僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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ロキ シーズン2 (MCUその46)

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原題:LOKI season2
監督:ジャスティン・ベンソン&アーロン・ムーアヘッド
原作:MARVEL COMICS
配信ドラマ 2023年 シーズン2全6話
☆☆☆★

 

ドラマ的には「シークレット・インベージョン」に続いて「ロキ」のシーズン2が公開。
シーズン1の時は、特にシーズン制というのは明確にされておらず、「ワンダビジョン」「ファルコン&ウィンターソルジャー」が基本ドラマのみで完結していた流れで、最終話がクリフハンガーでシーズン2に続く!で終わってました。

 

いや海外ドラマの何が私は嫌いかっつーと、人気ある限りどこまでも続けますよ。シーズン最終回では次の展開を残したまま終わりますよ(宙吊りクリフハンガーってやつですね)っていうのが嫌なんです。商業的な理由でね、興味を持続させたいっていうのは当然の話ではあるんだけど、見てる方としては区切りとかつけたいじゃないですか。


60年70年話が続いてるアメコミ読んでる奴が何を言ってるんだかって話ですが、エピソードや章ごとの区切りみたいなのあるじゃないですか。一つのまとまった話として見たいのに、ロキだけ唯一「シーズン2に続く」で終わらせたのがちょっとイラっとさせられました。

 

大きな枠で言えば「インフィニティサーガ」が終わって、次の「マルチバースサーガ」の扉を開いたのがまさに「ロキ」のシーズン1のラストでしたので、ロキというキャラクターを掘り下げるより、新章への準備の為に作った作品だったかと、個人的にはあまり良い印象は持てない作品でした。

 

そんな印象のまま、シーズン2が開幕。
序盤は、メビウスやケイシーら前回からの継続組みに加え「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で俳優復活を果たしたキー・ホワイ・クワンをTVAの技術の今回を作ったウロボロスというキャラクターに据え、TVA崩壊を防ぐ「チーム・ロキ」的な展開。

 

言い忘れてましたがネタバレは全開で語るのでその点はご注意のほどを。

 

仲間という概念がそもそも無いであろうロキが、こんなチームを率いる事になろうとはと、そこはなかなかに感慨深い。

 

剪定を止めた為、無限に広がるマルチバースの衝突を防ぐため時間織機の容量を増やさなければならないというミッションに挑む。

 

前シリーズの、謎が謎を呼ぶ的なミステリアスな展開とはまた別で、ラヴォーナ・レンスレイヤーやミス・ミニッツらとは対立しつつも、チーム・ロキがミッションをこなして行く感じが個人的には前シーズンよりは面白いなと感じた。

 

そこに来ての5話。
シルヴィを説得しに行った先での、あなたは何をしたいのか?という問いに、ついに「友達を救いたいんだ」と口にするロキ。何これ!涙無くして見れない一言だぞこれは。

 

あのロキが本心から「友達」って言葉を口にするんですよ。いや友達の居ないタイプの人間の私にとっては、ロキ頑張ったよ、成長した、こんなに変われたのかと感無量でした。

 

よし、ここからみんなで力を合わせて問題を解決するぞと思った瞬間、時間は待ってくれずに崩壊していく世界。

 

自分にとって友達という大切な存在を認識し、それを失いたくないという気持ちに気付いた時、ロキは一つ成長したのでしょう。翻弄されるしかなかった時間を自らコントロールしてみせる。ロキが遂に覚醒。

 

か~ら~の~最終回6話。
物事は簡単には運ばなかったが、タイムスリップ能力をコントロール出来るようになった覚醒ロキは、ドクターストレンジ・・・というより、人間タイムストーンと化して何とか時間織機を完成させようと、100年がかりで技術を身につける。

 

いや、シーズン1の時にさ、インフィニティストーンを文鎮がわりに使ってて、こんなのありふれた物でしか無いよとか言ってたのが、ある意味伏線なのかな?ロキ自らそれに匹敵するくらいの能力に覚醒しちゃうんだから、石なんかいらないんだよと、そういう風にも受け取れるなと思ってたら・・・シーズン1の時系列にもガンガン介入していく。


シーズン1と2では監督とかメインスタッフ違うはずなんだけど、そこまで含めたストーリーアークにしたのかこれ。

 

「在り続ける者」を殺して、また会おうと最後に捨てゼリフを残したのは、一人殺した所でマルチバースの世界では他の世界のカーンが無限に増え始める。別の私に会えるだろう的な意味で(それこそアントマン:クアントマニア」に続くみたいな)言ったと思ってました。

 

が、そうじゃなかった。在り続ける者はここに再び戻ってくる事を確信していた。自分が殺させるのも、イベント的に楽しんでいただけだったのか。結局、世界は「在り続ける者」以外には管理できない唯一無二の存在だった?

 

メタ的な事を言えばね、在り続ける者、征服者カーンを演じたジョナサン・メジャースさん。色々と問題を起こしちゃって、この後の起用が無くなるんじゃないか?マーベルもサーガのボスをカーンからドクター・ドゥームに変える検討をしているとかいう噂が出てたりする。まあそんなのはゴシップの範疇であまり本気にしても仕方ないですが、かつてのハルクとかローディでサラッと俳優チェンジしたのと同じように他の人に変更というのは普通にありそう。サンダーボルト・ロス将軍も亡くなって変更になりますしね。

 

なんかそういうのもあって、シーズン1でカーンを広げようとしたけど、シーズン2では自らの作品で収束させちゃったのかなという印象も受けました。そんな意味では、シーズン1が前篇、シーズン2が後編みたいに、前後編に分けただけで、「ロキ」というドラマは両方合わせて一つの作品ですよ、という感じになってるのが個人的には凄く良かった。

 

そしてそんなロキ君。いや原作だと、近年になってから「物語の神」とかいう変な属性が追加されたんですよ。MCUが始まる以前のロキはね、ソーのライバルヴィラン以上の存在感は無かった。


でも、MCUがスタートしてロキの愛されキャラとして人気が爆発。原作でもそんなロキ人気にあやかって、ただのヴィランから、もう少しヒーロー寄りというか、単純なヒーローでもヴィランでも無い独特のポジションのキャラクターとして売り出して行く形に設定も変化していきます。

 

演じたトム・ヒドルストンの人気のおかげで、原作にも影響や変化をもたらし、そこで新しくなった原作のロキの設定を、再度実写ドラマの方に影響させていく、という結構複雑なツイストがここにはある。

 

映画の人気や知名度は大きいから、昔から映画の設定を原作にフィードバックするみたいなのはちょくちょくあったんです。X-MENのコスチュームが原色タイツから黒のレザースーツに原作でも一時変わったりしてました。

 

ロキの場合、その影響の仕方が独特で、なんかまさしく原作コミックとMCU世界でマルチバース同士の複雑な絡み合い方って感じですよねぇ。非常に面白い。

 

そしてラスト、これまで時間軸をの流れで描いておいて、最後はそれを縦に束ねる演出のセンス。あれって多分、ユグドラシルの樹ですよね。

ソーの映画の中でビジュアルとして出てきてましたっけ?説明はあったはずだけど、ビジュアルで描かれてたかは憶えていないけど、ソーの世界観というか北欧神話の世界ではアスガルドやミッドガルド(地球)らそれぞれの9つの世界がユグドラシルの樹で結ばれている、という世界観になっている。

 

地球人にとっては、アスガルド人は北欧神話の元になった神に等しい種族ではあるけれど、マーベルユニバースという世界で見た時は、アスガルド人よりもっと上位の本当の神様や概念そのものが形になった存在も居るし、アスガルド人は単純に人間よりずっと長命で身体的にも頑丈だったリするけど、実際には別の宇宙に住む別の種族的な存在でしか無い。神のような存在であっても、実際はデミゴッド(半神)的なものでしかないはず。

 

が、今回の成長でロキは時間を超越する術を身につけ、世界樹あるいは宇宙樹・次元樹とも呼ぶべき時間を束ねる存在に進化した。
ここはきっと原作で言う嘘の神様だからこそ「物語(=フィクション)の神」という部分のインスパイアなのでしょう。

 

友達の世界や物語を守るために、一人時間も空間も存在しない世界に留まったロキ。ソーもヘラも、オーディンすら成しえなかった本物の神に等しい存在になった。

 

これこそがロキの物語である。

 

すげぇまとまった。最初からこの結末を目指して作ってたのなら何気に凄いぞこれ。


果たしてこの先にロキの物語はあるのか?
意外と、本体はそこに居ても、どのユニバースでもどの時間軸でも自分の分身を自由に飛ばせるよ~とかなら今後も出れそうですが、おそらくはロキに関してはここで終わりなのかなぁ?だとするとやっぱりちょっと寂しい。


いやそもそもこっちのロキはエンドゲームで逃げて来た奴だから本人はそもそも死んでたりするわけだけどさ。発表されてる「アベンジャーズ:カーンダイナスティ」「アベンジャーズ:シークレットウォーズ」でマルチバース問題を解決する鍵として、ここぞという時に登場してくれたら嬉しいんですけどね。

 

次のドラマは年明け早々に「エコー」が配信の予定。
隠し玉でまたホリディスペシャル的なのは今年は無いんでしょうか。

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