僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

見たもの読んだものなどの簡単な記録と感想のチラシ裏系ブログ

マーベル怪獣大進撃

マーベル怪獣大進撃

MONSTERS UNLEASHED
著:カレン・バン(ライター)
 スティーブ・マクニーブン、デビッド・バルデオン、グレッグ・ランド、レイニル・ユー、サルバドール・ラロッカ、アダム・キューバート(アーティスト)
刊:MARVEL ヴィレッジブックス
アメコミ 2020年
収録:MONSTERS UNLEASHED v2#1-5(2017)
☆☆☆

 それはある日、突然に始まった。ボストンを皮切りに、世界各地に巨大怪獣が落下。街を破壊し、人々を襲い始めたのだ。ヒーロー達は総出で迎撃に当たるが、怪獣どもの落下は止まらない。地球規模の混乱が続く中、名うてのモンスターハンターがついに動き出す。彼女の名はエルザ・ブラッドストーン。彼女が辿り着く真相とは、そして、この死闘に終止符を打つのは誰なのか?スーパーヒーロー登場以前、マーベルコミックスの誌面を支配した「マーベルモンスターズ」が半世紀の時を超えてここに復活! 

 

シビルウォー2」で示唆されたマーベル・ユニバースへの怪獣大進撃。これまた変なネタ持ってきたなと思ってたのですが、どちらかと言えば独立したイベントに近かったのね。毎年やってるようなメインストリームの流れの大型クロスオーバーかと思ってましたが、流れはシビルウォーから引き継ぎつつも、ケイ・カワデ/キッド・カイジュウ、ルネラ・ラフェイエット/ムーンガール、エルザ・ブラッドストーンの3人が主軸で、アベンジャーズとか各チームは怪獣騒動の鎮圧部隊という趣でした。

 

日本人ヒーローとしてキッドカイジュウは何度か名前を目にした事はありましたが、ムーンガールとエルサは私知らないキャラで、この人達何者なの?とちょっと困惑気味。

 

割と新しめのキャラながら、エルザはゲームなんかにも出てる近年のマーベルの押しキャラだったっぽい。

 

キッド・カイジュウはカマラちゃんと同じくテリジェンボムで覚醒。前巻の「シビルウォー2」に続いて最近はインヒューマン関連が割と幅を利かせてる感じです。ディズニーがFOX吸収前はMCUでミュータントを使えない分、インヒューマン関連をX-MENの立ち位置へ持っていきたいのでは?と、当時よく言われてましたけど、この辺もそういう流れでしょうか。

 

ドラマ版インヒューマンズも評判があまり良くなくてシーズン1で終わっちゃったという事でしたし、その後FOX吸収して正式にミュータントも絡められる準備出来たので、今後はどうなる事やら、という感じですが、色々な勢力があった方が話の幅は広がるし、上手くやっていってほしい所です。ブラックボルトが安易に言葉を発せられない分、扱いが大変そうではありますけれど。

 

という事で怪獣大進撃の部分ですが、解説にもあるように「パシフィックリム」の影響は何気に大きいのかな?最後は怪獣という扱いながらも、ほとんど「パワーレンジャー」みたいな合体ロボ(メガゾート)のノリですし、意識はしてないんだけど「シンクロナイズドモンスターズ」とか、日本で言えば「SSSSグリッドマン」に通じる部分もあったりして、そこはなかなかに興味深く読めました。

 

キッド・カイジュウことケイ君、えり足が跳ねてる髪型とか、古の日本のロボットアニメ主人公風ですよね。マジンガーの兜光児とか「グレンダイザー」のデュークフリード、あるいは「テッカマン」(旧)の南城二っぽくもある。永井豪はともかく、タツノコは昔からアメコミ風の劇画っぽい絵柄とかよく言われてたので、それが一周回ってアメコミに還元されるって考えるとなかなか面白いです。

 

私は「ゴジラ」も「ウルトラマン」もあまり知らないので、怪獣うんぬんについては特に語る背景はもってません。初代ゴジラとシンゴジとキングオブモンスターズくらいは見てますが、特にこだわりもなければジャンルに対して深い知識もないです。

 

でも流石はヴィレッジという感じの解説書がまた面白くって(これが小プロだとあっさりしちゃうのよね)アメコミは一つ流行ると他社も追従するのが通例だけど、一社でしか盛り上がらなかったものがある、それがマーベル(当時はアトラス)の巨大モンスターコミックだ!という下りで爆笑。そうか、DCとか他の小さい出版社は怪獣物やんなかったのね。

 

フィン・ファン・フーンとか一部、その後のマーベルユニバースの歴史でも生き残ってきたキャラは居るものの、他の大多数の怪獣が、50何年ぶりに再登場とかそんなのばっかりで、どんなマニアに向けてやってんだこれ?アホか(褒め言葉です)と言いたくなる感じが楽しい。

 

凄い所を掘り返してきたなっていう反面、何十年も前のネタを掘り起こすのもまたアメコミっぽくて素晴らしいなと思ってしまいます。

 

ちょっと期待&予想してたものとは違ったのですが、アメコミの奥深さと日本の文化へのリスペクトがこそばゆい感じの特殊な一冊でした。

あと、実はグルートの言葉をちゃんとは理解してなかったロケットとかちょっと面白いです。

 

次は旧「シークレットウォーズ」のようですが、そちらも楽しみにしつつ、メインの流れも早く次が読みたいです。

 

関連記事

 

curez.hatenablog.com