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キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 6~10

キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 6 (ジャンプコミックスDIGITAL)

著:ゆでたまご
刊:集英社 スーパー・プレイボーイ・コミックス 全28巻(2005-11)
☆☆☆

 

プロローグと予選が終わってようやくここから1回戦。
別にキン肉マンに限らずの話ですけど、昔の漫画だったら単行本5冊分て一つの「ナントカ編」みたいなの1本最初から最後までやってる分くらいの量ですよね。

 

ジャンプの読者アンケート的な視点で言えば、やっぱり他の連載との過酷なサバイバルレースみたいな部分もあり、ダラダラと引き延ばすような事はせずに、とにかくアイデアが枯れるまで矢継ぎ早に新しい展開、新しい展開、みたいなのを求められたと聞く。出し惜しみなんか許されず、出し切ったからこそ新しいアイデアがまた生まれるんだからと。

 

それはそれで一つの方法論として面白いし、逆にそういうものに抵抗を感じる人には、例えばジャンプとかじゃなくサンデーとかなら10週で切るとかはせずに、多少はスローな展開でも許してくれたみたいな部分はあったというし、そこは連載雑誌のカラーみたいなものにも思えたりした。

 

専属契約もあったので、ゆで先生はキン肉マン後もジャンプで「ゆうれい小僧がやってきた」「スクラップ三太夫」「キックボクサーマモル」とか頑張ったけど、どれも4~5巻行くか行かないかくらいで打ち切り。で、その後は集英社から離れちゃったわけですが、まあもう若くないというのもあるかもしれないけど、2世のこの展開の遅さはいかんともしがたい。

 

キン肉マンはそういう部分で「ジャンプ漫画」という部分が生かされてたのかなと思ったりもするのですが、そうじゃない文脈。例えば昔の手塚治虫とか読むと、異常なほどに展開早いんですよね。「ブラックジャック」的なオムニバスは別として、ストーリー漫画は単行本10巻を越えるようなのって多分「ブッダ」くらいしかないはず。「火の鳥」とか読むと、あの短さでこの濃さかってビックリするんですよね。

長く楽しめるというのは、好きな物楽しい物がそれだけ多く長くという利点もあるけれど、映画とかも好きな身としては、ギュッと凝縮した面白さを求めてしまいがちです。

 

それはともかく1回戦
マッスルブラザーズ・ヌーボー>万太郎&グレート3
     対
<地獄のカーペンターズデーク棟梁&プラモマン

3代目キン肉マングレートのデビュー戦・・・ながら、人間であるカオスをフォローする為に万太郎が獅子奮迅というのは凄く「II世」っぽい展開。いや勿論カオスも頑張ってくれるのですが。

プラモマンは作るプラモによって能力や形態を変えるという、いかにもキン肉マンらしい超人。ステカセキングとかオメガマンとかあの辺の系譜。
パートナーのデーク棟梁はそんなプラモマンを作る方以上の個性はやや出せず。デューク東郷の名前をパロった大工キャラなわけですが、スナイパー的な要素は無いのがちょっと勿体無い。

 

<ジ・アドレナリンズ>キッド&ロビン
   
<鬼哭愚連隊>死皇帝&ガオン

レジェンドとニュージェネのタッグという部分が売りですが、キッドが出番はおおいけどそもそもここまで大した活躍もしてないというのが正直ネック。
ロビンの強キャラっぷりは言わずもがなですが、ロビンが若いキッドを引っ張るのではなく、キッドがリーダーとして振る舞うという所に新鮮さを出そうとしてるんだろうけど、相手タッグの二人のキャラの微妙さも相まって、結局見せ場はケビンマスクだった、というのがこっれまた凄く「II世」っぽい試合。いやケビンはカッコいいなぁ。

 

<ヘルズ・ベアーズ>マイケル&ベルモンド
    
<チーム・コースマス>メテオマン&スプートニックマン

ウォーズマン復活編。クロエとしてそれなりにキャラは立たせてもらえたものの、王位争奪編での扱いの悪さもあって、人気キャラながらどちらかと言えば不遇な立ち位置のウォーズマンを存分に活躍させてあげようみたいなファンサービスかも。ただその分、この辺で作者の初代への気持ちのバランスの傾きが多少見えてこないでも無い。


<テガタナーズ>ブロッケンJr.&ジェロニモ
   
<ファイブディザスターズ>ライトニング&サンダー

トーナメントでは無くリザーブマッチとして突如組まれた一戦。そりゃあこのシリーズの一応のボスキャラだもの、存分に強い所を見せつけなければ。
試合に至るまでのスペシャルマンカナディアンマンの扱いが本当に酷くてね。作者自らがファンジン的な悪ノリをしちゃうのはどうだろうかって正直思う部分も。カナディアンマンさんは後に汚名を晴らす事に成功しますが、この時点ではちょっとやりすぎなんじゃないかなぁと感じる。

勿論、時間超人が勝つのは当然ですが、ブロッケンとジェロにも十分な見せ場を作ってくれる分、相対的に時間超人が損してる感も多少ある。いや私ブロッケン好きなんで健闘してくれるの素直に嬉しいんですけどね。

 

<スーパー・トリニティーズ>ジェイド&スカーフェイス
     
<ヘル・イクスパンション>ネプチューンマンセイウチン

前の試合から不穏な表情や態度を表していたスカー。あ~あ、せっかく仲間になったと思ってたのにまた変な展開にしちゃうのかよ、そろそろゆで先生の空気の読め無さにうんざりしてきた・・・と思ったら!いやスカー正直スマンかった。ツンデレなだけでやっぱり君も最後はちゃんと仲間だったよ。

そして前試合のブロッケン絡みでこちらに続く伏線を仕込むという、ゆで先生らしからぬ展開にもちょっとビックリしました。「ベルリンの赤い雨」が封じられた先の「ブロッケンの帰還」まあ正直技のフォルムはダサいことこの上ないけど、展開としては悪くない。


逆にネプチューンマンセイウチンの方は、あくまでヒールユニットとして描いてるのもあるんだろうけど、どちらも正義超人からのヒールターンなので、残念な気持ち以上の物が芽生えないのが何とも悲しい。
セイウチン、好きなキャラでは無いけれど、バカにされ続けてきたキャラが、実は本気で実力はあるんだぞって、描き方によっては燃える展開だと思うんですけどねぇ。

マグネットパワーに変わるオプティカルファイバーとかいうのも正直よくわからん。

 

 

こうして感想書いてみると試合数は多いな。
1巻で一試合くらいの分量ではやってるのか。
という辺りで次は2回戦に続く。

キン肉マンII世 究極の超人タッグ編 10 (ジャンプコミックスDIGITAL)

 

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