著:ゆでたまご
刊:集英社 スーパー・プレイボーイ・コミックス 全28巻(2005-11)
☆☆☆
「キン肉マン」新アニメはやはり再開後の部分からアニメ化するっぽいですね。しかも東映じゃない。映像のクオリティは高くなりそうだけど、深夜枠で分割クールかなぁ?人気が出れば続くけど無ければ半端なとこで打ち切りになりそう。
元々、旧作ではやられ役に終わった悪魔超人が活躍する姿が見れるとは!みたいな、旧作を知ってる人がまたあの続きが見られるみたいな面白味も大きいので、新規ファンは入りにくいのが難点かも。
原作本編連載の方もゆで先生の病気療養でしばらく休載になるようですので、そこの隙間をアニメが盛り上げてくれる形になると良いのですが。
それはともかく、2世の1部に続いて、2部の「究極の超人タッグ編」を読んで行きます。
2世の後半の巻の作者コメントで、いつか初代と2世とで親子タッグとか描けたら面白い。現実のプロレスのドリームマッチやドリームタッグは選手が亡くなったりして実現せずに終わったものも多いけど、漫画なら自由に描けるから・・・というようなアイデアを実際に実現したのがこのシリーズと言う事になるのでしょう。
突如現れた時間超人、ニュージェネレーションが一時は退けるも、ニュージェネの活躍もレジェンドがあったからこそ、だったらそこを消してしまえば良いと、時間超人は過去にタイムスリップ。実際にケビンマスクの肉体が消滅し始めたのをきっかけに、過去改竄が行われている事を確信した万太郎達ニュージェネは、ミートの作ったタイムマシンで時間超人を追う。
たどり着いたのは34年前。ヘルミッショネルズを撃破し、ザ・マシンガンズが優勝した直後の夢の超人タッグ編の時代だった。「キン肉マン」「キン肉マンII世」二つの世代が激突する!
とまあ、ワクワクしてくる展開で、実際に夢のクロスオーバーは面白いんですけど、昔からね、夢は夢のまま終わっていた方が良かった、想像していたドリームマッチが実際に行われたら思っていたほどでは無かった、っていうのは正直よくある話。
「グラップラー刃牙」のあれは確か本編じゃ無く外伝でしたっけ?猪狩VS斗羽を単行本1冊かけてやったやつ。あれは漫画だから面白いんですよ。実際の猪木VS馬場があんな風になるわけない。ジャンボ鶴田VS前田日明だとか、三沢光晴VS武藤啓司とかだってね、実際は夢のままで終わったから、全盛期に戦っていたらどうなっていたんだろう?みたいな妄想のしがいがあるわけです。
映画で言えばモンスターバースの「ゴジラVSコング」ですよ。あれはあれで面白かったですけど、凡戦とは言わないまでも、あからさまに忖度は見え隠れしましたよね。
あんまりガチでやりすぎて面白味が無くなりすぎてもダメだし、完全にエキシビジョンマッチで最初からショーとして見せる前提でやられて時間切れドローみたいになってもう~ん、なんか夢は実現したけど求めていたのとちょっと違うぞ、となりがち。
この「究極の超人タッグ編」もそれに近いものが。
いや最初は乗って描いてたと思うんですよ。II世にはII世の新しいファンもついたからっていう所からスタートしてるので、この時点では気持ちが旧シリーズに戻って傾いたりはしてないので、タイトルも「II世」をつけたまま続きの物語として始めたし、軸は万太郎の方にある。ただやっぱり初代の人気は高いし、そこら辺のバランスというか、まさしく忖度が色々と働いている感じがして、結果としてどっちも何か微妙じゃね?というバランスになってるのが凄く惜しい。
タイトル的にII世ですし、ニュージェネとレジェンドに対立軸を作らなければならないというのはわかるんだけど、ゆで先生的にはプロレス感覚が強いからか、レジェンドの方を頭の固い頑固親父みたいに描く。ってこれはそもそもII世の方を若くてチャラチャラした性格みたいに描いてたからその対比なんだろうけど、そのおかげで旧作のキャラが微妙に違和感のある感じで、素直に好きなキャラの再活躍が見れる!と喜びにくい。
「平成ライダーVS昭和ライダー」だったっけ?あれに凄く近くて、1号の本郷が「平成ライダーなぞ認めん!」みたいになってたけど、え?そんなキャラでしたっけ?みたいな違和感しか無いっていう。
そんな状態の上に、一応、現時点ではラスボスポジションに居る時間超人の魅力の薄さ。ここはII世特有かなぁ?思い入れとか思い出補正とかあるだろうけど、そこは初代の格シリーズのボス戦は、こんな強い敵をどうやって倒すんだ感はあったように思う。ロビン、ウォーズマン、バッファローマン、悪魔将軍、ネプチューンマン、フェニックスと。後から思うからなのかもしれませんが、強敵感は凄くありますよね。
ネプチューンマンの名前が出たついでに言うけど、セイウチンの格をここで上げるのは良いと思うんだけど、流石に万太郎がセイウチンに対してヘボ超人とか言っちゃだめだろうと。私も別にセイウチン好きじゃないけど、レジェンドと違って、言葉にはしないがニュージェネはニュージェネなりの友情があるって前にやってたのに、流石にこの仕打ちはなぁ。万太郎の事ずっと慕ってたのにね。
しかもII世の方が軸と言っても、相変わらず酷い扱いでガッカリしたチェックメイトとか、同じくセイウチンのかませにされたイリューヒンにバリアフリーマン。え!?もうニュージェネ正規のタッグはスカー&ジェイド組だけじゃん。キッドは流石に面白いポジションもらえたけど、なかなか序盤から厳しい展開。
じゃあまた万太郎一人で背負うのか?となった時に、ここからの新キャラ「間隙の救世主」カオスが登場。このシリーズのまさしくキーマンとして作ったキャラなんだろうけど、これがちょっと上手くいかなくてね、作者も匙を投げてしまったっていう。だからこそ新肉で上手くフォローしてやろうって出したんだろうけど、そこはまた今後の話。
しかし最初の状況説明もあるし、タッグ結成のいきさつやセレモニーとかも個人的には嬉しいんだけど、1回戦始まるまで単行本5巻分はやりすぎでは?流石に尺使い過ぎな
感が。
という所で、予選バトルロイヤルまで終わったので次からトーナメント1回戦へ続く。
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