僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(1) (角川コミックス・エース)

MOBILE SUIT GUNDAM IRON-BLOOD ORPHANS
漫画:礒部一真
刊:角川書店 角川コミックス・エース 全3巻 2016(連載2015-16年)
☆☆★

 

鉄血のオルフェンズ」一期コミカライズ版。
現在はガンダムAで「機動戦史ガンダム武頼(ブライ)」なるものを連載中ですが、こちらのオルフェンズが礒部一真氏にとっては始めての連載になるようです。

 

この作品に関連した話じゃないですけど、ガンダムみたいなビッグタイトルをちょくちょく新人漫画家がコミカライズ連載とかしてますけど、アニメのプロットとかコンテ段階の作品が形になる早い段階の所から脚本を起こさないといけないし、メカの作画がとにかく手間がかかるし、サンライズのチェックも時間がかかるし、権利的に作者の物にもならなかったりと、よっぽど好きじゃないとあまり漫画としての旨みみたいなのは無かったりして、ガンダム好きな人は多いけど、意外と仕事としてはやりたがらない人が多いので、結果的に新人とかが必死こいて書く事になる事が多い、的なのをどっかで読んだ記憶があります。

 

勿論、オリジナル作品とかよりはずっと知名度もあるわけですが、そこそこ売れてる上手い漫画家さんがやったりしないのはそういう部分もある様子。放送とかと連動していないものなんかだとまた違うんでしょうけど、メディアミックスとしてのコミカライズは想像するだけでも大変そうです。

 

以前、ときた版逆シャアの時にもちょっと触れましたが、後から読んでこれは漫画としてぬんぬんとか言った所で、あれはあれでボンボン読者に向けた形で、そこでときた氏は好評だったからこそ何作も続けて出来たわけで、そういった背景も込みで考える必要のあるガンダム漫画を読むのは独特の視点が必要かなと思っております。

 

で、こちらのオルフェンズです。TVシリーズの方はBD揃えたりしましたし、アナザー物では好きなシリーズの上位に入るくらいの作品なのですが、私はTV放送のリアルタイムで一度見たきりだったり。つまり買ったBDとか一度も見て無い。


いや勿論、いつかまた見ようと思ってはいるのですが、終了後にこちらはリアルタイムではなくDJCDの「鉄華団放送局」を揃えて、放送の方のアーカイブも全部聴いたので、そこのプレイバックコーナーとかで、なんとなく2週目したような気になってる、みたいなのもあったり。

 

コミカライズの方は作者も書いてますけど、新しいキャラが出てはあっという間に消えてしまう、というのはどうしても連載の都合上ありますが、割と全体的な流れは上手く追えるような感じになってます。

 

当然ながら鉄華団がメインで、ギャラルホルンとか敵側の描写は少なくなってしまい、そこに関するドラマは弱い感じは否めませんし、鉄華団と言ってもそこはやっぱりオルガとバルバトスでの戦闘シーンがあるミカがメインで、あとは主役回のある明弘と、ストーリー上の核であるクーデリアが中心で、漫画だけを見てても鉄華団メンバーの顔と名前すら一致しないくらいの感じにはなってしまっている。

 

それでも結構オルフェンズらしさが損なわれて無いのは、元のアニメの構成とか設定とかが、他のガンダムシリーズとは似ていない独自性があったから、かなと。

 

変な話、「ガンダムW」とかってあれ普通にTVシリーズ毎回見てても、ストーリー理解するのメチャメチャ大変ですよね。そこを短縮したらもっとわかんなくなる。

 

でもオルフェンズは独自色が強いので、多少はしょってても、凄くオルフェンズ感が感じられて、そうそうオルフェンズはこんな感じだったよなと結構素直に受け止められたりします。そんな感じで、TVアニメに続く2週目(ラジオ合わせれば3週目かな)を普通に見た感覚があって、意外と楽しめました。

 

絵はちょっと安定してない部分もあるものの、元々の伊藤悠のキャラデザが独特なのもあって、結構似せるの大変だろうなとも思うし、そこ考えたら始めての連載でメチャメチャ頑張ってる方。

 

うん、でもいつか伊藤悠先生にじっくり時間をかけてオルフェンズのコミカライズとかやってほしいとは思います。

 

作者コメントで思ったけど、「00」とかソレスタルビーイング(天上人)で天使のイメージあったし、ヒロイックなメカなり物語で天使ってよく使われるけど、対するオルフェンズは地を這う悪魔というイメージなのは確かに面白い部分です。そういう所だけとっても結構冒険してるし十分な個性だなと。

 

ダークヒーロー的な感じで悪魔モチーフとか全く無いとは言わないけど、確かにガンダムだとあんまなかったかも。デスサイズとかもあるけど、バルバトスみたいになんかこいつやべー感じというわけじゃないですしね。

 

流石にこのコミカライズだけでオルフェンズの魅力が100%伝わるかと言えばそうではないですが、雰囲気は十分味わえて、そんなに悪くは無いかも。

 

という所で「弐」へ続く。

 

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ(2) (角川コミックス・エース)

機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ (3) (角川コミックス・エース)

 

 

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