きで、だからこそ今でも日米ジャンル問わずのヒーロー物を好んでたりするんですが、女の子ってこういう気持ちあるのかな?と昔から疑問に思いつつ、プリキュアならそれはきっとあるはずって思える辺りに面白味を感じたわけだし、それをこうやって具現化して表に見える形にしてくれた「プリキュア」というコンテンツがやっぱり私は凄く好きだ。

 

「世界はいまきらめくよ わたしがそう決めたから」
というプリキュアらしい決意から、「うれしくて」の方とこちらも同じで、多少ネガティブな部分もあえて入れてくる。

 

「小さなプライド さりげなく 抱きしめて」
「世界を愛せなくても こころが悪いんじゃない」
とか、印象的なフレーズもありつつ

 

「ときめきの日々は ずっと終わらない」
大人になったからって、何かをあきらめなくても良いんだよと、そっと背中を押してくれる感じが凄く良いです。

 

オトナプリキュア、実はちょっと心配もしてますが、ちゃんとこのテーマ曲に集約されるような作品なのだとしたら、それはきっと大丈夫でしょう。

関連記事

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com

 

curez.hatenablog.com