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騎士竜戦隊リュウソウジャー

スーパー戦隊シリーズ 騎士竜戦隊リュウソウジャー Blu-ray COLLECTION 1


監督:上堀内佳寿也、他  脚本:山岡潤平、他
日本 特撮テレビドラマ 2019-20 全48話
☆☆☆

 

スーパー戦隊シリーズ43作目「騎士竜戦隊リュウソウジャー」本日最終回を迎えました。
40作記念の「ジュウオウジャー」が割と王道路線でしたが、続く41作目「キュウレンジャー」42作目「ルパンレンジャーVSパトレンジャー」がそれぞれ変則的なメンバー構成だったりして、実験作的なカラーが続きました。

 

そんな流れの中で鉄板の恐竜モチーフで王道路線に回帰した、と表向きは見えますが、脚本とメイン(パイロット)監督がスーパー戦隊シリーズ初登板の人を起用。新風を巻き起こす事を期待されたものの、実際そこまでには至らなかった、というのが正直な所でしょうか。

 

序盤がちょっと雑に感じられたのは前述の理由で、スーパー戦隊らしからぬ外し方(ドラマの作り方だったり倫理観だったりキャラの立て方等々)だっただけなのかなと思いますが、2クール目の追加戦士のカナロ/キョウリュウゴールドが出てくる辺りからは、割といつものスーパー戦隊っぽくなっていった気がします。

 

1号ロボのキシリュウオーがロボ戦らしからぬアクションで新鮮味がありましたが、ホントに序盤だけ。ロボを軽装にしてアクション重視は「ゲキレンジャー」でもやってましたが、ゲキレンの方がまだ動いてる期間は長かった気がします。そこは初志貫徹、とは行かなかったかも。

 

とは言え、その初志貫徹を最後まで通したバンバ/リュウソウブラックのキャラ立てなんかは良い部分でした。一人で敵幹部を倒しちゃうとかがあったわけではないので、実際に特別な立ち位置ってわけではないと思うのですが、最後まで強キャラっぽいイメージが崩れなかったのはなかなか良かった。
その分、カナロが割食ってた気はしますけど、最近の追加戦士はただの強キャラ
っていうより、変な変わり種キャラみたいな感じになってきてますしね。

 

スーパー戦隊、全てのシリーズを見てるわけではないので、詳しい所はわかりませんが、自分が見た範囲で言えば、やっぱりメイン5人+追加αのキャラクタードラマが作品の魅力の中心なのかなと思っていて、「リュウソウジャー」の構成とは違いますが、メインのレッドと、そのライバル的な立ち位置、或いはサブリーダー的なブルー(今回で言えばブラックのバンバですよね)ここは割と自然にキャラが立つ。
そしてピンクとイエローの女性が可愛い妹タイプと綺麗なお姉さん(「デカレン」のウメコジャスミン、色は逆転してますが「ボウケン」の菜月とさくら姐さん)で、ここも自然とキャラが立つ。
なので3人目の男キャラのグリーンをどう生かすかが集団ヒーローであるスーパー戦隊シリーズでは結構ポイントなのかなと思っております。テンプレートなキャラ立てがフリーになってる位置なので、そこをどういうキャラにするのか。「ゴーカイ」だとハカセコメディリリーフにしたので5人全員のキャラが立って空気にならずに常に存在感を保ってました。

 

そんな感じでリュウソウジャーもキャラ分けしてみると
赤 コウ:熱血、純真無垢
青 メルト:知性・理知的
桃 アスナ:紅一点、パワーハウス
緑 トワ:最年少、スピード
黒 バンバ:ニヒル、最年長
金 カナロ:特別位置、コメディリリーフ

みたいな感じなのかなと。他にも色々あるだろうとおっしゃる気持ちもわかりますのでそういうのは自分なりに分析してみて下さい。その人なりの視点や解釈は私も見てて楽しいので。

 

上にも書きましたが、バンバはお堅いイメージを最後まで崩さなかった故に、逆にそれが笑いを生みだしたりもしてましたし、最初は幼馴染3人組を認めないと言いつつ、徐々にそれが仲間意識へと変わって行く様子が描かれてキャラが凄く立っていたと感じます。

 

次に面白いなと思ったのがアスナ。大食いキャラという個性付けはともかくパワー系を女性が担当するっていうのが現代的で面白いなと思いました。力は男の役割っていうのは古臭いジェンダー論なので、今回は女の子にやってもらおうみたいなのが良いですよね。かといってガサツで男勝りと単純化せずに、意外と気を利かせる事も出来たりしてましたし、最終決戦時に幸せな世界に閉じ込められていく中で、私が望むのはこんなのじゃない、仲間と一緒にいなきゃ意味無いよ!ってアスナが一番に叫ぶ所、メチャメチャ良かった。

 

そして次がコウ。純粋キャラかと思いきや、実は過去は結構粗暴な人で、アスナとメルトの幼馴染3人で成長していく中で変わって行った、というのが途中の話で挿入されたのが凄く良かったと思います。どこまで意図したものなのかはわかりませんが、その「学んで変わって行く」というのが最終回で描かれたリュウソウジャー全体を貫くテーマとも言えるものになってましたね。
じゃあ最初から「ハートキャッチプリキュア」みたいにチェンジを軸に話を組み立ててほしかったかも、なんて思ったりはしますが、もしかしたら見返すと思ってる以上に入ってたりするのかも?

 

そこまではいい。まあカナロは別枠として残りのメルトとトワが少し弱かったかなぁという気がします。

 

トワは兄さんと一緒に行動しながらも、3人との和解も早かったし、最年少ポジションという事で、リュウソウ族の次世代のホープというような描き方をもう少し強めにしても良かったような気が。あいつは光なんだ、みたいな言い方を何度かされてましたけど、バンバ兄さんのブラックに対する意味でなのか、変わる事を恐れない新しい世代なのか、その辺の描き方がちょっと曖昧でした。

 

でもってメルト。割と蛮族してたリュウソウジャーの中で知性ポジションって重要ですが、参謀的な役以上にこれといった作品全体の中の特別な立ち位置みたいなの、あまりなかったような気がします。青髪はもしかして何か裏設定あるんでしょうか?あ、オトちゃんと仲よくしてたから羨ましくて言ってるんじゃないぞ。

 

うん、でもオトちゃん可愛かったよ。ういが終盤出なくなって(最終回は出てくれた!)変わりにヒロインしてましたし、お兄ちゃんがメロメロになるのもわかります。

 

そんな感じかなぁ。
ああ、やっぱりナダはドラマがしっかり描かれてたのが良かった。関西弁は正直苦手なのですが、それでも良いキャラだなと思えましたし、ラスト3話を除けばナダ編が一番盛り上がった所だったと思います。あそこなかったらもう少し全体的な評価も下がってたかも。

 

そうそう、クレオンも忘れちゃいけません。おそらくアドリブと思われる、クレオンのぼやきみたいなのが個人的にもリュウソウジャーを見る楽しみの一つとしてしっかり私の中にありました。「僕は地面ではありません」が最高だったよ。

で、クレオン結局一体何だったのよ?と思ったら他の星のエラスのような存在であるらしいと。ワイズルー様と、半ば無理矢理プリシャスをつれて帰る様子。

 

エラスという地球そのものが生みだしたシステムがリュウソウ族とマイナソーで、結局エラスそのものは変えられなかったけれども、そこで生みだされた者たちは、自分の意思を持って、間違いを正し、より良い世界を紡いでいけるのではないか、そうなっていってほしいというのが子供番組らしいテーマではありました。


なんとなく終盤でとってつけたような感じも否めないし、敵の救済(間違ってもやり直せばいいんだよ)を描く為に破壊された大地とかを見せなかったのは、あまりフェアなやり方ではないな、とは若干思いました。


告知がないという事は「帰ってきた」は無しなのかな。ジュウオウジャーで最後のエンディング、ああこれ人間とジューマンが一緒に暮らすようになった後の世界をエンディングで先に描いてたのね、っていうちょっとしたサプライズがあっただけに、ケボーンダンスが無いのもちょっともったいなかった気がします。

何はともあれ、リュウソウジャー、1年間ありがとう。そしてまたVSで会おうぜ。
ソウルを一つに!

 

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