僕はこんな事を考えている ~curezの日記~

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マイティ・ソー バトルロイヤル(MCUその17)

 

マイティ・ソー バトルロイヤル MovieNEX [Blu-ray]

原題:THOR:RAGNAROK
監督:タイカ・ワイティティ
原作:MARVEL COMICS
アメリカ映画 2017年
☆☆☆☆★

 

ブラックウィドウ」また延期なのぉおおおおおおっ!
ぐぬぬぬ。もうちょっとで観れると本当に今か今かとずっと待ってたのに。来年5月て!結局は丁度1年延期になっちゃったのか。凄く悔しい。
とりあえず「ワンダビジョン」が年末配信に決まったのでそこを心の拠り所にしようと思います。ディズニープラス、他のマーベルアニメとかも観れるっぽいので気にはなってるのですが、ワンダビジョンに合わせて加入しようかと思ってます。そこから合間合間に他のも観ていこうかなと。

 

という事で気をとりなおして「バトルロイヤル」
順番的にはMCU18本目の「ブラックパンサー」の方を先に取り上げましたが、こちらがMCU17本目にしてフェイズ3の4本目。「ソー」のシリーズとしては3作目。

 

ガーディアンズリミックスと同じく、何だよこの邦題は。原題ままの「ラグナロク」でいいじゃねーかと散々公開前は言われたものの、実際公開されてみると、まあ実際バトルロイヤルっぽいし今回は許してやるかと言われたのを思い出します。

 

ソー、いや、そう!そんな変なノリも許せてしまう感じがするくらい、今回はソー前2作とガラリと雰囲気を変えてきました。「ガーディアンズ」に近い感じで、奇抜な世界観やビジュアルで、これまでにないくらいコメディ要素がたっぷり。2作目があまり良い評価を受けなかったのもあってか、思いっきり路線変更してコメディー作品にしちゃったのかと思わせつつ、高い水準でドラマもきっちり作ってあるのが凄いです。何これメチャメチャ面白いじゃねーかと。

 

世間で言われてるほど2が駄作だったとは私は思いませんが、そこから飛び抜けて超絶面白い作品になってるのも確かにその通りと頷けてしまう面白さ。

 

原作で言う所の「プラネットハルク」編をソーの物語にミックスさせて、「シビルウォー」でトニーとキャップがクソシリアスな展開を見せている横でソーとハルクの珍道中みたいな事をやってるのもまた比較として面白いですよね。

 

ガーディアンズ」や「アントマン」もそうでしたが、こういうカラーの違う物を同じマーベル(シネマティック)ユニバースという大きなシリーズで同時に展開していくという面白さ。作風の広さまで許容できるというのはホントに面白い。

 

で、許容できると言えば、原作をあまり知らない人にとっては普通にそういうものと思うんでしょうけど、ソーのキャラクター性はここまで来ると原作からは相当にかけ離れてきています。映画でソーが面白くて気になったからと原作に手を出したとしても、ハッキリ言ってこういうソーは出てこないと思います。え?全然違うキャラじゃん?とおそらくはなるのではないかと。常に荘厳な感じの雰囲気を漂わせていて、一人称が『余は』とかで「俺」とかまず言わない感じですので、ちょっと面喰うかもしれません。

 

ただの原作再現とかに拘って、映画としてつまらないものになるくらいなら、キャラクターなんか崩してもいいから、まず映画として魅力のあるものを作ろう。面白いならそれで問題無いと言えるくらいの作りをしている辺りがMCUのとても凄い部分だと思う。

 

原作のエッセンスをきちんと取り入れつつ、下手したら原作よりももっと面白いものを作ってやろうくらいの気骨と、それを許す作風。その真骨頂とも言えるのがこの作品なんじゃないかと。

 

ソーを演じる、クリス・ヘムズワースもこの作品を撮る前はちょっと悩んでたらしいじゃないですか。それを監督のタイカ・ワイティティが、原作とかに囚われずに、もっと自由にやってみたら?とセリフとかもガンガンアドリブでやらせて、ヘムズワースもそこで開眼。次でMCU卒業するかって?しないしない、だってまだまだソー役で面白い事やれそうじゃん!と思うまでに至ると。

 

隠されていたソーの姉、あまりにも強力すぎるヘラが復活した中で、そこのストーリーだけをただシリアスにやってたらなかなかこうはならなかったはず。辺境の惑星サカールを舞台に、見た目は勿論、光の当て方とか色使いも凄いサイケデリックな感じですよね。

 

そこでひたすらギャグシーンを連発していながらも(ロキの弾けっぷりも大爆笑です)父との別れとソーの覚醒、相変わらず裏切りつつもやっぱり切っては切れないロキとの関係。過去の清算に向かうヴァルキリー、変身してしまうと戻れないかもしれない中でヒーローとしての矜持に殉じるバナー、そして誤った道に進んでしまったもののそれでも最後はとデストロ~イするスカージとか、ドラマとしても山ほど面白いシーン盛りだくさん。

 

すげぇバカっぽい作品だし、声出して笑っちゃう程なのに、何でこんなにグっと来るのかと。この摩訶不思議な感じがまた面白くって凄い。

 

前作までの地球組みの出番が無いのは残念なものの、そこはまた他の作品にも出れる余地があるからいいんだけど(ワンダビジョンにダーシー出るとか?)流石にウォリアーズ3をあっさり殺しちゃうのは勿体無いと思った。死んだように見えてギリギリ一命だけはとりとめていて、後からやっと復帰出来たぜって出てこれなくもないとは思うけども。というかそうなってほしいぞ。

 

後はこの後の展開を知ってると、ホントにやっと生き残った所のラストカットでサノスの宇宙船襲来というのもツライ。ここはワイティティの意図する所じゃ無いだろうし、大きなシリーズの一部なので仕方ないとこではあるんだけど。

 

それでもやっぱり最高に面白い作品でした。ダークでシリアスなのが重厚なヒーロー映画とされるような風潮が未だに残っている中で、そんなものはお構いなし、堂々と自分の作風で勝負してきてこんなに面白い作品を出してきてくれるんだから、本当に大したものです。いくらでもやりようがあるとここに来て新しい風を吹き込んでくれた凄い作品だと思います。

 

といった所で次は遂に「インフィニティ・ウォー」です。


映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』日本版予告編

 

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