演出:渡辺一貴 脚本:小林靖子
原作:荒木飛呂彦、北國ばらっど
日本 TVドラマ 全3話
☆☆☆
昨年末にNHKで3夜連続放送されたドラマです。(年明けにもすぐ再放送あったっぽい)録画してたので1日1話づつという形で見ました。
1話「富豪村」
2話「くしゃがら」
3話「D.N.A」
の3話オムニバス構成。ジョジョは漫画も連載当時からずっと好きで揃えてるので原作の「岸辺露伴は動かない」の方も当然読んでます。でも1話目の「富豪村」くらいは何と無く憶えてましたが、他のは記憶にありません。
どんなんだっけ?と思ったらそれもそのはず。2話目の「くしゃがら」は他の作家が描いた短編小説だったんですね。そっちはそもそも読んで無かった。3話目の「D.N.A」はただ忘れただけっぽい。
編集者側の女の子が全話に出てくるのはアレンジ部分。脚本が靖子にゃんだけに、ちょっと仮面ライダーに出てくるヒロイン枠の女の子感がありました。まあ靖子にゃんはジョジョのアニメの方のシリーズ構成もやってたので、おそらくはその縁での起用だとは思いますが。
大絶賛で最高に面白かった!とか言う程では無かったのですが、まあ普通に楽しめた、くらいだったかな。くしゃがらがいかにもジョジョっぽい奇妙さで一番良かったかも。つい私も「くしゃがら」で検索してしまいました。
1話目も精神的なバトルという面でジョジョっぽかったかな?基本的には「岸辺露伴は動かない」の通り、露伴は傍観者的な立場として物語そのものには関わらないってコンセプトの短編だったはずですが、4部のストーリーの一部分って感じで普通に露伴が戦ってて逆に面白かった。
演出で良いなと思ったのは、音響面。「ゴゴゴゴゴゴ」をちゃんと再現してくれたのが、おっ!ちゃんとジョジョわかってる人がこれ演出やってるな!と好印象です。
TVシリーズのアニメだとね、あれもジョジョらしさって言う事でアニメなのに書き文字居れちゃってるんですよね。それはそれで面白いんですが、あれってようはホラー映画とかの緊迫した場面で流れる効果音を漫画的に再現してるのであって、音が出ない漫画でどう表現するかという所で生まれてるものだろうに、音の使えるアニメでそれやってどうすんだよ?感が満載でした。
荒木自身も映画に関する本とかも出してますし、私も映画を沢山見るようになってからわかったんですけど、荒木の主なイメージソースは映画にあって、それをどう神の上で表現するかって言う所に注力してる部分が大きい。「ゴゴゴゴ」もそういうのの一環なんだけど、なんかそういう文脈で語られる事は少ない気がします。
だって昔の3部OVAの時に、アニメ版はスカイウォーカサウンドだから音がいいんだよっ!って荒木が言ってたのは自分の表現をちゃんと音で再現してくれてたからでしょう?今回はその辺も上手く作ってあったと思います。
シチュエーション的に限られた空間というのもあったんでしょうけど、少なくとも実写映画版「ダイヤモンドは砕けない」よりは違和感無く見れました。流石にこれを映画館で見てたら物足りなさは感じたでしょうけど、TVドラマとしてなら軽く見られて楽しかったかな。
企画の流れとかはよく知りませんけど、NHKは「トクサツガガガ」もやってくれましたし、私はTVつけて変なバラエティーとかやってるとそういうの嫌いなので、NHKでも見てた方がマシです。いやニュースとかならどこでもいいけど。こういうのたまにやってくれるのありがたいですね。
原作のストックがさほど無い気はしますが(短編小説はどれくらいあんだろう?)また3話分とかやってくれたらその時はきっとまた見ちゃいそうです。
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脚本:小林靖子