僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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アルティメット アベンジャーズ

マーベル・アニメイテッド・ユニバース1 アルティメット・アベンジャーズ【DVD】

原題:Ultimate Avengers The Movie
監督:カート・ゲダ、スティーヴン・E・ゴードン
原作:MARVEL COMICS
アメリカ OVA 2006
☆★


マーベル・アニメイテッド・ユニバースとして日本でも発売されたものの中の1本。(一応ナンバリングは1)原作で言う所の「アルティメッツ」のアニメ版です。

 

一応、アルティメッツの説明から。マーベル・コミックスの原作世界は半世紀以上続く、マーベルユニバースとして延々と続いている世界で、その中でアベンジャーズスパイダーマンやX-MEN等の物語が続いているわけですが、その膨大な過去の歴史が魅力でもある半面、新規読者が入りにくいのではないか?といった観点から、これまでのマーベルユニバースとはまた別の世界として2000年頃からアルティメットユニバースという新しい世界がスタート。お馴染みのキャラクターを現代に合わせた視点でリニューアルさせました。

 

そのアルティメットユニバース版のアベンジャーズが「アルティメッツ」になります。現代的なリニューアルという意味では映画のMCUにも共通する部分ですので、映画「アベンジャーズ」は原作オリジナルのアベンジャーズだけでなく、アルティメッツも参考にしてあって、サミュエル・エル・ジャクソン演じるニック・フューリーの外見とかはアルティメッツの方の引用ですし、敵として出てきたチタウリもまたアルティメッツ原作から。

 

日本語版も「アルティメッツ」「同2」と2冊程出ています。

アルティメッツ (ShoPro Books)

「キックアス」とか「キングスマン」のマーク・ミラーがシナリオを手掛けているのですが・・・スミマセン、原作のアルティメッツ私は凄く苦手でした。アルティメットユニバース全般的に言えるのですが、現代的アレンジと言うのにかこつけて、とにかくギスギスしてる上に、ヒーローなんて所詮こんな程度でしょ?的な感じで、凄く嫌な人間性みたいなものが強調されてて、読むのが割と苦痛でした。

 

アメコミでは一時期グリム&グリッティと呼ばれる暴力的でダークな作風みたいなものがリアルで現代的であるのだと業界を席巻してた時期があって、マーク・ミラーなんかもまさしくその中の代表的な作家の一人。アルティメッツもそういう流れを受け継いでいる作品です。

 

社会的なテーマとか政治的な要素は私も好きですし、むしろそういうのはあってほしいと思う方ですが、その中でもヒーローはヒーローで居てほしいと思うのです。こんなろくでもない世界だからこそ、例え夢物語であったとしても、それでもヒーローは人々の心の支えであってほしいし、生きる上でのお手本になってほしい、そう思ってます。(だから私はキャップとかに惹かれる)

 

アメコミ全体の流れも、グリム&グリッティの時代からその後はヒーロー復権の流れに結局なっていくのですが、そこは正直ほっとしています。マーク・ミラーでさえ、原作「キックアス」の3では同じような感じで変化を見せてくれます。(3のラストは鳥肌が立つほど素晴らしい。キックアスは1も2も面白いのですが、3を読んだ時はこれこそ!って思いました)

 

で、その「アルティメッツ」がベースのこちらの「アルティメット・アベンジャーズ」ですが、割とそのままアニメ化してあるので、やっぱり私はちょっと・・・という感じでした。よりリアルに、より人間的に、なのかもしれませんが、これにヒーローとして憧れるかな?とは思えませんし、むしろ見ていて誰にも感情移入出来ず、原作を読んだ時と同じように、ゲンナリしてしまいました。

 

MCU版アベンジャーズの元ネタとして比較するような感じで見る分には面白いかもしれませんが、映画が面白かったから原作読んでみよう的な感じで原作「アルティメッツ」或いはこちらの「アルティメット・アベンジャーズ」に入るのはあんまりオススメしません。


かと言って本当の原作の「アベンジャーズ#1」を読むべきなのかと言えば、それはそれで相当に敷居が高いとも思いますので、その辺りがアメコミのちょっと難しい部分でもあり、映画こそが入門用としていかに優れていたのか、というのを改めて思い知らされました。

 

ついでに言うと、アニメ本編より映像特典で入ってる『コミック「アベンジャーズ・アッセンブル!」』がメチャメチャ面白かった。原作の方のアベンジャーズを手掛けてきた作家のインタビュー集で、アベンジャーズvol,1(1期)と「ヒーローズリボーン」(2期)を挟んでvol.3(3期)のジョージ・ペレス。と、カート・ビュシークアベンジャーズを終わらせた「ディスアッセンブルド」。でマーク・ミラーの「アルティメッツ」なんかもありつつ、「ニューアベンジャーズ」へと大まかな流れをインタビュー形式で語ってるのですが、日本語版でも刊行されてた部分も割と多いので、どの辺の話をしてるのかわかって、凄く面白かった。この特典だけでも見る価値ありました。

 

 

※ 因みに原作のアルティメットユニバーズはその後の「シークレットウォーズ」というクロスオーバーイベントでマーベル正史世界に統合されて消滅しましたが、アルティメットユニバース出身だった「スパイダーバース」でお馴染みの2代目スパイダーマンことマイルズ・モラレス君なんかは正史世界に合流しています。

アルティメットユニバースの説明


1分で学ぶマーベルコミック!:アルティメット・ユニバース

予告


Ultimate Avengers (2006) - Trailer

過去記事

 

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